ナポリ【Napoli】例文一覧 8件

  1. ・・・   二 海賊ナポリを見てから死ね! Pirate という言葉は、著作物の剽窃者を指していうときにも使用されるようだが、それでもかまわないか、と私が言ったら、馬場は即座に、いよいよ面白いと答えた。Le Pir・・・<太宰治「ダス・ゲマイネ」青空文庫>
  2. ・・・ ナポリを見物に行ったついでに、ほど遠からぬポツオリの旧火口とその中にある噴気口を見に行った。電車をおりてベデカをたよりに尋ねて行こうとすると、すぐに一人の案内者が追いすがって来てしきりにすすめる。まだ三十にならないかと思われるあま・・・<寺田寅彦「案内者」青空文庫>
  3. ・・・ ナポリの湾内にイタリアの艦隊の並んだ絵も一枚あった。背景にはヴェスヴィオが紅の炎を吐き、前景の崖の上にはイタリア笠松が羽をのしていた。一九一〇年の元旦にこの火山に登って湾を見おろした時には、やはりこの絵が眼前の実景の上に投射され、また・・・<寺田寅彦「青衣童女像」青空文庫>
  4. ・・・月夜の海は次第に波が高くなって、船は三十度近くも揺れるので、人々はもうたいてい室の毛布にくるまって、あす着くナポリの事でも考えているだろうに。……     八 ナポリとポンペイ五月二日 朝甲板へ出て見ると、もうカプリ・・・<寺田寅彦「旅日記から(明治四十二年)」青空文庫>
  5.  九州の武雄温泉で迎えた明治三十年の正月と南欧のナポリで遭った明治四十三年の正月とこの二つの旅中の正月の記憶がどういう訳か私の頭の中で不思議な聯想の糸につながれて仕舞い込まれている。一方を思い出すと必ず他方がくっついて一緒に・・・<寺田寅彦「二つの正月」青空文庫>
  6. ・・・鵜原は太平洋のナポリと或人が云ったので、令子はその巖と海との月を心に描いて来たのであった。 鵜原で汽車を降り、宿を駅夫に訊いたら、「あの巡査さんが途中まで行くから、一緒に行らっしゃい」 左手に黒々と巖山が聳え、駅を出てそこを歩い・・・<宮本百合子「黒い驢馬と白い山羊」青空文庫>
  7. ・・・でもスペインやイタリー、ギリシャのような南方の諸国の自然と、ドイツ、ロシアなどのような北方の国々とでは、気候によって咲く花が違い空の色がちがうように、言語の発声法が異り、人々の気質がちがって来ている。ナポリの、多彩な、陽気な、歌ずきで騒々し・・・<宮本百合子「自然描写における社会性について」青空文庫>
  8. ・・・ 一八七九年、ようやく二十を越したばかりのデュウゼは旅役者の仲間に加わってナポリへ行き、初めてテレエゼの役をつとめたが、二三日たつと彼女の名はすでに全イタリーに広まっていた。一か月の後にはツェザアレ・ロッシ一座の立て女優としてチュウリン・・・<和辻哲郎「エレオノラ・デュウゼ」青空文庫>