なま‐へんじ【生返事】例文一覧 6件

  1. ・・・』『お前はどうして』と問われてお絹ためらいしが『叔父さんとよく相談してと生返事をして置きました。』『そうか』と叔父は嘆息なり。『叔父さんのご用というのは何。』『用というのではないがお前驚いてはいけんよ、吉さんはあっちで病・・・<国木田独歩「置土産」青空文庫>
  2. ・・・ええとか、はあとか、生返事していて、まるっきり違ったことばかり考えている。心中、絶えず愚かな、堂々めぐりの自問自答を繰りかえしているばかりで、私は、まるで阿呆である。何も言えない。むだに疲れるのである。どうにも、やりきれない。酒を呑むと、気・・・<太宰治「酒ぎらい」青空文庫>
  3. ・・・ 私が気乗りのしない生返事をしていたのだが、佐野君はそれにはお構いなしに、かれの見つけて来たという、その、いいひとに就いて澱みなく語った。割に嘘の無い、素直な語りかただったので、私も、おしまいまで、そんなにいらいらせずに聞く事が出来た。・・・<太宰治「令嬢アユ」青空文庫>
  4. ・・・自分だって読んだ事もないのに鉄道馬車の中なんかでよせば善いと思ったが、仕方がないからウンウンと生返事をしていた。やがてケニングトンに着た。ここで馬車を乗り換る。こんどは上へ上がろうと云うから階子を登ってトップへ乗った。「この左りにあるのが有・・・<夏目漱石「倫敦消息」青空文庫>
  5. ・・・どうだかと思いながら私は生返事をしました。「吸い込まれたのだねえ、だってあんまり急に落ちた。」慶次郎も無理にそうきめたいと云う風でした。「もう死んだのかも知れないよ。」私は又どうもそうでもないと思いながら云いました。「死んだのだ・・・<宮沢賢治「鳥をとるやなぎ」青空文庫>
  6. ・・・ まだ九時でございます。と云います。 生返事をしながら彼女は足の踵がどことなし痛い事、頭の奥がはっきりしない事を思って居ました。 今年九つになって可愛い利口な弟の英男はこの月始めから高い熱を出して床に就いて居るのです。・・・<宮本百合子「二月七日」青空文庫>