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ばい‐しゃく【媒酌/媒×妁】例文一覧 21件

  1. ・・・ある親戚の老人夫婦に仲人を頼んだ媒妁結婚である。常子は美人と言うほどではない。もっともまた醜婦と言うほどでもない。ただまるまる肥った頬にいつも微笑を浮かべている。奉天から北京へ来る途中、寝台車の南京虫に螫された時のほかはいつも微笑を浮かべて・・・<芥川竜之介「馬の脚」青空文庫>
  2. ・・・婆さん、媒妁人は頼んだよ。」 迷信の深い小山夫人は、その後永く鳥獣の肉と茶断をして、判事の無事を祈っている。蓋し当時、夫婦を呪詛するという捨台辞を残して、我言かくのごとく違わじと、杖をもって土を打つこと三たびにして、薄月の十日の宵の、十・・・<泉鏡花「政談十二社」青空文庫>
  3. ・・・式は別に謂わざるべし、媒妁の妻退き、介添の婦人皆罷出つ。 ただ二人、閨の上に相対し、新婦は屹と身体を固めて、端然として坐したるまま、まおもてに良人の面を瞻りて、打解けたる状毫もなく、はた恥らえる風情も無かりき。 尉官は腕を拱きて、こ・・・<泉鏡花「琵琶伝」青空文庫>
  4. ・・・――そして媒妁人をして下さい。画家 (無言にて、罎夫人 (ウイスキーを一煽りに、吻爺さん、肴をなさいよ。人形使 口上擬に、はい小謡の真似でもやりますか。夫人 いいえ、その腐った鯉を、ここへお出しな。人形使 や。夫人 ・・・<泉鏡花「山吹」青空文庫>
  5. ・・・       四 さるほどに蝦蟇法師はあくまで老媼の胆を奪いて、「コヤ老媼、汝の主婦を媒妁して我執念を晴らさせよ。もし犠牲を捧げざれば、お通はもとより汝もあまり好きことはなかるべきなり、忘れてもとりもつべし。それまで命を預け・・・<泉鏡花「妖僧記」青空文庫>
  6. ・・・、憎い女ではない、憎いどころではない、おとよさんのような女でそうしてあんなに親切な人はどこにもない、一体どういうわけであのしっかりとしたおとよさんが、隣の家のようなくずぞろいの所にいるのか、聞けば全く媒妁の人に欺かれたのだというのに、わから・・・<伊藤左千夫「隣の嫁」青空文庫>
  7. ・・・ その間で嫂が僅に話す所を聞けば、市川の某という家で先の男の気性も知れているに財産も戸村の家に倍以上であり、それで向うから民子を強っての所望、媒妁人というのも戸村が世話になる人である、是非やりたい是非往ってくれということになった。民子は・・・<伊藤左千夫「野菊の墓」青空文庫>
  8. ・・・斎藤との縁談を断わったのが、なぜ面目ないのか、私は斎藤から頼まれて媒妁人となったのだから、この縁談は実はまとめたかった。それでも当の本人が厭だというなら、もうそれまでの話だ。断わるに不思議はない、そこに不面目もへちまもない」「いや薊、た・・・<伊藤左千夫「春の潮」青空文庫>
  9. ・・・それはこうで、娘は細川繁に配する積りである、細川からも望まれている、私も初は進まなかったが考えてみると娘の為め細川の為め至極良縁だと思う、何卒か貴所その媒酌者になってくれまいかとの言葉。胸に例の一条が在る拙者は言句に塞って了った、然し直ぐ思・・・<国木田独歩「富岡先生」青空文庫>
  10. ・・・せんとするをお夏は飛び退きその手は頂きませぬあなたには小春さんがと起したり倒したり甘酒進上の第一義俊雄はぎりぎり決着ありたけの執心をかきむしられ何の小春が、必ずと畳みかけてぬしからそもじへ口移しの酒が媒妁それなりけりの寝乱れ髪を口さがないが・・・<斎藤緑雨「かくれんぼ」青空文庫>
  11. ・・・あなたは、あの夫婦の媒妁人だった筈だし、また、かねてからあの夫婦は、あなたを非常に尊敬している。いや、ひやかしているのでは、ありません。まじめな話です。それで、今夜あなたは御苦労だが、あれの家へ行って、嫁によくよく説き聞かせ、決して悪いよう・・・<太宰治「嘘」青空文庫>
  12. ・・・また媒妁人は、大学で私たちに東洋美術史を教え、大隅君の就職の世話などもして下さった瀬川先生がよろしくはないか、という私の口ごもりながらの提案を、小坂氏一族は、気軽に受けいれてくれた。「瀬川さんだったら、大隅君にも不服は無い筈です。けれど・・・<太宰治「佳日」青空文庫>
  13. ・・・私のこれまでの生涯を追想して、幽かにでも休養のゆとりを感じた一時期は、私が三十歳の時、いまの女房を井伏さんの媒酌でもらって、甲府市の郊外に一箇月六円五十銭の家賃の、最小の家を借りて住み、二百円ばかりの印税を貯金して誰とも逢わず、午後の四時頃・・・<太宰治「十五年間」青空文庫>
  14. ・・・そうして井伏さんにはとうとう現在の家内を媒酌して頂いた程、親しく願っております。 井伏さんといえば、初期の「夜ふけと梅の花」という本の諸作品は、殆ど宝石を並べたような印象を受けました。また嘉村礒多なども昔から大変えらい人だと思っています・・・<太宰治「わが半生を語る」青空文庫>
  15. ・・・女は父母の命と媒妁とに非ざれば交らずと、小学にもみえたり。仮令命を失ふとも心を金石のごとくに堅くして義を守るべし。 幼稚の時より男女の別を正くして仮初にも戯れたる事を見聞せしむ可らずと言う。即ち婬猥不潔のことは目にも見ず耳にも聞・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
  16. ・・・又結婚に父母の命と媒酌とにあらざれば叶わずと言う。是れも至極尤なり。民法親族編第七百七十一条に、子カ婚姻ヲ為スニハ其家ニ在ル父母ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス但男ハ満三十年女ハ満二十五年ニ達シタル後ハ此限ニ在ラスとあり。婚姻は人間の・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
  17. ・・・これまで人が自分達の生長の程度が客観的にどの程度まで行っているか見る力を持っていなくて、而かも一途に恋愛から結婚へ急ぐ事から、所謂恋愛結婚が破綻をした例が多いため、かえって媒酌結婚がいいというような考えかたも生んだのだと思います。結婚出来る・・・<宮本百合子「女性の生活態度」青空文庫>
  18. ・・・当時三十歳を越していた彼女は、自分の境遇に同情し、所謂世話好き人の媒妁によって、土地では金持として知られている或る男と結婚することになりました。 少女時代から不運で、陰気な人生の片側を歩いて来た彼女は、全く、生涯をかけて、嫁して行ったの・・・<宮本百合子「ひしがれた女性と語る」青空文庫>
  19. ・・・ いろいろ日本の生活の感情の細かいところにふれて考えてゆくと、ひとに判断の責任をゆだねたこの見つくろいが、案外様々のところに行われているのではないだろうかと思われる。媒酌ということが日本の結婚のしきたりでは単に紹介をする人というのとは異・・・<宮本百合子「見つくろい」青空文庫>
  20. ・・・自分の生活に自分で責任が持てるという意味からは、媒酌結婚よりもやはりお互に相手を選んだ結婚の方が心持よいだろうというような意見を述べていた。 この座談会は、いろいろな意味で現代の若い婦人の生活態度の面を示している点で注意をひいた。座談会・・・<宮本百合子「山の彼方は」青空文庫>
  21. ・・・ 婚礼は長倉夫婦の媒妁で、まだ桃の花の散らぬうちに済んだ。そしてこれまでただ美しいとばかり言われて、人形同様に思われていたお佐代さんは、繭を破って出た蛾のように、その控え目な、内気な態度を脱却して、多勢の若い書生たちの出入りする家で、天・・・<森鴎外「安井夫人」青空文庫>