出典:デジタル大辞泉(小学館)

[係助]《上代の係助詞「なも」の音変化。「なん」とも》名詞、活用語の連用形・連体形、副詞、助詞に付く。
  1. 上の事柄を強く示す意を表す。

    1. 「夜半 (よなか) うち過ぐるほどに―、絶えはて給ひぬる」〈・桐壺〉

  1. (文末で)上の事柄を強く示すとともに余情を残す意を表す。…てねえ。

    1. 「ましていと憚 (はばか) り多く―」〈・桐壺〉

[補説]中古の散文、特に会話文で多く用いられた。文中にある場合、これを受ける活用語は連体形となるのが原則である。ただし受ける語が接続助詞を伴って下に続く場合は、連体形で結ぶとは限らない。また、2のように結びが省略されることもある。同じ係助詞の「こそ」や「ぞ」に比べて語勢は弱いといわれる。
[終助]《上代の終助詞「なも」の音変化》動詞型活用語の未然形に付く。他に対してあつらえ望む意を表す。…てほしい。…であってほしい。
    1. 「ま遠くの野にも逢は―心なく里のみ中に逢へる背なかも」〈・三四六三〉