なん‐くせ【難癖】例文一覧 7件

  1. ・・・何につけ、かにつけ、ゆがみ曲りに難癖をつけないではおきません。処を図案まで、あの方がなさいました。何から思いつきなすったんだか。――その赤蜻蛉の刺繍が、大層な評判だし、分けて輸出さきの西洋の気受けが、それは、凄い勢で、どしどし註文が来ました・・・<泉鏡花「縷紅新草」青空文庫>
  2. ・・・あとで知ったことだが、この在郷軍人会の分会長は伍長上りの大工で、よその分会から点呼を受けに来た者には必ず難癖をつけて撲り飛ばすということであった。なお、この男を分会長にいただいている気の毒な分会員達は二週間の訓練の間、毎日の如く愚劣な、そし・・・<織田作之助「髪」青空文庫>
  3. ・・・なお、売上台帳を調べて、難癖をつけるのだ。 例えば、背に腹はかえられず、困窮のあまり、つい台帳をごまかしたり、売上金を費消しているのを発見すると、もうそれだけで、十分馘首の口実にも保証金没収の理由にもなるのだった。 こうして、追っ払・・・<織田作之助「勧善懲悪」青空文庫>
  4. ・・・異色あるものに難癖をつけたがる。異分子を攻撃する。実に情けない限りだ。もっとも甘やかされるよりも、たたかれる方が、たたかれた新人自身を強くすることもある。僕は処女作以来今日まで、つねにたたかれて来た。つねに一言の悪罵を以て片づけられて来た。・・・<織田作之助「文学的饒舌」青空文庫>
  5. ・・・とお徳の先刻の言葉を思い出し、「大変な木戸でしょうだって、あれで難癖を附ける積りが合憎と旦那がお取上に相成らんから可い気味だ。愚態ア見やアがれだ」と又つと気を変えて「だけど感心と言えば感心だよ。容色も悪くはなし年だって私と同じなら未だいくら・・・<国木田独歩「竹の木戸」青空文庫>
  6. ・・・どう難癖をつけようとも、失業はなくなる。勤労者の賃銀は上る。労働時間は七時間から六時間何分というところまで縮小された。そして全生産は重工業をふくめて資本主義国の一九二九年来の経済恐慌とは反対に、ジリジリジリジリせりあがりつつある。 右か・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  7. ・・・そこで佐野さんは、内情を知らない親達が、住職の難癖を附けずに出家を止めるのを聞いて、げにもと思うらしいのに勢を得て、お蝶より先きに東京に出て、或る私立学校に這入った。お蝶が東京に出たのは、佐野さんの跡を慕って来たのであった。 佐野さんは・・・<森鴎外「心中」青空文庫>