出典:デジタル大辞泉(小学館)

[係助]名詞、名詞に準じる語、活用語の連用形、助詞などに付く。
  1. 判断の主題を提示する意を表す。「犬は動物だ」「教育は国民の義務である」

    1. 「黒牛潟潮干の浦を紅の玉裳裾引 (すそび) き行く―誰 (た) が妻」〈・一六七二〉

  1. ある事物を他と区別して、または対比的に取り立てて示す意を表す。「風は強いが、日は照っている」

    1. 「夕されば小倉の山に鳴く鹿―今夜 (こよひ) ―鳴かず寝 (い) ねにけらしも」〈・一五一一〉

  1. 叙述の内容、またはその一部分を強調して明示する意を表す。「喜ばずにはいられない」「やがてわかってはくれるだろう」

    1. 「死を恐れざるに―あらず、死の近きことを忘るるなり」〈徒然・九三〉

  1. (文末にあって)感動・詠嘆を表す。…ことよ。…だなあ。…よ。

    1. 「されど、門の限りを高う作る人もありける―」〈・八〉

  1. (形容詞・打消しの助動詞「ず」の連用形に付いて)順接の仮定条件を表す。…のときは。…の場合は。…ならば。

    1. 「験 (しるし) なきものを思はず―一坏 (ひとつき) の濁れる酒を飲むべくあるらし」〈・三三八〉

[補説]係助詞「は」は現在では「わ」と発音するが、「は」で表記するのが普通。格助詞「を」、また「ときに」に付くときは、音変化して「をば」「ときんば」の形をとることもある。4については終助詞とする説もある。また、5については近世初期以降には「は」が音変化して、「くば」「ずば」の形をとることもあり、「ば」を接続助詞と解して仮定条件を表すこともあった。→をばときんばずばては