にゅう‐とう〔ニフタウ〕【入湯】例文一覧 4件

  1. ・・・いやもう、神のごとしとござりまして、所々方々から、彼岸詣のように、ぞろぞろと入湯に参りまする。 ところで、二階家を四五軒建てましたのを今では譲受けた者がござりまして、座敷も綺麗、お肴も新らしい、立派な本場の温泉となりまして、私はかような・・・<泉鏡花「湯女の魂」青空文庫>
  2. ・・・大晦日にこれでは露天の商人がかわいそうだと、女中は赤い手をこすった。入湯客はいずれも温泉場の正月をすごしに来て良い身分である。せめて降りやんでくれたらと、客を湯殿に案内したついでに帳場の窓から流川通を覗いてみて、若い女中は来年の暦を買いそこ・・・<織田作之助「雪の夜」青空文庫>
  3. ・・・されどもまず米の相場を一両に一斗と見込み、この割合にすれば、たとい塾中におるも外に旅宿するも、一ヶ月金六両にて、月俸、月金、結髪、入湯、筆紙の料、洗濯の賃までも払うて不自由なかるべし。ただし飲酒は一大悪事、士君子たる者の禁ずべきものなれば、・・・<福沢諭吉「慶応義塾新議」青空文庫>
  4. ・・・ドイツのカイゼルスウェールト温泉へ母と姉とで逗留したとき、フロレンスは二人の貴婦人たちが入湯や社交に日を消している間をぬけ出して、同地の看護婦養成所に三ヵ月以上も滞在した。「これこそ彼女の生涯を支配した重大事件であった」と、興味ある伝記作者・・・<宮本百合子「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」青空文庫>