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はん‐えい【反映】例文一覧 30件

  1. ・・・が、同時にまたその顔には、貴族階級には珍らしい、心の底にある苦労の反映が、もの思わしげな陰影を落していた。私は先達ても今日の通り、唯一色の黒の中に懶い光を放っている、大きな真珠のネクタイピンを、子爵その人の心のように眺めたと云う記憶があった・・・<芥川竜之介「開化の良人」青空文庫>
  2.  最近は、政治的に行きつまり、経済的にも、また行きつまっている様な気がする。その反映は文芸の上にも現われていないことはない。だが、この時にこそ、文芸は、展開せられるのでもある。我々は、常に、思想の自由を有している。空想し、想像することの・・・<小川未明「自由なる空想」青空文庫>
  3. ・・・即ち、彼等の親達もしくは主人が、社会から受ける物質上、または精神上の貧困と絶望とは、無邪気な子供等にまで、いたましく反映するのを阻止することはできなかったでしょう。 しかし、厳密にいえば、健全なる家庭生活以外には、家族制度の基礎がありと・・・<小川未明「近頃感じたこと」青空文庫>
  4. ・・・しかし、たゞ、それは、自然の意志の反映なのである。即ち、自然なるが故に、自由なのである。言い換えれば自然は、自由そのものであるからだ。 雲に思いを寄せ、追懐と讃美を恣にしたものは、いくばくの放浪者や、ロマンチストだけではなかった。シェレ・・・<小川未明「常に自然は語る」青空文庫>
  5. ・・・――燈火を赤く反映している夜空も、そのなかにときどき写る青いスパークも。……しかしどこかからきこえて来た軽はずみな口笛がいまのソナタに何回も繰り返されるモティイフを吹いているのをきいたとき、私の心が鋭い嫌悪にかわるのを、私は見た。 休憩・・・<梶井基次郎「器楽的幻覚」青空文庫>
  6. ・・・汚れた手拭の上へ載せてみたりマントの上へあてがってみたりして色の反映を量ったり、またこんなことを思ったり、 ――つまりはこの重さなんだな。―― その重さこそ常づね尋ねあぐんでいたもので、疑いもなくこの重さはすべての善いものすべての美・・・<梶井基次郎「檸檬」青空文庫>
  7. ・・・ことにこの盲人はそのむさくるしい姿に反映してどことなく人品の高いところがあるので、なおさら自分の心を動かした、恐らく聴いている他の人々も同感であったろうと思う。その吹き出づる哀楽の曲は彼が運命拙なき身の上の旧歓今悲を語るがごとくに人々は感じ・・・<国木田独歩「女難」青空文庫>
  8. ・・・マルクスはさらに進んで意識を自然の反映であるとし、道徳は経済関係の上部構造としての二次的のものにすぎないとした。生産関係はそれに内存する必然法則により発展して最後に幸福な社会を産み出す力があるとする。ブルジョア社会の道徳はその階級にのみ妥当・・・<倉田百三「学生と教養」青空文庫>
  9. ・・・不思議な農民の生活、合法無産政党を以て労農提携の問題をごま化し去ろうとする社会民主主義者共の偽まんを突破して真に階級性を持った提携に向って進んでいる貧農大衆の闘争等については、まだ全くわれ/\の文学に反映さしてはいない。 しかし、この問・・・<黒島伝治「農民文学の問題」青空文庫>
  10. ・・・そして、これは明治時代の作家の、そのかなり大部分のイデオロギーにも反映せずにはいなかった。殊に、明治に於ける文学運動のなかでも歴史的に最も意義のある自然主義運動の選ばれた代表者、国木田独歩、田山花袋についてそれを見出すことが出来る。勿論、自・・・<黒島伝治「明治の戦争文学」青空文庫>
  11. ・・・誰が馬琴の『侠客伝』などを当時の実社会の反映だとはいい得ましょう? 馬琴以外の作者は実に時代と並行線を描いて居ましたが、馬琴は実に時代と直角的に交叉して居たのであります。時代の流れと共に流れ漂って居た人で無かったのであります。自分は自分の感・・・<幸田露伴「馬琴の小説とその当時の実社会」青空文庫>
  12. ・・・ 夕方の家事雑役をするということは、先刻の遊びに釣をするのでないという言葉に反映し合って、自分の心を動かさせた。 ほんとのお母さんでないのだネ。明日の米を磨いだり、晩の掃除をしたりするのだネ。 彼はまた黙った。 今日も鮒を一・・・<幸田露伴「蘆声」青空文庫>
  13. ・・・祭壇から火の立ち登る柱廊下の上にそびえた黄金の円屋根に夕ぐれの光が反映って、島の空高く薔薇色と藍緑色とのにじがかかっていました。「あれはなんですか、ママ」 おかあさんはなんと答えていいか知りませんでした。「あれが鳩の歌った天国で・・・<著:ストリンドベリアウグスト 訳:有島武郎「真夏の夢」青空文庫>
  14. ・・・ このはじめて見た文楽の人形芝居の第一印象を、近ごろ自分が興味を感じている映画芸術の分野に反映させることによってそこに多くの問題が喚起され、またその解決のかぎを投げられるように思われる。特に発声映画劇と文楽との比較研究はいろいろのおもし・・・<寺田寅彦「生ける人形」青空文庫>
  15. ・・・同じ線のリズムの余波は、あるいは衣服の襟に、あるいは器物の外郭線に反映している。たとえば歌麿の美人一代五十三次の「とつか」では、二人の女の髷の頂上の丸んだ線は、二人の襟と二つの団扇に反響して顕著なリズムを形成している。写楽の女の変な目や眉も・・・<寺田寅彦「浮世絵の曲線」青空文庫>
  16. ・・・これはこの二人の人の有声映画というものに対する心的態度と要求との根本的差違を反映する現象である。将来の有声映画製作者にとってはこの二つの対蹠的な現象の分析的研究が必要となるであろう。この二つのものはしかし必ずしも互いに相容れないものではない・・・<寺田寅彦「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」青空文庫>
  17. ・・・に現われた夫婦愛のソフィスティケーションの中にわれわれは江戸っ子の粋の反映のようなものを認めることはできないであろうか。 粋の精神はまた一面において俳諧の精神と握手するところがある。露骨な真実、平板な虚欺、その二つの世界の境界に中立地帯・・・<寺田寅彦「映画雑感(※[#ローマ数字7、1-13-27])」青空文庫>
  18. ・・・周囲のアメリカン・シチズンスの不用意な表情姿態の上に反映したフーヴァーのほうがはるかに多くフーヴァーその人を物語るのである。半分はフーヴァーを写し半分は聴衆のほうにカメラを向けたのを撮ったほうが有効である。 こういう現実味からいうと演劇・・・<寺田寅彦「映画時代」青空文庫>
  19. ・・・ 午後に夕立を降して去った雷鳴の名残が遠く幽に聞えて、真白な大きな雲の峰の一面が夕日の反映に染められたまま見渡す水神の森の彼方に浮んでいるというような時分、試に吾妻橋の欄干に佇立み上汐に逆って河を下りて来る舟を見よ。舟は大概右岸の浅草に・・・<永井荷風「夏の町」青空文庫>
  20. ・・・ しかしわたくしは浅草の芝居の絵看板またその舞台を見て、戦争後の人心の残忍になった反映だとは考えていない。西洋の芝居で見るように西洋人は決して女を撲らないとも考えていない。わたくしは戦争後に現れた世間的事相に対する興味からこんな事を論述・・・<永井荷風「裸体談義」青空文庫>
  21. ・・・左右前後の綺羅が頭の中へ反映して、心理学にいわゆる反照聯想を起すためかとも思いますが、全くそうでもないらしいです。あんな場所で周囲の人の顔や様子を見ていると、みんな浮いて見えます。男でも女でもさも得意です。その時ふとこの顔とこの様子から、自・・・<夏目漱石「虚子君へ」青空文庫>
  22.  書物に於ける装幀の趣味は、絵画に於ける額縁や表装と同じく、一つの明白な芸術の「続き」ではないか。彼の画面に対して、あんなにも透視的の奥行きをあたへたり、適度の明暗を反映させたり、よつて以てそれを空間から切りぬき、一つの落付・・・<萩原朔太郎「装幀の意義」青空文庫>
  23. ・・・ この時期の評論が、どのように当時の世界革命文学の理論の段階を反映し、日本の独自な潰走の情熱とたたかっているかということについての研究は、極めて精密にされる必要がある。そして、当時のプロレタリヤ文学運動の解釈に加えられた歪曲が正される必・・・<宮本百合子「巖の花」青空文庫>
  24. ・・・文学の歩みがその社会的相関の相貌をつよく反映して、種々な交錯の中に推移してゆかなければならないことも亦当然であろう。 最近の数ヵ月間に、作家による戦争のルポルタージュが前面におし出されて来ている。一九三七年の日本文学について語るとき、こ・・・<宮本百合子「明日の言葉」青空文庫>
  25. ・・・ 元来、新聞発行そのものが、民意反映の機関として、またその民意を進歩の方向に導くための理想をもって始められた「文明国」らしい仕事であった。 資本も、そんなに大きいものではなかっただろう。記者として働く一人一人が、当時新しく強く意識さ・・・<宮本百合子「明日への新聞」青空文庫>
  26. ・・・ コロンタイズムは、全く一九一七年から二三年間の混乱期にふるいブルジョア社会の性的放縦の最後の反映、火花として現れた変則な社会現象であった。四五年以上も経過してから、日本において、一つの急進的な性関係のタイプとして、イデオロギー的にコロ・・・<宮本百合子「新しい一夫一婦」青空文庫>
  27. ・・・――これらの性質は直ちにまた画布の性質に反映して、その特質を一層強めて行く。洋画のカンバスと、絹あるいは金箔。荒いザラザラした表面と、細かいスベスベした、あるいは滑らかに光沢ある表面。 これらの相違がすでに洋画を写実に向かわしめ、日本画・・・<和辻哲郎「院展遠望」青空文庫>
  28. ・・・それらは、そういう寺社を教養の中心としていた民衆の心情を、最も直接に反映したものとして取り扱ってよいであろう。民俗学者が問題としているような民間の説話で、ただこの時代の物語にのみ姿を見せているもののあることを考えると、この時代の物語の民衆性・・・<和辻哲郎「埋もれた日本」青空文庫>
  29. ・・・に置いた作者の人格を、きわめてよく反映している。彼の描く人と自然とは、常に彼の「享楽」の光に照らされて、一種独特な釣合をもって現われてくる。非常に広濶な、偏執のない心が、あらゆる対象へ差別のない愛を注ぎながら、静かに、和やかに、それらを見ま・・・<和辻哲郎「享楽人」青空文庫>
  30. ・・・ 麦積山の塑像は、この中央アジアの塑像の様式を反映しているらしい。それは、ここで主として問題としたような、推古仏の源流を思わせるあの仏像の様式について言えるのみならず、また戒壇院の四天王などのような天部像についても言えるであろう。表情を・・・<和辻哲郎「麦積山塑像の示唆するもの」青空文庫>