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ない‐てき【内的】例文一覧 30件

  1. ・・・ 従来の言説においては私の個性の内的衝動にほとんどすべての重点をおいて物をいっていた。各自が自己をこの上なく愛し、それを真の自由と尊貴とに導き行くべき道によって、突き進んで行くほかに、人間の正しい生活というものはありえないと私自身を発表・・・<有島武郎「想片」青空文庫>
  2. ・・・近松でも西鶴でも内的概念よりはヨリ多くデリケートな文章味を鑑賞して、この言葉の綾が面白いとかこの引掛けが巧みだとかいうような事を能く咄した。また紅葉の人生観照や性格描写を凡近浅薄と貶しながらもその文章を古今に匹儔なき名文であると激賞して常に・・・<内田魯庵「二葉亭余談」青空文庫>
  3. ・・・これは、外的条件が、内的の力を決定するのでない。 こゝに、自由の生む、形態の面白さがあり、押えることのできない強さがあり、爆破があり、また喜びがあるのである。自然の条件に従って、発生し、醗酵するものゝみが、最も創意に富んだ形を未来に決定・・・<小川未明「常に自然は語る」青空文庫>
  4. ・・・この場合にこの人たちをこんなにたわいなく笑わせているのは談話の内容よりもむしろこれらの人の内的外的な環境条件ではないかという気がした。 午前中忙しく働く。それが正午のベルだか笛だかで解放され向こう一時間の自由を保証されて食堂へかけ込む。・・・<寺田寅彦「三斜晶系」青空文庫>
  5. ・・・我々の自己自身を、デカルトの如き意味において一つの実体と考えるならば、それにおいての内的事実として、いわゆる明晰判明なる真理も、主観的たるを免れない。デカルトも明にこれを意識した。数学的真理の如きも魔の仕事かも知れないとまで考えた。彼は遂に・・・<西田幾多郎「デカルト哲学について」青空文庫>
  6. ・・・ 3 烏の北斗七星戦うものの内的感情です。 4 注文の多い料理店二人の青年紳士が猟に出て路を迷い、「注文の多い料理店」にはいり、その途方もない経営者からかえって注文されていたはなし。糧に乏しい村のこどもらが、・・・<宮沢賢治「『注文の多い料理店』新刊案内」青空文庫>
  7. ・・・そこで、内的な私自身のことをお話するよりも、もっと一般的な意味で、私の見て来た彼方の同人雑誌のことをほんの少しだけ申してみましょう。 彼方でもやはり日本と同じように、『文章倶楽部』のような雑誌もありますし、また『奇蹟』とか『異象』とかい・・・<宮本百合子「アメリカ文士気質」青空文庫>
  8. ・・・ 彼の死を、長谷川如是閑のように、理智と本能の争いの結果とも見得るし、内的の力の消長の潮流の工合とも見られるのだ。 自分にとって、波多野氏の方から誘惑したとかどうとか云うことは窮極の問題ではない。誘惑と云うものは、あって無いものだ。・・・<宮本百合子「有島武郎の死によせて」青空文庫>
  9. ・・・にしても、主人公個人の内的経験だけを主として辿って人間形成を描いている。些細な個人的モメントによって展開されてゆく人格形成――自我の確立と拡大、完成への過程を描いている。デュガールは、第一次ヨーロッパ大戦を終ったあとのフランスで、ファシズム・・・<宮本百合子「生きつつある自意識」青空文庫>
  10. ・・・一応の常識に、半信半疑という驚きで受けられた乃木夫妻の死は、あと三日ほどの間に、鴎外の心の中で、その行為として十分肯ける内的動因が見出されたのであろう。夫妻の生涯をそこに閉じさせたその動因は、老いた武将夫妻にとっての必然であって、従って、な・・・<宮本百合子「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」青空文庫>
  11. ・・・ ところで、作中の梅雄が学生運動の最も盛んであった時期に経験した内的成長の過程を語る部分に、次のようなところがある。「梅雄は理論的にはこの主義に何の反対も見出さなかった。ばかりでなく、これより他に……さえ信じていた。それでいて、その・・・<宮本百合子「落ちたままのネジ」青空文庫>
  12. ・・・箇人の内的運命と外的運命とが、どんなに微妙に、且つ力強く働き合って人の生涯を右左するかと思うと、自分は新しい熱心と謙譲とで、新に自分の前に展開された、多くの仲間、道伴れの生活の奥の奥まで反省し合って見度く思う。自分が人及び女性として、漸々僅・・・<宮本百合子「概念と心其もの」青空文庫>
  13. ・・・激しい困惑や擾乱を内的に予期せずにはいられません。 私には、たとい良人の形体は地上から消滅しても、彼の全部は、皆、彼との結婚後更生した自己の裡に、確に、間違いなく生きているのだ、という全我的の信仰、安住も持ち得ないのです。 現在、私・・・<宮本百合子「偶感一語」青空文庫>
  14. ・・・ バルザックが或時代の或タイプを描いたという評言を後生大事にかついでおまもりのように云っている人があるが、或タイプといってもそれは社会的活動の関係の中で立体的に描かれなければならないので、型として、内的外的活動を規定の枠内で行為させている・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  15.  今年一年、特に後半は、私にとって、内的に、深く種々の変動あり、感銘を受けた時でした。却って一々の題目を見ると、どれにもあてはめるものがない心持が致します。〔一九二二年十二月〕・・・<宮本百合子「今年心を動かした事」青空文庫>
  16. ・・・その経過に於いては内的の発表を意識しないで、其時代を形造って来た人もあるでしょう。私共の祖母、母などは、私共が反省しつつ自分の時代を造り上げているのと違って、只単に一種のシンボルとして一時代の変遷の跡を表わして来てはいたでしょうが、それが正・・・<宮本百合子「今日の女流作家と時代との交渉を論ず」青空文庫>
  17. ・・・この段階は経過したものとして、今日作家が自身の成長としての変りを希うとき、自身のうちにどんな内的な契機がつかまれて行ったらいいのだろうか。 十一月の文芸時評で、平野謙氏が、日本の自然主義以来の文学伝統の分析からこの点にふれ、作家が何によ・・・<宮本百合子「今日の文学の諸相」青空文庫>
  18. ・・・一定のイデオロギーに対する人間的弱さ、箇性の再発見、インテリゲンツィア・小市民としての出生への再帰の欲望などが内的対立として分裂の形で作品にあらわれ、傷いた階級的良心の敏感さは、嘗てその良心の故に公式的であったものが今や自虐的な方向への拍車・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  19. ・・・同時に、ブルジョア文化は今日深刻な内的矛盾を持っている。 なるほど、ブルジョア文化も封建時代の文化に対抗して自然科学の力を正面に押し出して闘った初期においては、確かに進歩的な大きな役割を持っていた。封建時代よりは、より広汎な大衆の利害を・・・<宮本百合子「今日の文化の諸問題」青空文庫>
  20. ・・・胤子の感情の必然性も十分描かれていないし、全体が説明的で、それもいきいきと納得ゆくように一人の人間の内的推移の跡を示しているとはいえないのである。 作者の意企は、魚住を中心として、感化院の教師間の生活葛藤を描くところにあったことは明瞭な・・・<宮本百合子「作品のテーマと人生のテーマ」青空文庫>
  21. ・・・散文と詩とを、アランのようなポイントから外的なもの内的なものとしていない。唯受動的に自己自身と他からの働きかけの間の調整を求めるもの、ただ合図の叫びとして在るのではなく、散文は自己と外からのものとの間から生れた更に新しい一つの人生的な価値を・・・<宮本百合子「作品のよろこび」青空文庫>
  22. ・・・日本の市民一般のおかれていた教養の低い水準のままに作家の内的世界も肯定された形をとらざるを得なかったと見られる。 夏目漱石の文学、森鴎外の文学及び、漱石系統の帝大などを出た新しい作家たちの作品が、知識人の間に広く反響をもったのは、一方に・・・<宮本百合子「作家と教養の諸相」青空文庫>
  23. ・・・モチーフを、「作家の内的要求が、テーマの直観的な端緒を」とらえるものとして理解することは、私たちの心の具体的なありように即している。「モチーフとは、作品にとっては作者なる母体につながる臍の緒である」本当にそうではないだろうか。 例えば青・・・<宮本百合子「作家に語りかける言葉」青空文庫>
  24. ・・・、三十歳のジイドの苦悩は、日夜自分の極めて知識人風な内的生活の探求の裡に棲んで、「汝は何ものかに役立たんと欲している」。だが、自分が役立ちたいのは何もののためであるか、それがはっきり掴めない焦燥と不安とであった。 作家としてのジイドを三・・・<宮本百合子「ジイドとそのソヴェト旅行記」青空文庫>
  25. ・・・ すべて、人間が自分の内的生命を注ぎ出して書くものには必ずその人の調子と云うものがある。思想的傾向とか、主要観念とかいうものの他、その人の心理的なテンポ、硬度、音波がある。媒介物である文字さえ文法的に正確に捕えたら、その作物の全リズムま・・・<宮本百合子「シナーニ書店のベンチ」青空文庫>
  26. ・・・新感覚的表徴は少くとも悟性によりて内的直感の象徴化されたものでなければならぬ。即ち形式的仮象から受け得た内的直感の感性的認識表徴で、官能的表徴は少くとも純粋客観からのみ触発された経験的外的直感のより端的な認識表徴であらねばならぬ。従って官能・・・<横光利一「新感覚論」青空文庫>
  27. ・・・ここに何ものを犠牲にしても自己を表現しないではいられない切迫した内的必然が伴なって来る。次にはこの深い精神内容をイキナリ象徴によって表現し得る素質がなければならぬ。象徴を捕える異様な敏感、自己を内より押し出そうとする内的緊張、あらゆる物と心・・・<和辻哲郎「創作の心理について」青空文庫>
  28. ・・・一人の求道者の人間知と内的経路との告白を聞くのである。九 利己主義と正義、及びこの両者の争いは先生が最も力を入れて取り扱った問題であった。『猫』は先生の全創作中最も露骨に情熱を現わしたものである。それだけにまた濃厚な諧謔・・・<和辻哲郎「夏目先生の追憶」青空文庫>
  29. ・・・ ある内的必然によって意志を緊張させた場合を想像する。喩えて言えば、ある理想のために重い石を両手でささげるのである。腕が疲れる。苦しくなる。理想の焔に焼かれている者は、腕がしびれても、眼が眩んでも、歯を食いしばってその石をささげ続ける。・・・<和辻哲郎「ベエトォフェンの面」青空文庫>
  30. ・・・さはあれわが保つ宝石の尊さを知らぬ人は気の毒を通り越して悲惨である、ただ己が命を保たんため、己が肉欲を充たさんために内的生命を失い内的欲求を枯らし果つるは不幸である。この哀れむべき人の中にさらに歩を進めたる労働者を見よ。尊き内的生命を放棄し・・・<和辻哲郎「霊的本能主義」青空文庫>