なべ‐て【並べて】 の意味

  1. [副]《動詞「な(並)ぶ」の連用形+接続助詞「て」から》
  1. 全体が同じような状態・程度であるさま。総じて。おしなべて。「このクラスは並べて成績がよい」
  1. 普通であるさま。
    • 「御ありさまの、あやしく、げに―に覚え給はぬなり」〈・橋姫〉

なべ‐て【並べて】の慣用句

  1. 並べてならず
    • なみなみでない。格別である。
      「姿、用意など、―◦ず見ゆ」〈・絵合〉
  • なべ‐て【並べて】の例文

    出典:青空文庫

    • ・・・綾や絹は愚な事、珠玉とか砂金とか云う金目の物が、皮匣に幾つともなく、並べてあると云うじゃございませぬか。

      芥川竜之介「運」

    • ・・・時しも、鬱金木綿が薄よごれて、しなびた包、おちへ来て一霜くらった、大角豆のようなのを嬉しそうに開けて、一粒々々、根附だ、玉だ、緒〆だと、むかしから伝われば、道楽でためた秘蔵の小まものを並べて楽しむ処へ――それ、しも手から、しゃっぽで、袴で、・・・

      泉鏡花「開扉一妖帖」

    • ・・・いて、えへらえへらと嘲笑う…… その笑が、日南に居て、蜘蛛の巣の影になるから、鳥が嘴を開けたか、猫が欠伸をしたように、人間離れをして、笑の意味をなさないで、ぱくりとなる…… というもので、筵を並べて、笠を被って坐った、山茱萸、山葡萄・・・

      泉鏡花「茸の舞姫」