のこり‐おし・い〔‐をしい〕【残り惜しい】例文一覧 3件

  1. ・・・それから一月ほど御側にいた後、御名残り惜しい思いをしながら、もう一度都へ帰って来ました。「見せばやなわれを思わむ友もがな磯のとまやの柴の庵を」――これが御形見に頂いた歌です。俊寛様はやはり今でも、あの離れ島の笹葺きの家に、相不変御一人悠々と・・・<芥川竜之介「俊寛」青空文庫>
  2. ・・・ああ残り惜しい」「あのまた、歩行ぶりといったらなかったよ。ただもう、すうっとこう霞に乗って行くようだっけ。裾捌き、褄はずれなんということを、なるほどと見たは今日がはじめてよ。どうもお育ちがらはまた格別違ったもんだ。ありゃもう自然、天然と・・・<泉鏡花「外科室」青空文庫>
  3. ・・・したがって従来経験し尽した甲の波には衣を脱いだ蛇と同様未練もなければ残り惜しい心持もしない。のみならず新たに移った乙の波に揉まれながら毫も借り着をして世間体を繕っているという感が起らない。ところが日本の現代の開化を支配している波は西洋の潮流・・・<夏目漱石「現代日本の開化」青空文庫>