
1 よいにおいを鼻に感じる。かおりがただよう。「百合の花が―・う」「石鹸がほのかに―・う」→臭う1
2 鮮やかに色づく。特に、赤く色づく。また、色が美しく輝く。照り映える。「紅に―・う梅の花」「朝日に―・う山桜」
4 おかげをこうむって、栄える。引き立てられる。
「思ひかしづかれ給へる御宿世をぞ、わが家までは―・ひ来ねど」〈源・少女〉
5 染め色または襲 (かさね) の色目などで、濃い色合いからしだいに薄くぼかしてある。
「五節の折着たりし黄なるより紅まで―・ひたりし紅葉どもに」〈讃岐典侍日記・下〉
「住吉 (すみのえ) の岸野の榛 (はり) に―・ふれどにほはぬ我やにほひて居らむ」〈万・三八〇一〉
出典:青空文庫
・・・夜の中に何か木の芽の匂うのを感じ、いつかしみじみと彼女の生まれた・・・ 芥川竜之介「たね子の憂鬱 」
・・・その匂うばかりの美しさ!「しかし、奇遇でしたね」 と、思わず白崎・・・ 織田作之助「昨日・今日・明日 」
・・・あったが、もう木犀の匂うこんな季節になったのかと、姉の死がまた熱・・・ 織田作之助「旅への誘い 」