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なま‐いき【生意気】例文一覧 30件

  1. ・・・「生意気な事をするな。」 そう云う兄の声の下から、洋一は兄にかぶりついた。兄は彼に比べると、遥に体も大きかった。しかし彼は兄よりもがむしゃらな所に強味があった。二人はしばらく獣のように、撲ったり撲られたりし合っていた。 その騒ぎ・・・<芥川竜之介「お律と子等と」青空文庫>
  2. ・・・褪紅色の洋服に空色の帽子を阿弥陀にかぶった、妙に生意気らしい少女である。少女は自働車のまん中にある真鍮の柱につかまったまま、両側の席を見まわした。が、生憎どちら側にも空いている席は一つもない。「お嬢さん。ここへおかけなさい。」 宣教・・・<芥川竜之介「少年」青空文庫>
  3. ・・・そうしたら八っちゃんが生意気に僕の頬ぺたをひっかいた。お母さんがいくら八っちゃんは弟だから可愛がるんだと仰有ったって、八っちゃんが頬ぺたをひっかけば僕だって口惜しいから僕も力まかせに八っちゃんの小っぽけな鼻の所をひっかいてやった。指の先きが・・・<有島武郎「碁石を呑んだ八っちゃん」青空文庫>
  4. ・・・ と婀娜に唇の端を上げると、顰めた眉を掠めて落ちた、鬢の毛を、焦ったそうに、背へ投げて掻上げつつ、「この髪をむしりたくなるような思いをさせられるに極ってるけれど、東京へ来たら、生意気らしい、気の大きくなった上、二寸切られるつもりにな・・・<泉鏡花「女客」青空文庫>
  5. ・・・ 幼いものが、生意気に直接に打撞る事がある。「杢やい、実家はどこだ。」「実家の事かい、ははん。」 や、もうその咳で、小父さんのお医師さんの、膚触りの柔かい、冷りとした手で、脈所をぎゅうと握られたほど、悚然とするのに、たちまち・・・<泉鏡花「茸の舞姫」青空文庫>
  6. ・・・今の若さで東京が恋しくないのは、男の癖に因循な証拠ですよ。生意気いうようだけど、柏崎に居ったって東京を忘れられては困るわね矢代さん。そうですとも僕は令妹の御考えに大賛成だ。 こんな調子で余は岡村に、君の資格を以てして今から退隠的態度をと・・・<伊藤左千夫「浜菊」青空文庫>
  7. ・・・私が今いうと生意気らしいが、私は児供の時からヘタヤタラに小説を読んでいた。西洋の小説もその頃リットンの『ユーゼニ・アラム』を判分教師に教わり教わりながらであるが読んでいた。であるから貸本屋の常得意の隠居さんや髪結床の職人や世間普通の小説読者・・・<内田魯庵「明治の文学の開拓者」青空文庫>
  8. ・・・ 彼らは、これを聞くと、かえってますます怒りました。「なにもおまえの知ったことじゃない。おまえは、この小さい悪い奴の仲間なのか? 生意気な奴だからいっしょになぐってしまえ!」といって、彼らは、若者の手や、足や、顔や、頭を、かまわず思うぞ・・・<小川未明「あほう鳥の鳴く日」青空文庫>
  9. ・・・「あなたは、かってに、私の家へ巣を張っているのでしょう。どうか、早くここからほかへいってください。」と、花は、かえって、くもに向かっていったのです。 すると、くもは、たいそう怒りました。「生意気な、どうするかみておれ……。」とい・・・<小川未明「くもと草」青空文庫>
  10. ・・・「金さんだなんて、お前なぞがそんな生意気な口を利くものじゃない!」「へい」 お光は新造に向って、「どうしましょう、ここへ通しましょうか?」「ここじゃあんまり取り散らかしてあるから、下の座敷がいいじゃねえか」「じゃ、とにか・・・<小栗風葉「深川女房」青空文庫>
  11. ・・・ ある日、給仕のくせに生意気だと撲られた。三日経つと、社内で評判の美貌の交換手を接吻した。 最初の月給日、さすがにお君の喜ぶ顔を想像していそいそと帰ってみると、お君はいなかった。警察から呼出し状が出て出頭したということだった。三日帰・・・<織田作之助「雨」青空文庫>
  12. ・・・いくらかその人を見直す気になり、ぼそんと笑ったときのその人の、びっくりするほど白い歯を想いだし、なんと上品な笑顔だったかと無理に自分に言いきかせて、これあるがために私も救われると、そんな生意気な表現を心に描いたのだった。私はそれまで男の人に・・・<織田作之助「天衣無縫」青空文庫>
  13. ・・・私は笹川の得意さを想うと同時に、そしてまた昨日からの彼に対する憤懣の情を和らげることはできないながらに、どうかしてH先生のような立派な方に、彼の例の作家風々主義なぞという気持から、うっかりして失礼な生意気を見せてくれなければいいがと、祈らず・・・<葛西善蔵「遁走」青空文庫>
  14. ・・・馬の顔を斜に見た処で、無論少年の手には余る画題であるのを、自分はこの一挙に由て是非志村に打勝うという意気込だから一生懸命、学校から宅に帰ると一室に籠って書く、手本を本にして生意気にも実物の写生を試み、幸い自分の宅から一丁ばかり離れた桑園の中・・・<国木田独歩「画の悲み」青空文庫>
  15. ・・・『源公の野郎、ほんとにこの節は生意気になったよ。先生散歩?』お梅は時田のそばに寄って顔をのぞくようにして見た。『あの幸ちゃんが来たら散歩に行ったって、そしてすぐ帰るからッて言っておくれ、』と時田は門を出た。お梅は後について来て、・・・<国木田独歩「郊外」青空文庫>
  16. ・・・人間は中学やかいへ行っちゃ生意気になるだけで、働かずに、理屈ばっかしこねて、却って村のために悪い。何んせ、働かずにぶら/\して理屈をこねる人間が一番いかん。それに、お前、お前はまだこの村で一戸前も持っとらず、一人前の税金も納めとらんのじゃぞ・・・<黒島伝治「電報」青空文庫>
  17. ・・・先生極真面目な男なので、俳句なぞは薄生意気な不良老年の玩物だと思っており、小説稗史などを読むことは罪悪の如く考えており、徒然草をさえ、余り良いものじゃない、と評したというほどだから、随分退屈な旅だったろうが、それでもまだしも仕合せな事には少・・・<幸田露伴「観画談」青空文庫>
  18. ・・・自己が大能力があッたら乱雑の世界を整頓してやろうなんかんというのが当世の薄ら生意気の紳士の欲望だが、そんなつまらない事が出来るものカネ。天地は重箱の中を附木で境ッたようになッてたまるものか。兎角コチンコチンコセコセとした奴らは市区改正の話し・・・<幸田露伴「ねじくり博士」青空文庫>
  19. ・・・簡潔に、やってしまいましょう。」生意気である。「博士が、うしろを振りむくと、四十ちかい、ふとったマダムが立って居ります。いかにも奇妙な顔の、小さい犬を一匹だいている。 ふたりは、こんな話をした。 ――御幸福? ――ああ、仕合せだ・・・<太宰治「愛と美について」青空文庫>
  20. ・・・この画はいまにきっと高くなります、と生意気な事を言って、豊田の「おどさ」にあげました。おどさは笑っていました。あの画は、今も豊田様のお家に、あると思います。いまでは百円でも安すぎるでしょう。棟方志功氏の、初期の傑作でした。 棟方志功氏の・・・<太宰治「青森」青空文庫>
  21. ・・・三年生のときはT先生の磁力測量の結果の整理に関する仕事の御手伝いをしながら生意気にも色々勝手な議論を持ちだしたりした。それを学生のいうことでも馬鹿にしないで真面目に受け入れて、学問のためには赤子も大人も区別しない先生の態度に感激したりした。・・・<寺田寅彦「科学に志す人へ」青空文庫>
  22. ・・・科学がほんの少しばかり成長してちょうど生意気盛りの年ごろになっているものと思われる。天然の玄関をちらとのぞいただけで、もうことごとく天然を征服した気持ちになっているようである。科学者は落ち着いて自然を見もしないで長たらしい数式を並べ、画家は・・・<寺田寅彦「からすうりの花と蛾」青空文庫>
  23. ・・・奴らは見張をしていたのだ。生意気に「宮本だ」と、平常親より怖れ、また敬っている自分へ、冷たく云い放ったときも、あの眼だ。 トラックを急がせて、会社近くの屈り角へ来たとき、不意に横合から、五六人の男が、運転手台へ飛び掛った。スワと思って、・・・<徳永直「眼」青空文庫>
  24. ・・・自分はまだ煙草を喫っても碌に味さえ分らない子供の癖に、煙草を喫ってさも旨そうな風をしたら生意気でしょう。それをあえてしなければ立ち行かない日本人はずいぶん悲酸な国民と云わなければならない。開化の名は下せないかも知れないが、西洋人と日本人の社・・・<夏目漱石「現代日本の開化」青空文庫>
  25. ・・・金持ちとか、華族とか、なんとかかとか、生意気に威張る奴らがさ」「しかしそりゃ見当違だぜ。そんなものの身代りに僕が豆腐屋主義に屈従するなたまらない。どうも驚ろいた。以来君と旅行するのは御免だ」「なあに構わんさ」「君は構わなくっても・・・<夏目漱石「二百十日」青空文庫>
  26. ・・・一 女性は最も優美を貴ぶが故に、学問を勉強すればとて、男書生の如く朴訥なる可らず、無遠慮なる可らず、不行儀なる可らず、差出がましく生意気なる可らず。人に交わるに法あり。事に当りて論ず可きは大に論じて遠慮に及ばずと雖も、等しく議論するにも・・・<福沢諭吉「新女大学」青空文庫>
  27. ・・・……よくも考えないで生意気が云えたもんだ。儚い自分、はかない制限された頭脳で、よくも己惚れて、あんな断言が出来たものだ、と斯う思うと、賤しいとも浅猿しいとも云いようなく腹が立つ。で、ある時小川町を散歩したと思い給え。すると一軒の絵双紙屋の店・・・<二葉亭四迷「予が半生の懺悔」青空文庫>
  28. ・・・地獄では我々が古参だから頭下げて来るなら地獄の案内教えてやらないものでもないが、生意気に広い墓地を占領して、死んで後までも華族風を吹かすのは気にくわないヨ。元来墓地には制限を置かねばならぬというのが我輩の持論だが、今日のように人口が繁殖して・・・<正岡子規「墓」青空文庫>
  29. ・・・ 三疋は年も同じなら大きさも大てい同じ、どれも負けず劣らず生意気で、いたずらものでした。 ある夏の暮れ方、カン蛙ブン蛙ベン蛙の三疋は、カン蛙の家の前のつめくさの広場に座って、雲見ということをやって居りました。一体蛙どもは、みんな、夏・・・<宮沢賢治「蛙のゴム靴」青空文庫>
  30. ・・・しかしそういう点で共通の幸福を守ること、その協力の意味を理解しない男の人たちは、組合が要求するから仕方がないようなものの、女のくせに生意気だという感情を捨てきっていない。組合の中で婦人部と青年部とはよく調和して活動できるけれども、大人の男子・・・<宮本百合子「明日をつくる力」青空文庫>