はい‐ごう〔‐ガフ〕【配合】例文一覧 30件

  1. ・・・った、茶の湯は趣味の綜合から成立つ、活た詩的技芸であるから、其人を待って始めて、現わるるもので、記述も議論も出来ないのが当前である、茶の湯に用ゆる建築露路木石器具態度等総てそれ自身の総てが趣味である、配合調和変化等悉く趣味の活動である、趣味・・・<伊藤左千夫「茶の湯の手帳」青空文庫>
  2. ・・・東京市街の一端、あるいは甲州街道となり、あるいは青梅道となり、あるいは中原道となり、あるいは世田ヶ谷街道となりて、郊外の林地田圃に突入する処の、市街ともつかず宿駅ともつかず、一種の生活と一種の自然とを配合して一種の光景を呈しおる場処を描写す・・・<国木田独歩「武蔵野」青空文庫>
  3. ・・・お皿ひとつひとつに、それぞれ、ハムや卵や、パセリや、キャベツ、ほうれんそう、お台所に残って在るもの一切合切、いろとりどりに、美しく配合させて、手際よく並べて出すのであって、手数は要らず、経済だし、ちっとも、おいしくはないけれども、でも食卓は・・・<太宰治「女生徒」青空文庫>
  4. ・・・花冠の美しさだけでなくて花萼から葉から茎までが言葉では言えないような美しい色彩の配合を見せていたように思う。観賞植物として現代の都人にでも愛玩されてよさそうな気のするものであるが、子供のとき宅の畑で見たきりでその後どこでもこの花にめぐり合っ・・・<寺田寅彦「糸車」青空文庫>
  5. ・・・この基調をなす黒斑に対応するためにいろいろの黒いものが配合されている。たとえば塗下駄や、帯や、蛇の目傘や、刀の鞘や、茶托や塗り盆などの漆黒な斑点が、適当な位置に適当な輪郭をもって置かれる事によって画面のつりあいが取れるようになっている。多数・・・<寺田寅彦「浮世絵の曲線」青空文庫>
  6. ・・・しかしわれわれのような観賞者の立場からすれば配合調和相生というのも、対立衝突相剋というのも、作者の主観以外には現象としての本質的な差を認めなくても結果においてたいした差はないようである。要は結局エイゼンシュテインが視覚的陪音と呼び、あるいは・・・<寺田寅彦「映画芸術」青空文庫>
  7. ・・・のごとき意味での独裁的主役は無い、むしろいろいろな個性の配合そのもののほうに観客のおもなる興味がつながれているように思われる。それでたとえば軽い意味の助演者としてのスパークスなどという役者でも決してただのむだな点景人物ではなくて、言わば個性・・・<寺田寅彦「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」青空文庫>
  8. ・・・ 柿色の顔と萌黄色の衣装の配合も特殊な感じを与える。頭に冠った鳥冠の額に、前立のように着けた鳥の頭部のようなものも不思議な感じを高めた。私はこの面の顔の表情に、どこか西洋画で見るパンの神のそれに共通なものがあるような気がしてならなかった・・・<寺田寅彦「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」青空文庫>
  9. ・・・停車場のくすぶった車庫や、ペンキのはげかかったタンクや転轍台のようなものまでも、小春の日光と空気の魔術にかかって名状のできない美しい色の配合を見せていた。それに比べて見ると、そこらに立っている婦人の衣服の人工的色彩は、なんとなくこせこせした・・・<寺田寅彦「写生紀行」青空文庫>
  10. ・・・ それからこの夏八月始めて諏訪湖畔を汽車で通りました、知人に諏訪の人が数人あるので特に興味があって汽車の窓から風景や民家の様式などに注意して見て来ました、あの辺の家屋の屋根の形や色の配合などの与える一種特別な感じがありますがその感じの中・・・<寺田寅彦「書簡(1[#「1」はローマ数字1、1-13-21])」青空文庫>
  11. ・・・快活、憂鬱、謹厳、戯謔さまざまの心持が簡単な線の配合によって一幅の絵の中に自由に現われていると思うのである。 津田君の絵には、どのような軽快な種類のものでも一種の重々しいところがある。戯れに描いた漫画風のものにまでもそういう気分が現われ・・・<寺田寅彦「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」青空文庫>
  12. ・・・厳父の厳と慈母の慈との配合よろしきを得た国がらにのみ人間の最高文化が発達する見込みがあるであろう。 地殻的構造の複雑なことはまた地殻の包蔵する鉱産物の多様と豊富を意味するが、同時にまたある特殊な鉱産物に注目するときはその産出額の物足りな・・・<寺田寅彦「日本人の自然観」青空文庫>
  13. ・・・清親の風景板画に雪中の池を描いて之に妓を配合せしめたのも蓋偶然ではない。 上野の始て公園地となされたのは看雨隠士なる人の著した東京地理沿革誌に従えば明治六年某月である。明治十年に至って始て内国勧業博覧会がこの公園に開催せられた。当時上野・・・<永井荷風「上野」青空文庫>
  14. ・・・そこへ行くと、江戸の浮世絵師は便所と女とを配合して、巧みなる冒険に成功しているのではないか。細帯しどけなき寝衣姿の女が、懐紙を口に銜て、例の艶かしい立膝ながらに手水鉢の柄杓から水を汲んで手先を洗っていると、その傍に置いた寝屋の雪洞の光は、こ・・・<永井荷風「妾宅」青空文庫>
  15. ・・・紺と黒と柿色の配合が、全体に色のない場末の町とて殊更強く人目を牽く。自分は深川に名高い不動の社であると、直様思返してその方へ曲った。 細い溝にかかった石橋を前にして、「内陣、新吉原講」と金字で書いた鉄門をはいると、真直な敷石道の左右に並・・・<永井荷風「深川の唄」青空文庫>
  16. ・・・幸にしてオセロは事件の綜合と人格の発展が非常にうまく配合されて自然と悲劇に運び去る手際がある。読者はそれを見ればいい。日本の芝居の仕組は支離滅裂である。馬鹿馬鹿しい。結構とか性格とか云う点からあれを見たならば抱腹するのが多いだろう。しかし幕・・・<夏目漱石「作物の批評」青空文庫>
  17. ・・・どうかしてこの込み入った画の配合や人間の立ち廻りを鷲抓みに引っくるめてその特色を最も簡明な形式で頭へ入れたいについてはすでに幼稚な頭の中に幾分でも髣髴できる倫理上の二大性質――善か悪かを取りきめてこの錯雑した光景を締め括りたい希望からこうい・・・<夏目漱石「中味と形式」青空文庫>
  18. ・・・換言すれば感覚的なる自然と感覚的なる人間そのものの色合やら、線の配合やら、大小やら、比例やら、質の軟硬やら、光線の反射具合やら、彼らの有する音声やら、すべてこれらの感覚的なるものに対して趣味、すなわち好悪、すなわち情、を有しております。だか・・・<夏目漱石「文芸の哲学的基礎」青空文庫>
  19. ・・・益たるを知り、双方共にさらりと前世界の古証文に墨を引き、今後期するところは士族に固有する品行の美なるものを存して益これを養い、物を費すの古吾を変じて物を造るの今吾となし、恰も商工の働を取て士族の精神に配合し、心身共に独立して日本国中文明の魁・・・<福沢諭吉「旧藩情」青空文庫>
  20. ・・・この薬剤にして、よくこの効を奏すべきか、もしも然らしめんとするには、まずこの薬に配合するに他の薬物をもってし、その性質を変化せしむることなれば、徐々たる滋潤強壮の効力は失い尽さざるをえず。 すなわち教育緩慢の働を変じて急劇となし、十年二・・・<福沢諭吉「政事と教育と分離すべし」青空文庫>
  21. ・・・柿などというものは従来詩人にも歌よみにも見離されておるもので、殊に奈良に柿を配合するというような事は思いもよらなかった事である。余はこの新たらしい配合を見つけ出して非常に嬉しかった。或夜夕飯も過ぎて後、宿屋の下女にまだ御所柿は食えまいかとい・・・<正岡子規「くだもの」青空文庫>
  22. ・・・黒と白だけで全部を表現する版画家の人生に対する感情にさまざまな点から新しい興味を喚起されたし、文化の程度の低い民族あるいは社会層の者ほど原色配合を好み、高級となり洗練された人間ほど微妙な間色の配合、陰翳を味わう能力を増すといわれているありき・・・<宮本百合子「芸術が必要とする科学」青空文庫>
  23. ・・・そして、どんな本を読んでも、最後にはその印象が落ちてみのる生活の土壤というものは、日本の社会のさまざまな特質によって配合され、性格づけられたものである現実も知っている。私たちは、植物のようにひとりでにその土壤から生えているのではなくて、力よ・・・<宮本百合子「『この心の誇り』」青空文庫>
  24. ・・・名所ではないが、自然が起伏に富み、畑と樹林が程よく配合され眺めに変化があるのだ。ぶらぶら歩いていると、漠然、自然と人間生活の緩漫な調和、譲り合い持ち合いという気分を感じ長閑になる。つまり、畑や電柱、アンテナなどに文明の波が柔く脈打っているた・・・<宮本百合子「是は現実的な感想」青空文庫>
  25. ・・・あの衣裳の色の配合なぞ立派なもので感心させられます。この頃も桜間金太郎氏の「巴」を見て、その狂言の、罪のない、好意のもてるずるさ、というようなもののあるのを非常に面白いと思いました。        旅行 旅行にはよく出かけま・・・<宮本百合子「身辺打明けの記」青空文庫>
  26. ・・・にすくい上げられているのではなく、久内に配合して久内を破綻せしめず目的の「自由」へ送りこむために便利な単純性に、現実の体を与えれば、雁金のような発明家でもつくるしかなかったと思われるのである。 横光は「敵なればこそあの人の行動は、僕にと・・・<宮本百合子「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」青空文庫>
  27. ・・・そのゆたかさにも、規模にも、要素の配合にも実に無限の変化があって、こまかく見ればその発動の運動法則というようなものにも一人一人みな独特な調子をもっているものだろう。とりどりな人間の味、ニュアンスと云われるものの源泉は、恐らくはこういう知性の・・・<宮本百合子「知性の開眼」青空文庫>
  28. ・・・字が読めない中国の女も、必ずそれは巧みであるとされている中華刺繍の一片は、絹の糸のよりかたから、糸目の並べかた、色の配合、すっかりそれはフランスの刺繍と違う。アメリカのドローン・ワアクとも違っている。違うことにある美しさ、美しさ故に世界の心・・・<宮本百合子「春桃」青空文庫>
  29. ・・・遠見に淡く海辺風景を油絵で描き、前に小さい貝殼、珊瑚のきれはし、海草の枝などとり集めて配合した上を、厚く膨んだ硝子で蓋したものだ。薄暗い部屋だから、眼に力をこめて凝視すると、画と実物の貝殼などとのパノラマ的効果が現れ、小っぽけな窓から海底を・・・<宮本百合子「長崎の一瞥」青空文庫>
  30. ・・・思うに画家の目ざすところは、色と形の配合によって温泉の情趣を浮かび出させるにある。描かれるものの性質を確実につかむことによって、いや応なしにそこに在るものを再現しようというのではない。冷たい温泉を描きながら、しかも浴室の気分を彷彿せしむるな・・・<和辻哲郎「院展遠望」青空文庫>