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へえ例文一覧 30件

  1. ・・・「へえ。そんなに好い女だったかい。」「左様でございます。気だてと云い、顔と云い、手前の欲目では、まずどこへ出しても、恥しくないと思いましたがな。」「惜しい事に、昔さね。」 青侍は、色のさめた藍の水干の袖口を、ちょいとひっぱり・・・<芥川竜之介「運」青空文庫>
  2. ・・・「へえ、妙な縁だね。だがそいつはこの新聞で見ると、無頼漢だと書いてあるではないか。そんなやつは一層その時に死んでしまった方が、どのくらい世間でも助かったか知れないだろう。」「それがあの頃は、極正直な、人の好い人間で、捕虜の中にも、あ・・・<芥川竜之介「首が落ちた話」青空文庫>
  3. ・・・「へえ、乞食かね」「乞食さ。毎日、波止場をうろついているらしい。己はここへよく来るから、知っている」 それから、彼は、日本人のフロックコオトに対する尊敬の愚なるゆえんを、長々と弁じたてた。僕のセンティメンタリズムは、ここでもまた・・・<芥川竜之介「出帆」青空文庫>
  4. ・・・「そう、いつごろのこと?」「そうですね、もう四五年前のことでしょう、お上さんがまだ島田なんぞ結ってなすったころで」「へえい、じゃ私のこともそのころ知ってて?」「ええ、お上さんのことはそんなによく知りませんが、でも寄席へなぞ金・・・<小栗風葉「深川女房」青空文庫>
  5. ・・・「あ、ちょっと……。宿はどこですか。どの道を行くんですか。ここ真っ直ぐ行けばいいんですか。宿はすぐ分りますか」「へえへえ、すぐわかりますでやんす。真っ直ぐお出でになって、橋を渡って下されやんしたら、灯が見えますでござりやんす」・・・<織田作之助「秋深き」青空文庫>
  6. ・・・「家でも買う金が足りないのか」「からかっちゃ困るよ。闇屋に二千円借りたんだが、その金がないんだ」「二千円ぐらいの金がない君でもなかろう。世間じゃ君が十万円ためたと言ってるぜ」「へえ? 本当か?」 びっくりしていた。「・・・<織田作之助「鬼」青空文庫>
  7. ・・・「――ところで、お前の方は、いまどうしているんだい?」 と、きくと、「――薬屋をしているんです」「――へえ?」 驚いた顔へぐっと寄って来て、「――それもあんた、自家製の特効薬でしてね。わたしが調整してるんですよ」・・・<織田作之助「勧善懲悪」青空文庫>
  8. ・・・「へい。」杜氏は重ねてお辞儀をした。「今月分はまるで貸しとったかも知れません。」 主人の顔は、少時、むずかしくなった。「今日限り、あいつにゃひまをやって呉れい!」「へえ、……としますと……貸越しになっとる分はどう致しましょう・・・<黒島伝治「砂糖泥棒」青空文庫>
  9. ・・・「うへえ!」 棚のローソクの灯の下で袋の口を切っていた一人は、突然トンキョウに叫んだ。「何だ? 何だ?」一時に、皆の注意はその方に集中した。「待て、待て! 何だろう?」 彼は、ローソクの傍に素早く紙片を拡げて、ひっく・・・<黒島伝治「前哨」青空文庫>
  10. ・・・「なんぼぞな?」「一本、十銭よな。その短い分なら八銭にしといてあげまさ。」「八銭に……」「へえ。」「そんなら、この短いんでよろしいワ。」 そして母は、十銭渡して二銭銅貨を一ツ釣銭に貰った。なんだか二銭儲けたような気が・・・<黒島伝治「二銭銅貨」青空文庫>
  11. ・・・「お客さんだもの……」 女は単純に答えた。龍介はちょっとつまった。「貞操を金で買うんだよ……」「そんなこと……」「へえそんなこと……」彼もちょっとそう言わさった。「乱暴なお客さんでもなかったら、別になんでもないわ」・・・<小林多喜二「雪の夜」青空文庫>
  12. ・・・七「へえ」殿「誠に久しく会わんのう」七「へえ」殿「再度書面を遣ったに出て来んのは何ういうわけか」七「へえ」殿「他へでも往ったか」七「へえ」殿「煩いでもしたか」七「へえ」殿「然うでもないようだな」七・・・<著:三遊亭円朝 校訂:鈴木行三「梅若七兵衞」青空文庫>
  13. ・・・「へえ、末ちゃんにも月給。」 と、私は言って、茶の間の廊下の外で古い風琴を静かに鳴らしている娘のところへも分けに行った。その時、銀貨二つを風琴の上に載せた戻りがけに、私は次郎や三郎のほうを見て、半分串談の調子で、「天麩羅の立食な・・・<島崎藤村「嵐」青空文庫>
  14. ・・・「へえ、姉さんにも御褒美」 こうおげんが娘に言う時の調子には、まだほんの子供にでも言うような母親らしさがあった。「蛙がよく鳴くに」とその時、お新も耳を澄まして言った。「昼間鳴くのは、何だか寂しいものだなあし」「三吉や、お前は・・・<島崎藤村「ある女の生涯」青空文庫>
  15. ・・・「へえ、こいつはまるでかるわざ師だ。どうだい、牛一ぴきのこらずくうまでかるわざをやるつもりかい? ほら、来た。よ、もう一つ。ほうら。よ、ほら。」と、肉屋はあとから/\と何どとなく切ってはなげました。犬は、そのたんびに、ぴょいぴょいと上手・・・<鈴木三重吉「やどなし犬」青空文庫>
  16. ・・・「早く着物を着た方がいい。風邪を引くぜ。ああ、帰りしなに電話をかけてビイルとそれから何か料理を此所へすぐに届けさせてくれよ。お祭が面白くないから、此所で死ぬほど飲むんだ。」「へえ。」と剽軽に返事して、老人はそそくさ着物を着込んで、消・・・<太宰治「老ハイデルベルヒ」青空文庫>
  17. ・・・ ご亭主は、きょとんとした顔になって、「へえ? しかし、奥さん、お金ってものは、自分の手に、握ってみないうちは、あてにならないものですよ」 と案外、しずかな、教えさとすような口調で言いました。「いいえ、それがね、本当にたしか・・・<太宰治「ヴィヨンの妻」青空文庫>
  18. ・・・「どうしてまた。風流ですね。」「いいえ。おいしいからのむのです。わたくし、実話を書くのがいやになりましてねえ。」「へえ。」「書いていますよ。」青扇は兵古帯をむすびながら床の間のほうへいざり寄った。 床の間にはこのあいだの・・・<太宰治「彼は昔の彼ならず」青空文庫>
  19. ・・・「へえ、こんなところで天麩羅を食うんだね」私はこてこて持ちだされた食物を見ながら言った。「それああんた、あんたは天麩羅は東京ばかりだと思うておいでなさるからいけません」桂三郎は嗤った。 雪江はおいしそうに、静かに箸を動かしていた・・・<徳田秋声「蒼白い月」青空文庫>
  20. ・・・参謀本部へ、一時金を受けに行くと、そこにいた掛の方が、『大瀬晴二郎の父親の吉兵衛と云うのあお前か』と云うんです。へえ、さようでござえんすと申しあげると、晴二郎は内地で死んだんだから、金は下げる訳にいかん、帰れ帰れと恁う云うんでしょう。・・・<徳田秋声「躯」青空文庫>
  21. ・・・「味噌汁の実まで相談するかと思うと、妙なところへ干渉するよ」「へえ、やはり食物上にかね」「うん、毎朝梅干に白砂糖を懸けて来て是非一つ食えッて云うんだがね。これを食わないと婆さんすこぶる御機嫌が悪いのさ」「食えばどうかするのか・・・<夏目漱石「琴のそら音」青空文庫>
  22. ・・・「僕のうちは、つまり、そんな音が聞える所にあるのさ」「だから、どこにある訳だね」「すぐ傍さ」「豆腐屋の向か、隣りかい」「なに二階さ」「どこの」「豆腐屋の二階さ」「へええ。そいつは……」と碌さん驚ろいた。「・・・<夏目漱石「二百十日」青空文庫>
  23. ・・・ そうかと思うと、「へえ仁王だね。今でも仁王を彫るのかね。へえそうかね。私ゃまた仁王はみんな古いのばかりかと思ってた」と云った男がある。「どうも強そうですね。なんだってえますぜ。昔から誰が強いって、仁王ほど強い人あ無いって云いますぜ・・・<夏目漱石「夢十夜」青空文庫>
  24. ・・・「今年はうどの出来がどうですか。」「なかなかいいようですが、少しかおりが不足ですな。」「雨の関係でしょうかな。」「そうです。しかしどうしてもアスパラガスには叶いませんな。」「へえ」「アスパラガスやちしゃのようなものが・・・<宮沢賢治「紫紺染について」青空文庫>
  25. ・・・バキチのほうでももう大抵巡査があきていたんです。へえ、そうですか、やめましょう。永々お世話になりましたって斯う云うんです。そしてすぐ服をぬいだはいいんですが実はみじめなもんでした。着物もシャツとずぼんだけ、もちろん財布もありません。小使室か・・・<宮沢賢治「バキチの仕事」青空文庫>
  26. ・・・「まだ新しいな」「へえ、昨年新築致しましたんで、一夏お貸ししただけでございます。手前どもでは、よそのようにどんな方にでもお貸ししたくないもんですから……どうも御病人は、ねえあなた」 筒袖絆纏を着た六十ばかりの神さんが、四畳の方の・・・<宮本百合子「明るい海浜」青空文庫>
  27. ・・・「感想はいかがです」 わたしは、ゆっくり立ちどまって、挨拶をかえした。「感想って……。私はこれから、稲子さんのところへ行くんだけれども……」「へえ」 ひどく案外らしく、「知らないんですか」といわれた。「執筆禁・・・<宮本百合子「ある回想から」青空文庫>
  28. ・・・「へへへへ。それでは野木さんのお流儀で。」「己がいらないのだ。野木閣下の事はどうか知らん。」「へえ。」 その後は別当も敢て言わない。 石田は司令部から引掛に、師団長はじめ上官の家に名刺を出す。その頃は都督がおられたので、・・・<森鴎外「鶏」青空文庫>
  29. ・・・主人は不審に思うらしい様子で、「へえ、あんなに好く肖てお出になって」と云った。私は君に似ているだろうか、君はどう思うと云って、F君を見た。 F君がその時、それは他人の空似と云うことが随分有るものと見えると云って、こういう話をした。君が尾・・・<森鴎外「二人の友」青空文庫>
  30. ・・・「へえ、一万フィートなら相当なものだな。うまくゆきますか、飛行機だと落ちますね。」「落ちました。初め操縦士と合図しといて落下傘で飛び降りてから、その後の空虚の飛行機へ光線をあてたのです。うまくゆきましたよ。操縦士と夕べは握手して、ウ・・・<横光利一「微笑」青空文庫>