にげ‐かえ・る〔‐かへる〕【逃(げ)帰る】例文一覧 3件

  1. ・・・が、勿論新蔵と堅い約束の出来ていたお敏は、その晩にも逃げ帰る心算だったそうですが、向うも用心していたのでしょう。度々入口の格子戸を窺っても、必ず外に一匹の蛇が大きなとぐろを巻いているので、到底一足も踏み出す勇気は、起らなかったと云う事です。・・・<芥川竜之介「妖婆」青空文庫>
  2. ・・・大抵は萱を分けて、ざわざわざわと出で来り、樵夫が驚いて逃げ帰るくらいのものなり。中には握飯を貰いて、ニタニタと打喜び、材木を負うて麓近くまで運び出すなどいうがあり。だらしのなき脊高にあらずや。そのかわり、遠野の里の彼のごとく、婦にこだわるも・・・<泉鏡花「遠野の奇聞」青空文庫>
  3. ・・・人民と、人民が制服を着せられた姿である兵士たちに、滅私奉公をあれほどたたき込んだのが真実なら、己れの命を惜しんで、上官である地位を利用して自分ばかりが逃げ帰ることは、人間としてこの上ない穢辱であること位は知ってよかったろう。 戦争は常に・・・<宮本百合子「逆立ちの公・私」青空文庫>