なぐさめ‐がお〔‐がほ〕【慰め顔】例文一覧 3件

  1. ・・・そこへ院長蜂谷が庭づたいに歩いて来て、おげんを慰め顔に廊下のところへ腰掛けた。「お嬢さんを見ると、先生のことを思出します。ほんとにお嬢さんは先生によく似てお出だ」 蜂谷はおげんの旦那のことを「先生、先生」と呼んでいた。「蜂谷さん・・・<島崎藤村「ある女の生涯」青空文庫>
  2. ・・・友人は私を慰め顔に、「僕なんかでも、会社で、ずいぶん損をしますよ。」 友人は、深川の或る会社に勤めているのだが、やはり服装にはお金をかけたがらない性質のようである。「いや、服装だけじゃないんだ。もっと、根本の精神だよ。悪い教育を受け・・・<太宰治「服装に就いて」青空文庫>
  3. ・・・そこここわがままに生えていた木もすでに緑の上衣を剥がれて、寒いか、風に慄えていると、旅帰りの椋鳥は慰め顔にも澄ましきッて囀ッている。ところへ大層急ぎ足で西の方から歩行て来るのはわずか二人の武者で、いずれも旅行の体だ。 一人は五十前後だろ・・・<山田美妙「武蔵野」青空文庫>