のが・す【逃す/×遁す】例文一覧 5件

  1. ・・・ったとさとってそれからはもう心を堅くおきめになったので小吟は奥様を大変にうらんで或る夜、旦那が御番での留守を見はからってねて居らっしゃるまくらもとに立って奥様の御守刀で心臓を刺し通したので大変驚き「汝逃すものか」と長刀の鞘をはずして広庭まで・・・<著:井原西鶴 訳:宮本百合子「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」青空文庫>
  2. ・・・ 近頃次第に露骨になりつつある都会のある階級の女のコケトリーについて、人から色々の話を聞かされていた私は、この無心の子供のこの非凡な註説を無意味には聞き逃す事が出来なかった。         七 知名の人の葬式に出た。・・・<寺田寅彦「鑢屑」青空文庫>
  3. ・・・立候補した婦人たちは保守的な男女の一票をとり逃すまいとしてどんなに「女はどこまでも女らしく」と強調しただろう。はた目に気の毒なほど強調して「女こそ女の苦しみがわかるのだから」と演説した。そして、当選して、開院式の折、またその他の場合とかく「・・・<宮本百合子「「女らしさ」とは」青空文庫>
  4. ・・・ その一色をも逃すまいとして、私はどんなに緊張して居りますでしょう。目前に現われて居るのは、本の上に印刷された理論的な文字ではございません。生きて、光線の微分子とともに動いて居ります。だから、一寸でもじっとしては居りません。今出たかと思・・・<宮本百合子「C先生への手紙」青空文庫>
  5. ・・・それと共に、彼女が、出来る丈、人並より僅少に思われる幸福の割前を逃すまいとするのも、嘲笑するどころのことではありません。 ここで、考えは、いや応なく、又、それならばどうしたらよいか、と云う基点まで逆戻りをしなければ成らなく成って仕舞った・・・<宮本百合子「ひしがれた女性と語る」青空文庫>