に‐ぞめ【煮染(め)】例文一覧 3件

  1. ・・・  実は――前年一度この温泉に宿った時、やっぱり朝のうち、……その時は町の方を歩行いて、通りの煮染屋の戸口に、手拭を頸に菅笠を被った……このあたり浜から出る女の魚売が、天秤を下した処に行きかかって、鮮しい雑魚に添えて、つまといった形・・・<泉鏡花「小春の狐」青空文庫>
  2. ・・・ 真中の卓子を囲んで、入乱れつつ椅子に掛けて、背嚢も解かず、銃を引つけたまま、大皿に装った、握飯、赤飯、煮染をてんでんに取っています。 頭を振り、足ぶみをするのなぞ見えますけれども、声は籠って聞えません。 ――わあ―― と罵・・・<泉鏡花「雪霊続記」青空文庫>
  3. ・・・「足袋の上へ雨といっしょに煮染んでる」「痛そうだね」「なあに、痛いたって。痛いのは生きてる証拠だ」「僕は腹が痛くなった」「濡れた草の上に腹をつけているからだ。もういいから、立ちたまえ」「立つと君の顔が見えなくなる」・・・<夏目漱石「二百十日」青空文庫>