のり‐こ・す【乗(り)越す】例文一覧 3件

  1. ・・・ 隧道を、爆音を立てながら、一息に乗り越すと、ハッとした、出る途端に、擦違うように先方のが入った。「危え、畜生!」 喚くと同時に、辰さんは、制動機を掛けた。が、ぱらぱらと落ちかかる巌膚の清水より、私たちは冷汗になった。乗違えた自・・・<泉鏡花「半島一奇抄」青空文庫>
  2. ・・・という芭蕉の句も、この辺という名代の荒海、ここを三十噸、乃至五十噸の越後丸、観音丸などと云うのが、入れ違いまする煙の色も荒海を乗越すためか一際濃く、且つ勇ましい。 茶店の裏手は遠近の山また山の山続きで、その日の静かなる海面よりも、一層か・・・<泉鏡花「湯女の魂」青空文庫>
  3. ・・・うっかりして乗り越すようなあれじゃないが、……彼女は一方でこんなことも思った。 若旦那の方に向いて、しきりに話している坊っちゃんの顔に、彼女は注意を怠らなかった。そして、話が一寸中断したのを見計らって、急に近づいて、息子のことをきいた。・・・<黒島伝治「電報」青空文庫>