なか‐ちょう〔‐チヤウ〕【仲町】例文一覧 4件

  1. ・・・お蔦 ええ、仲町の角から、手を合せて。早瀬 何と云ってさ。お蔦 まあ、そんな事。早瀬 聞きたいんだよ。お蔦 ええ、話すわ。貴方に御両親はありません、その御両親とも、お主とも思います。貴方の大事なお師匠さま、真砂町の先生、・・・<泉鏡花「湯島の境内」青空文庫>
  2. ・・・恋した女が仲町にいて、よく遊びに行った。丸顔のかわいい娘で、今でも恋しい。この身は田舎の豪家の若旦那で、金には不自由を感じなかったから、ずいぶんおもしろいことをした。それにあのころの友人は皆世に出ている。この間も蓋平で第六師団の大尉になって・・・<田山花袋「一兵卒」青空文庫>
  3. ・・・池の端仲町の池に臨んだ裏通も亦柳の並木の一株も残らず燬かれてしまった後、池と道路との間に在った溝渠は埋められて、新に広い街路が開通せられた。この溝渠には曾て月見橋とか雪見橋とか呼ばれた小さな橋が幾条もかけられていたのであるが、それ等旧時の光・・・<永井荷風「上野」青空文庫>
  4. ・・・……………仲町を左へ曲って雪見橋へ出ると出あいがしらに、三十四、五の、丸髷に結うた、栗に目口鼻つけたような顔の、手頃の熊手を持った、不断著のままに下駄はいた、どこかの上さんが来た。くたびれた様も見えないで、下駄の歯をかつかつと鳴らしながら、・・・<正岡子規「熊手と提灯」青空文庫>