なら・う〔ならふ〕【習う/慣らう/×馴らう】例文一覧 23件

  1. ・・・が、いくら造作なく使えると言っても、習うのには暇もかかりますから、今夜は私の所へ御泊りなさい。」「どうもいろいろ恐れ入ります。」 私は魔術を教えて貰う嬉しさに、何度もミスラ君へ御礼を言いました。が、ミスラ君はそんなことに頓着する気色・・・<芥川竜之介「魔術」青空文庫>
  2. ・・・成程諸君は英語を習うために出席している。その諸君に英語を教えないのは、私が悪かった。悪かったから、重々あやまります。ね。重々あやまります。」と、泣いてでもいるような微笑を浮べて、何度となく同じような事を繰り返した。それがストオヴの口からさす・・・<芥川竜之介「毛利先生」青空文庫>
  3. ・・・ 親父は、そのまま緊乎と抱いて、「織坊、本を買って、何を習う。」「ああ、物理書を皆読むとね、母様のいる処が分るって、先生がそう言ったよ。だから、早く欲しかったの、台所にいるんだもの、もう買わなくとも可い。……おいでよ、父上。」・・・<泉鏡花「国貞えがく」青空文庫>
  4. ・・・ひらひら、ちらちらと羽が輝いて、三寸、五寸、一尺、二尺、草樹の影の伸びるとともに、親雀につれて飛び習う、仔の翼は、次第に、次第に、上へ、上へ、自由に軽くなって、卯の花垣の丈を切るのが、四、五度馴れると見るうちに、崖をなぞえに、上町の樹の茂り・・・<泉鏡花「二、三羽――十二、三羽」青空文庫>
  5. ・・・あ、螢、螢と登勢は十六の娘のように蚊帳じゅうはねまわって子供の眼を覚ましたが、やがて子供を眠らせてしまうと、伊助はおずおずと、と、と、登勢、わい、じょ、じょ、浄瑠璃習うてもかめへんか。酒も煙草も飲まず、ただそこらじゅう拭きまわるよりほかに何・・・<織田作之助「螢」青空文庫>
  6. ・・・ そして、班長のサル又や襦袢の洗濯をさせられたり、銃の使い方や、機関銃や、野砲の撃ち方を習う。毎朝点呼から消燈時間まで、勤務や演習や教練で休むひまがない。物を考えるひまがない。工場や、農村に残っている同志や親爺には、工場主の賃銀の値下げ・・・<黒島伝治「入営する青年たちは何をなすべきか」青空文庫>
  7. ・・・其頃習うたものは、「いろは」を終って次が「上大人丘一巳」というものであったと覚えて居る。 弱い体は其頃でも丈夫にならなかったものと見えて、丁度「いろは」を卒える頃からででもあったろうか、何でも大層眼を患って、光を見るとまぶしくてならぬた・・・<幸田露伴「少年時代」青空文庫>
  8. ・・・よいか、わしが無理借りに此方へ借りて来て、七ツ下りの雨と五十からの芸事、とても上りかぬると謗らるるを関わず、しきりに吹習うている中に、人の居らぬ他所へ持って出ての帰るさに取落して終うた、気が付いて探したが、かいくれ見えぬ、相済まぬことをした・・・<幸田露伴「雪たたき」青空文庫>
  9. ・・・折紙細工に長じ、炬燵の中にて、弟子たちの習う琴の音を聴き正しつつ、鼠、雉、蟹、法師、海老など、むずかしき形をこっそり紙折って作り、それがまた不思議なほどに実体によく似ていた。また、弘化二年、三十四歳の晩春、毛筆の帽被を割りたる破片を机上に精・・・<太宰治「盲人独笑」青空文庫>
  10. ・・・学校ではわりに成績のよかった自分が、学校ではいつもびりに近かった亀さんを尊敬しない訳には行かなかった。学校で習うことは、誰でも習いさえすれば覺えることであり、一とわたりは言葉で云い現わすことの出来るような理窟の筋道の通ったことばかりであった・・・<寺田寅彦「重兵衛さんの一家」青空文庫>
  11. ・・・う、そういう本質的内在的な理由もあったであろうが、また一方では、はじめはただ各個人の主観的詠嘆の表現であったものが、後に宮廷人らの社交の道具になり、感興や天分の有無に関せずだれも彼もダンスのステップを習うように歌をよむことになって来たために・・・<寺田寅彦「俳句の型式とその進化」青空文庫>
  12. ・・・すなわち我が邦の人、横行の文字を読み習うるの始めなり。 その後、宝暦明和の頃、青木昆陽、命を奉じてその学を首唱し、また前野蘭化、桂川甫周、杉田いさい等起り、専精してもって和蘭の学に志し、相ともに切磋し、おのおの得るところありといえども、・・・<福沢諭吉「慶応義塾の記」青空文庫>
  13. ・・・ さてまた、子を教うるの道は、学問手習はもちろんなれども、習うより慣るるの教、大なるものなれば、父母の行状正しからざるべからず。口に正理を唱るも、身の行い鄙劣なれば、その子は父母の言語を教とせずしてその行状を見慣うものなり。いわんや父母・・・<福沢諭吉「中津留別の書」青空文庫>
  14. ・・・それからいちばんおしまいには鳥や木や石やいろいろのことを習うのでした。 アラムハラドは長い白い着物を着て学者のしるしの垂れ布のついた帽子をかぶり低い椅子に腰掛け右手には長い鞭をもち左手には本を支えながらゆっくりと教えて行くのでした。・・・<宮沢賢治「学者アラムハラドの見た着物」青空文庫>
  15. ・・・よく習うんだよ。決して先生を食べてしまったりしてはいかんぞ。」 子供らはよろこんでニヤニヤ笑って口々に、「おとうさん、ありがとう。きっと習うよ。先生を食べてしまったりしないよ。」と言いました。 クねずみはどうも思わず足がブルブル・・・<宮沢賢治「クねずみ」青空文庫>
  16. ・・・ 若い者に字を習うということが、案外きまりわるくないと分る。やがて、ピョートルの女房も来る。女房が隣りの女房もつれて来る。「――なるほどねえ、私の名はこう書くのかねえ。こうして字を知りゃお前、書きつけがよめなくて、麦をゴマ化されるこ・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」青空文庫>
  17. ・・・ 四年生になると女学校では西洋歴史を習う。初めての時間、西洋史の先生が教室に入って来られた時、三十二人だったかの全生徒の感情を、愕きと嬉しさとでうち靡かせるようなざわめきがあった。 その女学校の女先生が制服のように着ていたくすんだ紫・・・<宮本百合子「時代と人々」青空文庫>
  18. ・・・「いいえ姉から習うんです。 いつでも千鳥の曲はいいと思ってます。「随分精しいんですねえ。 私琴は弾けないんですよ、 ただ三味線はすきですきくだけですけど、 尺八のいい悪いなんかはわかるほど年を取って居ませんしねえ。・・・<宮本百合子「千世子(三)」青空文庫>
  19. ・・・いわゆる気分のまぎらしどころであっては、従来の若い働く女性たちが、生活の空虚感からお花でも習う、それと質がちがわなくなってしまうであろう。私たちがもし生活に空虚を感じるときは、決してただそれを紛らす方法ばかりを考えてはいけないと思う。よくそ・・・<宮本百合子「働く婦人の新しい年」青空文庫>
  20. ・・・それでも母は洋画を習う希望をすてず、上野へ行って規則を調べたりもしたらしいが、当時美術学校は女の生徒を入れないことになっていた。そう云って断られた。けれどもイーストレイキの娘が女で通っているのに、日本の女を入れないのはどういうわけか、西洋人・・・<宮本百合子「母」青空文庫>
  21. ・・・ この切り抜きを習う場面と、鋏を使う面白さを覚えたばかりの子供が家へかえると何の切りぬき絵も持っていないところから、母さんが縫ったばかりの着物をジョキジョキとやって、母親はそれを悪戯として当惑し、保姆はああ本当に鋏を使いはじめたことお知・・・<宮本百合子「「保姆」の印象」青空文庫>
  22. ・・・和女とて一わたりは武芸をも習うたのに、近くは伊賀局なんどを亀鑑となされよ。人の噂にはいろいろの詐偽もまじわるものじゃ。軽々しく信ければ後に悔ゆることもあろうぞ」 言いきって母は返辞を待皃に忍藻の顔を見つめるので忍藻も仕方なさそうに、挨拶・・・<山田美妙「武蔵野」青空文庫>
  23. ・・・通例は何らかの仕方で度の合わせ方を先人から習う。それを自覚的にしたのが様式の理解なのである。 では能面の様式はどこにその特徴を持っているであろうか。自分はそれを自然性の否定に認める。数多くの能面をこの一語の下に特徴づけるのはいささか冒険・・・<和辻哲郎「能面の様式」青空文庫>