あおり〔あふり〕【×煽り】 の意味

  1. あおること。また、強い風にあおられて起こる動揺や衝撃。「突風の煽りで塀が倒れた」
  1. ある物事に強く働く勢い。また、その及ぼす影響。余勢。「ストの煽りで客足が伸びない」
  1. そそのかしたりおだてたりして、ある行為を起こさせること。「周りの煽りに乗る」
  1. カメラで、レンズの光軸とフィルム面(デジタルカメラではイメージセンサー)との角度を変えること。像の歪みの補正や遠近感の調整に用いられる。PCレンズという専用の特殊レンズもある。
  1. 歌舞伎劇場などで、木戸番が扇を開いて客を呼び立て招くこと。
  1. 前を走る車両に、進路を譲るよう強要するため、極端に車間距離を詰めた運転。
  1. 煽り返し」の略。

あおり〔あふり〕【×煽り】の慣用句

  1. 煽りを食う
    • 強い風の衝撃をまともに身に受ける。
    • まわりの状況の変化で思わぬ災難や影響を受ける。「不況の―・う」
  1. あおりあし【煽り足】
    • 横泳ぎ抜き手で、両足をからだの前後に開き、前足の足裏と後ろ足の甲とで挟むように水をける動作。
  1. あおりがい【煽り買い】
    • 相場をつり上げるために盛んに買いまくること。
  1. あおりかえし【煽り返し】
    • 芝居の大道具で、張り物を縦に二等分する線を軸に、蝶番(ちょうつがい)で別の張り物を取り付けておき、それを左右に折り返して場面転換などをすること。
  1. あおりかぜ【煽り風】
    • 津波の到達直前に吹く突風。家屋が倒壊したり、自動車が横転したりするほどの強風になることもある。
  1. あおりどめ【煽り止め】
    • 開いた扉が風にあおられないようにする留め金具。
  1. あおりまど【煽り窓】
    • 窓枠と窓の上框(うわがまち)または下框とを蝶番(ちょうつがい)でつなぎ、外側へ開くようにした窓。
  • あおり〔あふり〕【×煽り】の例文

    出典:青空文庫

    • ・・・トロッコは三人が乗り移ると同時に、蜜柑畑のにおいを煽りながら、ひた辷りに線路を走り出した。

      芥川竜之介「トロッコ」

    • ・・・彼れは馬力の上に安座をかいて瓶から口うつしにビールを煽りながら濁歌をこだまにひびかせて行った。

      有島武郎「カインの末裔」

    • ・・・ 思出す、あの……五十段ずつ七折ばかり、繋いで掛け、雲の桟に似た石段を――麓の旅籠屋で、かき玉の椀に、きざみ昆布のつくだ煮か、それはいい、あろう事か、朝酒を煽りつけた勢で、通しの夜汽車で、疲れたのを顧みず――時も八月、極暑に、矢声を掛け・・・

      泉鏡花「開扉一妖帖」