なが‐ばなし【長話】例文一覧 6件

  1. ・・・――まア、ざっとこないな話――君の耳も僕の長話の砲声で労れたろから、もう少し飲んで休むことにしよ。まア、飲み給え。」「酌ぎましたよ」と、すすめる細君の酌を受けながら、僕は大分酔った様子らしかった。「君と久し振りで会って、愉快に飲んだ・・・<岩野泡鳴「戦話」青空文庫>
  2. ・・・いや、私のような平凡な男がどんな風に育ったかなどという話は、思えばどうでもいいことで、してみると、もうこれ以上話をしてみても始まらぬわけだと、今までの長話も後悔されてきます。しかし、それもお喋りな生れつきの身から出た錆、私としては早く天王寺・・・<織田作之助「アド・バルーン」青空文庫>
  3. ・・・肚の底から面白がっている訳でもなく、聴いている私もまた期日の迫った原稿を気にしながらでは、老訓導の長話がむしろ迷惑であった。机の上の用紙には、(千日前の大阪劇場の楽屋の裏の溝 と、書出しの九行が書かれているだけで、あと続けられずに放・・・<織田作之助「世相」青空文庫>
  4. ・・・どれどれ飯にしようか、長話しをした。」と語り了って、また高く笑った。今は全く顔付も冴えざえとした平生の主人であった。細君は笑いながら聞き了りて、一種の感に打たれたかのごとく首を傾けた。「それほどまでに思っていらしったものが、一体まあ・・・<幸田露伴「太郎坊」青空文庫>
  5. ・・・ その時、新七は思わず長話をしたという風で、母の側を離れようとした。立ちがけに、広瀬さんが支那の方へ漫遊を思い立っていて遠からずそれが実行されるであろうこと、その広瀬さんが帰って来る頃にはどれ程この食堂が発展するやも知れないことを母に語・・・<島崎藤村「食堂」青空文庫>
  6. ・・・「へえ……これア飛んだ長話をしまして……。」やがて爺さんは立てていた膝を崩して柱時計を見あげた。「私も、これからまた末の女の奴を仕上げなくちゃなんねえんだがね、金のなくなる迄にゃ、まア如何にか物になろうと思うんで……。」爺さんは然う・・・<徳田秋声「躯」青空文庫>