ならび‐に【並びに】例文一覧 25件

  1. ・・・故に久保田君の芸術的並びに道徳的態度を悉理解すること能わず。然れども君の小説戯曲に敬意と愛とを有することは必しも人後に落ちざるべし。即ち原稿用紙三枚の久保田万太郎論を草する所以なり。久保田君、幸いに首肯するや否や? もし又首肯せざらん乎、―・・・<芥川竜之介「久保田万太郎氏」青空文庫>
  2. ・・・   罪 道徳的並びに法律的範囲に於ける冒険的行為、――罪は畢竟こう云うことである。従って又どう云う罪も伝奇的色彩を帯びないことはない。   わたし わたしは良心を持っていない。わたしの持っているのは神経ばか・・・<芥川竜之介「侏儒の言葉」青空文庫>
  3. ・・・つかおれはあの男が、海へ卒塔婆を流す時に、帰命頂礼熊野三所の権現、分けては日吉山王、王子の眷属、総じては上は梵天帝釈、下は堅牢地神、殊には内海外海竜神八部、応護の眦を垂れさせ給えと唱えたから、その跡へ並びに西風大明神、黒潮権現も守らせ給え、・・・<芥川竜之介「俊寛」青空文庫>
  4. ・・・ 向島のうら枯さえ見に行く人もないのに、秋の末の十二社、それはよし、もの好として差措いても、小山にはまだ令室のないこと、並びに今も来る途中、朋友なる給水工場の重役の宅で一盞すすめられて杯の遣取をする内に、娶るべき女房の身分に就いて、忠告・・・<泉鏡花「政談十二社」青空文庫>
  5. ・・・「国主の御用ひなき法師なれば、あやまちたりとも科あらじとや思ひけん、念仏者並びに檀那等、又さるべき人々も同意したりとぞ聞えし、夜中に日蓮が小庵に数千人押し寄せて、殺害せんとせしかども、いかんがしたりけん、其夜の害も免れぬ。」 このさ・・・<倉田百三「学生と先哲」青空文庫>
  6. ・・・そうして更に面白いことには、良い論文を落第させればさせるほど、あたかもその審査員並びにその属する学団の品位が上昇するかのごとき感じを局外者に与えるらしく思い込まれる場合もあるようである。生徒に甘い点をつける先生は甘く見え、辛い点をつけるほど・・・<寺田寅彦「学位について」青空文庫>
  7. ・・・そう云った風に夢中になっているときには、暑さや寒さに対して室温並びに衣服の調節を怠るような場合がどうしても多い上に、身心ともに過労に陥るのを気持の緊張のために忘却して無理をしがちになるから自然風邪のみならずいろんな病気に罹りやすいような条件・・・<寺田寅彦「変った話」青空文庫>
  8. ・・・河馬と言うものの特徴を見せるために、その前後並びに側面から見た形、眼、耳、鼻、口、尻尾、脚等の形態、水中にもぐって鼻づらだけ出した様子、鼻息で水を吹きとばす有様、水中で動くときに起る水の渦動、こういったようなものを十分に詳しく見せようと思っ・・・<寺田寅彦「教育映画について」青空文庫>
  9. ・・・工学部の課目中に物理実験を加えるようになったのも同君並びに同志の諸氏の考えが導因となったもののように記憶するが、この点は筆者の思い違いかもしれない。鋭い直観の力で一遍に当面の問題の心核を掴んでしまう。そうして簡易な解析と手軽な実験によって問・・・<寺田寅彦「工学博士末広恭二君」青空文庫>
  10. ・・・それで自然損害の一番ひどい局部だけを捜し歩いて、その写真を大きく紙面一杯に並べ立てるから、読者の受ける印象ではあたかも静岡全市並びに附近一帯が全部丸潰れになったような風に漠然と感ぜられるのである。このように、読者を欺すという悪意は少しもなく・・・<寺田寅彦「静岡地震被害見学記」青空文庫>
  11. ・・・左の一篇は、一般に予報の可能なるための条件や、その可能の範囲程度並びにその実用的価値の標準等につきて卑見を述べ、先覚者の示教を仰ぐと同時に、また一面には学者と世俗との間に存する誤解の溝渠を埋むる端緒ともなさんとするものなり。元来この種の問題・・・<寺田寅彦「自然現象の予報」青空文庫>
  12. ・・・稲の正当な発育には一定量の日照並びに気温の積分的作用が必要であって、これが不足すれば必ず凶作が来る。それで年の豊凶を予察するには結局その年の七、八月における気温や日照の積分額を年の初めに予知することが出来れば少なくも大体の見当はつくというこ・・・<寺田寅彦「新春偶語」青空文庫>
  13. ・・・そのおかげで、それまではこの世における颱風の存在などは忘れていたらしく見える政治界経済界の有力な方々が急に颱風並びにそれに聯関した現象による災害の防止法を科学的に研究しなければならないということを主唱するようになり、結局実際にそういう研究機・・・<寺田寅彦「颱風雑俎」青空文庫>
  14. ・・・ チューインガムの流行常用によってその歯噛みの動作の反応作用から日本人が生理的並びに心理的にだんだんアメリカ人のようなものに接近して行くというようなことはあり得ないものか。そういう日が来れば我国の俳諧は滅亡するであろう。そうして同時に日・・・<寺田寅彦「チューインガム」青空文庫>
  15. ・・・ 洋画家並びに図案家としての津田君は既に世間に知られている。しかし自分が日本画家あるいは南画家としての津田君に接したのは比較的に新しい事である。そしてだんだんその作品に親しんで行くうちに、同君の天品が最もよく発揮し得られるのは正しくこの・・・<寺田寅彦「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」青空文庫>
  16. ・・・翌日この劇場前を通ったら、なるほど、すべての入り口が閉鎖され平生のにぎやかな粧飾が全部取り払われて、そうして中央の入り口の前に「場内改築並びに整理のために臨時休業」という立て札が立っている。 近傍一帯が急にさびれて見えた。隣の東京朝日新・・・<寺田寅彦「藤棚の陰から」青空文庫>
  17. ・・・また農具の研究並びにその改良等も従来の型を離れて新しい発展をしようとするにはどうしても物理学、力学の応用に依る外はないように思われる。近年安藤農学士が植物の霜害に関する研究をされたが、これらも面白い物理的研究の一例であろう。 我邦の産業・・・<寺田寅彦「物理学の応用について」青空文庫>
  18. ・・・一定の位置並びに寒暖計の示す温度において測った金属棒の長さは、不可測的の雑多な微細な原因のために、種々異なる価を与えても多数の測定の平均はある程度まで一致すると考えられるのはやはりこの偶然の御蔭である。こういう風に考えれば長さという言葉の意・・・<寺田寅彦「方則について」青空文庫>
  19. ・・・そうしてこの種の漫画によって表現された人間の形態並びに精神的の特徴は、一方において特異なものであると同時に他方ではその特徴を共有する一つの集団の普遍性を抽象してその集団の「型」を設定する事になる。こういう対象の取扱い方は実に科学者がその科学・・・<寺田寅彦「漫画と科学」青空文庫>
  20. ・・・という事を旗じるしに押し立てて進んで来たいわゆる精密科学は、自然界におけるあらゆる物並びにその変化と推移を連続的のものと見做そうとする傾向を生じた。そして事情の許す限りは物質を空隙のないコンチニウムと見做す事によってその運動や変形を数学的に・・・<寺田寅彦「厄年と etc.」青空文庫>
  21. ・・・なお床下通り二十九番地ポ氏は、昨夜深更より今朝にかけて、ツェ氏並びにはりがねせい、ねずみとり氏の激しき争論、時に格闘の声を聞きたりと。以上を総合するに、本事件には、はりがねせい、ねずみとり氏、最も深き関係を有するがごとし。本社はさらに深く事・・・<宮沢賢治「クねずみ」青空文庫>
  22. ・・・に対して与えられた批評の性質こそ、多くの作家が陥っていた人生的態度並びに文学作品評価についての拠りどころなさ、無気力、焦慮を如実に反映したものであった。 正宗白鳥が、「ひかげの花」を荷風の芸術境地としてそれなりに認め、「人生の落伍者の生・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  23. ・・・其は私共に、或る力の存在の理論的価値と、実践的価値との間に何等かの逕庭の存する事、並びに、其等のより徹した運用に就て、何等かの教と暗示とを与えて呉れるだろうと思うからなのでございます。         C先生。 考えるべ・・・<宮本百合子「C先生への手紙」青空文庫>
  24. ・・・いい気持で、傲慢な罵倒をしているのは小ブルの自己満足であるといわれても、筆者がもし、自己満足のためにそれを執筆せず、傲慢を志してもいない時、それは批判者並びに筆者にとって、何らの発展をももたらさないであろう。 同志林の「眼鏡をかけた雌蛙・・・<宮本百合子「前進のために」青空文庫>
  25. ・・・ 人としての彼を選んだ自分は、人として、彼並びに自分を活さなければならないのだ。         ――○―― 彼が帰朝以前から問題に成って居る、分家問題は、此の二三日に於てそのクライマックスに達した。 親達の意見は、物質的に・・・<宮本百合子「日記・書簡」青空文庫>