はい‐れつ【配列/排列】例文一覧 30件

  1. ・・・目の前にひろげられたのはただ、長いしかも乱雑な石の排列、頭の上におおいかかるような灰色の山々、そうしてこれらを強く照らす真夏の白い日光ばかりである。 自然というものをむきつけにまのあたりに見るような気がして自分はいよいよはげしい疲れを感・・・<芥川竜之介「槍が岳に登った記」青空文庫>
  2. ・・・予の屡繰返す如く、欧人の晩食の風習や日本の茶の湯は美食が唯一の目的ではないは誰れも承知して居よう、人間動作の趣味や案内の装飾器物の配列や、応対話談の興味や、薫香の趣味声音の趣味相俟って、品格ある娯楽の間自然的に偉大な感化を得るのであろう・・・<伊藤左千夫「茶の湯の手帳」青空文庫>
  3. ・・・ これ傳説の傳説たる所以にして、堯は天に、舜は人に、禹は地に、即ちかの三才の思想に假托排列せられしものなるを知る也。 更に之をその内容より觀察するに、堯典には帝が羲・和二氏に命じて天文を觀測せしめ民に暦を頒ちしをいひ、羲仲を嵎夷に居・・・<白鳥庫吉「『尚書』の高等批評」青空文庫>
  4. ・・・は、だいたい、発表の年代順に、その作品の配列を行い、この第二巻は、それ故、第一巻の諸作品に直ぐつづいて発表せられたものの中から、特に十三篇を選んで編纂せられたのである。 ところで、私の最初の考えでは、この選集の巻数がいくら多くなってもか・・・<太宰治「『井伏鱒二選集』後記」青空文庫>
  5. ・・・また、弘化二年、三十四歳の晩春、毛筆の帽被を割りたる破片を机上に精密に配列し以て家屋の設計図を製し、之によりて自分の住宅を造らせた。けれども、この家屋設計だけには、わずかに盲人らしき手落があった。ひどい暑がりにて、その住居も、風通しのよき事・・・<太宰治「盲人独笑」青空文庫>
  6. ・・・こうしてほごした材料を一つ一つ取り出して元の紙の上にいろいろに排列してみる。するとそこにできたものは未来派の絵のあるものの写真とよく似たものができるだろうと思う。 しかしそのような排列のあらゆる可能な変化のうちで、何かしらだらしなく見え・・・<寺田寅彦「浮世絵の曲線」青空文庫>
  7. ・・・ 次に重要な要素は何と云っても母音の排列である。勿論子音の排列分布もかなり大切ではあるが、日本語の特質の上からどうしても子音の役割は母音ほど重大とは考えられない。これがロシア語とかドイツ語とかであってみれば事柄はよほどちがって来るが、そ・・・<寺田寅彦「歌の口調」青空文庫>
  8. ・・・この場面の群衆の運動の排列が実際非常に音楽的なものである。決していいかげんの狂奔ではなくて複雑な編隊運動になっていることがわかる。 役者も皆それぞれにうまいようである。アメリカ役者にはどこを捜してもない一種の俳味といったようなものが、こ・・・<寺田寅彦「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」青空文庫>
  9. ・・・ 汽車でアーヴルに着いてすっかり港町の気分に包まれる、あの場面のいろいろな音色をもった汽笛の音、起重機の鎖の音などの配列が実によくできていて、ほんとうに波止場に寄せる潮のにおいをかぐような気持ちを起こさせる。発声映画の精髄をつかんだもの・・・<寺田寅彦「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」青空文庫>
  10. ・・・それらの経験と実験の、すべての結果を整理し排列して最後にそれらから帰納して方則の入り口に達した。 文学は、そういう意味での「実験」として見ることはできないか。これが次に起こる疑問である。     実験としての文学と科学 ・・・<寺田寅彦「科学と文学」青空文庫>
  11. ・・・場合によっては数の大きいほどいいこともありまた場合によっては少ないほどすぐれていることもあるが、とにかく一線の上に連続的に配列された数量の尺度によって優劣をきめるのである。こうしなければ優劣は単義的に決定しない。従ってレコードは設定されず、・・・<寺田寅彦「記録狂時代」青空文庫>
  12. ・・・自分の郷里の土佐なども山国であるからこうしたながめも珍しくないようではあるが、しかし自分の知る郷里の山々は山の形がわりに単調でありその排列のしかたにも変化が乏しいように思われるが、ここから見た山々の形態とその排置とには異常に多様複雑な変化が・・・<寺田寅彦「小浅間」青空文庫>
  13. ・・・ほんとうは同じ静物でも風景でも排列や光線や見方をちがえればいくらでも材料にならぬ事はないが、素人の初学者の自分としては、少なくもひとわたりはいろいろちがった物がかいてみたかった。いちばんかいてみたいのは野外の風景であるが今の病体ではそれは断・・・<寺田寅彦「自画像」青空文庫>
  14.  ここでかりに「縞模様」と名づけたのは、空間的にある週期性をもって排列された肉眼に可視的な物質的形象を引っくるめた意味での periodic pattern の義である。こういう意味ではいわゆる定常波もこの中に含まれてもいい・・・<寺田寅彦「自然界の縞模様」青空文庫>
  15. ・・・そこで某殺人事件の種取りを命ぜられた記者は現場に駆けつけて取りあえずその材料を大急ぎでかき集めた上で大急ぎでそれを頭の中のカタログ箱の前に排列してそうしてさし当たっていちばんよいはまりそうな類型のどれかにその材料をはめ込んでしまう。そうする・・・<寺田寅彦「ジャーナリズム雑感」青空文庫>
  16. ・・・このように、遂げられなかった欲望がやっと遂げられたときの狂喜と、底なしの絶望の闇に一道の希望の微光がさしはじめた瞬間の慟哭とは一見無関係のようではあるが、実は一つの階段の上層と下層とに配列されるべきものではないかと思われる。 この流涕の・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  17. ・・・ 数学も実はやはり一種の語学のようなものである、いろいろなベグリッフがいろいろな記号符号で表わされ、それが一種の文法に従って配列されると、それが数理の国の人々の話す文句となり、つづる文章となる。もちろん、その言語の内容は、われわれ日常の・・・<寺田寅彦「数学と語学」青空文庫>
  18. ・・・『古事記』に現われた色々の歌謡の音数排列を調べてみるとかなり複雑なものがあって到底容易には簡単な方則を見つけるわけに行かない。九、十、十一、十二、十四等の音から成る詩句が色々に重畳しているというだけしか分りかねる。ただこういうものからだ・・・<寺田寅彦「短歌の詩形」青空文庫>
  19. ・・・今言う通り天下に職業の種類が何百種何千種あるか分らないくらい分布配列されているにかかわらず、どこへでも融通が利くべきはずの秀才が懸命に馳け廻っているにもかかわらず、自分の生命を託すべき職業がなかなか無い。三箇月も四箇月も遊んでいる人があるの・・・<夏目漱石「道楽と職業」青空文庫>
  20. ・・・文法と云うものは言葉の排列上における相互の関係を法則にまとめたものであるが、小児は文法があって、それから文章があるように考えている。文法は文章があって、言葉があって、その言葉の関係を示すものに過ぎんのだからして、文法こそ文章のうちに含まれて・・・<夏目漱石「文芸の哲学的基礎」青空文庫>
  21. ・・・出陣、帆柱の旗、戦……と順を立てて排列して見る。皆事実としか思われぬ。「その次に」と頭の奧を探るとぺらぺらと黄色なが見える。「火事だ!」とウィリアムは思わず叫ぶ。火事は構わぬが今心の眼に思い浮べたの中にはクララの髪の毛が漾っている。何故あの・・・<夏目漱石「幻影の盾」青空文庫>
  22. ・・・この点より論ずるときは、仕官もまた営業渡世の一種なれども、俸給の他に位階勲章をあたうるは、その労力の大小にかかわらず、あたかも日本国中の人物を排列してその段等を区別するものにして、官途にはおのずから抜群の人物多きがゆえに、位階勲章を得る者の・・・<福沢諭吉「学問の独立」青空文庫>
  23. ・・・する藩士も中津に移住し、かつこの時には天下多事にして、藩地の士族も頻りに都会の地に往来してその風俗に慣れ、その物品を携えて帰り、中津へ移住する江戸の定府藩士は妻子と共に大都会の軽便流を田舎藩地の中心に排列するの勢なれば、すでに惰弱なる田舎の・・・<福沢諭吉「旧藩情」青空文庫>
  24. ・・・多くの言葉は費されていないが、私はこの条を読んだ時、一すじの閃光が鴎外という人の複雑な内部の矛盾・構成の諸要素の配列の上に閃いたという感銘を受けた。そして、彼が自分の子供たちに皆マリ、アンヌ、オットウ、ルイなどという西洋の名をつけていたこと・・・<宮本百合子「鴎外・漱石・藤村など」青空文庫>
  25. ・・・小さい清潔な白塗の椅子テーブルが、水鉢の上で芽をふきかけているいろんな球根ののった窓のまわりに配列されている。今ここに子供はいない。 ――お母さんが少し長い時間買物にでも出かけなければならない。すると、ここへよって小さい子供をあずけてゆ・・・<宮本百合子「子供・子供・子供のモスクワ」青空文庫>
  26. ・・・けれども、私にこの部門の配列の順序その他は、何となく分業以前の人間の暖さ、正直さ、真実さのほとぼりを感じさせる。はっきり、彼等が生きて行く上に何を第一義に感じていたかと云うことが見える。幼稚であり、未開であるにしろ、生活にこれが第一、という・・・<宮本百合子「蠹魚」青空文庫>
  27. ・・・―― 筋は蹴球選手と掃除女である女子共産青年との変愛に非階級的なメシチャニンの若い男と女とがからむという組み合わせだが、本質的にこれが、王子、姫君、横恋慕をする髯面武士の配列とどう違うだろうか。王子が、ソヴェト製の黒と黄色い縞の運動襯衣・・・<宮本百合子「ソヴェトの芝居」青空文庫>
  28. ・・・は即物的な表現のうちに、素朴な唯物的実在の感覚と心理のニュアンスを綯いあわせた、というよりもむしろ配列した頭脳的な作品であった。が、「抒情歌」はその反対に、科学を追いつめて淋しくなった人間の心が、その逆の霊魂のことに慕いよる、というモティー・・・<宮本百合子「文芸時評」青空文庫>
  29.  手提鞄の右肩に赤白の円い飛行会社のレベルがはられた。「航空ユニオン。27」廻転するプロペラーの速力を視覚に印象させるような配列法でこまかく、赤白、赤白。にとられたものです、それからこれが昨年の。真中に坐ってらっしゃるの・・・<宮本百合子「ロンドン一九二九年」青空文庫>
  30. ・・・ここではパートの崩壊、積重、綜合の排列情調の動揺若くはその突感の差異分裂の顫動度合の対立的要素から感覚が閃き出し、主観は語られずに感覚となって整頓せられ爆発する。時として感覚派の多くの作品は古き頭脳の評者から「拵えもの」なる貶称を冠せられる・・・<横光利一「新感覚論」青空文庫>