• で始まる
  • で一致する
  • で終わる
  • を説明文に含む
  • を見出しに含む

ぼっ‐こう【勃興】例文一覧 30件

  1. ・・・たといクロポトキンの所説が労働者の覚醒と第四階級の世界的勃興とにどれほどの力があったにせよ、クロポトキンが労働者そのものでない以上、彼は労働者を活き、労働者を考え、労働者を働くことはできなかったのだ。彼が第四階級に与えたと思われるものは第四・・・<有島武郎「宣言一つ」青空文庫>
  2. ・・・ しからば、来たるべき時代においてプロレタリアの中から新しい文化が勃興するだろうと信じている私は、なぜプロレタリアの芸術家として、プロレタリアに訴えるべき作品を産もうとしないのか。できるならば私はそれがしたい。しかしながら、私の生まれか・・・<有島武郎「広津氏に答う」青空文庫>
  3. ・・・りだされた明治新社会の完成のために有用な人物となるべく教育されてきた間に、べつに青年自体の権利を認識し、自発的に自己を主張し始めたのは、誰も知るごとく、日清戦争の結果によって国民全体がその国民的自覚の勃興を示してから間もなくの事であった。す・・・<石川啄木「時代閉塞の現状」青空文庫>
  4. ・・・一国一都市の勃興も滅亡も一人一家の功名も破滅も二十五年間には何事か成らざる事は無い。 博文館は此の二十五年間を経過した。当時本郷の富坂の上に住っていた一青年たる小生は、壱岐殿坂を九分通り登った左側の「いろは」という小さな汁粉屋の横町を曲・・・<内田魯庵「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」青空文庫>
  5. ・・・の名声に動かされて勃興したので、坪内君がなかったならただの新聞の投書ぐらいで満足しておったろう。紅葉の如きは二人とない大才子であるが、坪内君その前に出でて名を成したがために文学上のアンビションを焔やしたのでさもなければやはり世間並の職業に従・・・<内田魯庵「明治の文学の開拓者」青空文庫>
  6. ・・・少なくも今日の文芸美術の勃興は欧洲文化を尊重する当時の気分に発途した。 井侯が陛下の行幸を鳥居坂の私邸に仰いで団十郎一座の劇を御覧に供したのは劇を賤視する従来の陋見を破って千万言の論文よりも芸術の位置を高める数倍の効果があった。井侯の薨・・・<内田魯庵「四十年前」青空文庫>
  7. ・・・故に、一つの主義が勃興すれば、それと対蹠的な主義が生起する。かくして、その相剋の間に真理は見出されるのを常とします。しかし、真の殉教者は、そのいずれに於ても、狂信的なるものである。即ち新社会を建設する上に於て、貴い犠牲者でもあります。 ・・・<小川未明「文化線の低下」青空文庫>
  8. ・・・自然主義運動勃興以前の各既成作家の行きづまりは、恐ろしく、水っぽい戦争小説の洪水をもたらした。それは、後の自然主義運動に於いて作家としての生長を示した徳田秋声の、この時の作品「通訳官」を見ても、また、小栗風葉の「決死兵」、広津柳浪の「天下一・・・<黒島伝治「明治の戦争文学」青空文庫>
  9.  徳富猪一郎君は肥後熊本の人なり。さきに政党の諸道に勃興するや、君、東都にありて、名士の間を往来す。一日余の廬を過ぎ、大いに時事を論じ、痛歎して去る。当時余ひそかに君の気象を喜ぶ。しかるにいまだその文筆あるを覚らざるなり。・・・<田口卯吉「将来の日本」青空文庫>
  10. ・・・ 近ごろわが国でも土俗学的の研究趣味が勃興したようで誠に喜ばしいことと思われるが、一方ではまたここに例示したような不思議な田園詩も今のうちにできるだけ収集し保存しまたそれを現在の詩の言葉に翻訳しておくことも望ましいような気がするのである・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  11. ・・・ 以上は新型式の勃興に惰眠をさまされた懶翁のいまださめ切らぬ目をこすりながらの感想を直写したままである。あえて読者の叱正を祈る次第である。<寺田寅彦「俳句の型式とその進化」青空文庫>
  12. ・・・いついかなる問題が勃興して、現在の第一線の問題に取って代わるかもしれない。現在世界じゅうの学者が争って研究しているような問題が、やがて行き詰まりになるであろうということは当然の事でもあり、また過去の歴史がことごとくこれを証明しているように思・・・<寺田寅彦「物理学圏外の物理的現象」青空文庫>
  13. ・・・こうした活気はすべてのものの勃興時代にのみ見らるるものであって、一度隆盛期を通り越すと消えてしまう。これはどうにも仕様のないものである。 たしか浅井和田両画伯の合作であったかと思うがフランスのグレーの田舎へ絵をかきに行った日記のようなも・・・<寺田寅彦「明治三十二年頃」青空文庫>
  14. ・・・日本の科学は、ひとりで勃興するだろう。百の騒がしい宣伝よりは、一の黙った実例が必要である。 アインシュタインや、ボーアは、おそらく通俗講演や宣伝の産物ではなかった。天才の芽が、静かな寂しい環境の内に、順当に発育したに過ぎないように思われ・・・<寺田寅彦「鑢屑」青空文庫>
  15. ・・・そうしてみると結局日本人の西洋本位思想が少しでも減退してほんとうの国民的自覚が勃興しない限り、連句が日本人自身から正当に認められる日の来るのはなかなか待ち遠しいかもしれない。考えてみると情けない次第である。 しかしまた考えてみると、西洋・・・<寺田寅彦「連句雑俎」青空文庫>
  16. ・・・ わたくしは西洋種の草花の流行に関して、それは自然主義文学の勃興、ついで婦人雑誌の流行、女優の輩出などと、ほぼ年代を同じくしていたように考えている。入谷の朝顔と団子坂の菊人形の衰微は硯友社文学とこれまたその運命を同じくしている。向島の百・・・<永井荷風「葛飾土産」青空文庫>
  17. ・・・カッフェーの女給はその頃にはなお女ボーイとよばれ鳥料理屋の女中と同等に見られていたが、大正十年前後から俄に勃興して一世を風靡し、映画女優と並んで遂に演劇女優の流行を奪い去るに至った。しかし震災後早くも十年を過ぎた今日では女給の流行もまた既に・・・<永井荷風「正宗谷崎両氏の批評に答う」青空文庫>
  18. ・・・だから今もし小波瀾としてこの自然主義の道徳に反抗して起るものがあるならば、それは浪漫派に違いないが、維新前の浪漫派が再び勃興する事はとうてい困難である、また駄目である。同じ浪漫派にしても我々現在生活の陥欠を補う新らしい意義を帯びた一種の浪漫・・・<夏目漱石「文芸と道徳」青空文庫>
  19. ・・・それを一通り調べてもまだ足らぬ所があるので、やはり上代から漕ぎ出して、順次に根気よく人文発展の流を下って来ないと、この突如たる勃興の真髄が納得出来ないという意味から、次に上代以後足利氏に至るまでを第一巻として発表されたものと思われる。そうは・・・<夏目漱石「マードック先生の『日本歴史』」青空文庫>
  20. ・・・和歌に代りて起りたる俳句幾分の和歌臭味を加えて元禄時代に勃興したるも、支麦以後ようやく腐敗してまた拯うに道なからんとす。ここにおいて蕪村は複雑的美を捉え来たりて俳句に新生命を与えたり。彼は和歌の簡単を斥けて唐詩の複雑を借り来たれり。国語の柔・・・<正岡子規「俳人蕪村」青空文庫>
  21. ・・・ディケンズが英国の近代資本主義勃興期に生きた作家であった歴史性が、こういう面にも錯綜した形で反映していると思うのである。 現代の子供には、きょうの物語がなくてはならない。今日の科学と今日の社会との間で、人間らしい勤勉さ、正義心、人類の発・・・<宮本百合子「子供のために書く母たち」青空文庫>
  22. ・・・例えば、島崎藤村、徳田秋声等は、日本の資本主義が勃興の途についたロマンチシズムの時代から、自然主義の時代、白樺等によって唱えられた人道主義の時代、更に社会の推進につれて生じた新たな階級の文学運動の開始等、明治から昭和に至る日本文化の縦走をそ・・・<宮本百合子「今日の文学の鳥瞰図」青空文庫>
  23. ・・・ 近代工業が勃興して、大工場が増加し、そこに働く労働者とその家族の数が、この世界に殖えて来るにつれて、文学における自然はこれまでにない相貌によって描かれるようになって来た。これまでの文学とその作者の日常生活の中では目に入れられなかった大・・・<宮本百合子「自然描写における社会性について」青空文庫>
  24. ・・・明治維新は近代のヨーロッパ社会に勃興した市民階級が封建社会に君臨した王権を転覆し歴史を前進させた革命ではなかった。日本のブルジョアジーが薩長閥によって作られた政府の権力と妥協し、形を変えて現れた旧勢力に屈従することによって資本主義が社会へ歩・・・<宮本百合子「女性の歴史」青空文庫>
  25. ・・・オノレ・ド・バルザックはパリの屋根裏から昂然と太い頸をもたげ、南方フランス人の快活さ、自信、加うるにブルジョア勃興期の特質をまぎれもなく自身の血の中に具えて、「名声」と「富」とを勝利の花飾りとして情熱的に夢見つつ、文学の仕事にとり組みはじめ・・・<宮本百合子「バルザックに対する評価」青空文庫>
  26. ・・・一定の階級が勃興期にある時はその階級の文学も隆興し、その階級が没落期にある時はその階級に属する文学も亦衰滅乃至堕落の道を辿ります。今日のブルジョア文学が段々貧弱になって行くのもそれで、谷崎潤一郎、佐藤春夫などの大家連が滔々として復古主義に赴・・・<宮本百合子「婦人作家の「不振」とその社会的原因」青空文庫>
  27. ・・・ ブルジョア勃興期に、ブルジョア文学の異国趣味は植民地発見熱の反映として現れた。没落期に入ると一緒に、それは享楽的なブルジョア文化の消費者の猟奇癖をたんのうさせるために役立ち、急テンポに侵略的帝国主義のデクになり下りつつあるのだ。 ・・・<宮本百合子「プロレタリア文学における国際的主題について」青空文庫>
  28. ・・・最近遽に勃興したかの感ある新感覚派なるものの感覚に関しても、時にはまた多くの場合、此の狭小なる認識者がその狭小の故を以って、芸術上に於ける一つの有力な感覚なる賓辞に向って暴力的に突撃し敵対した。これは尤もなことである。さまで理解困難な現象で・・・<横光利一「新感覚論」青空文庫>
  29. ・・・彼は民衆の力の勃興を眼前に見ながら、そこに新しい時代の機運の動いていることを看取し得ないのであった。正長、永享の土一揆は彼の三十歳近いころの出来事であり、嘉吉の土一揆、民衆の強要による一国平均の沙汰は、彼の三十九歳の時のことで、民衆の運動は・・・<和辻哲郎「埋もれた日本」青空文庫>
  30. ・・・それのもたらした新事実をあげれば、まず自然科学の進歩、社会主義の勃興、一般人民の物質的享楽への権利の主張、徹底的な虚無主義の出現――芸術上においては様式の単純化、日常生活の外形的な細部の描写の成功などであるが、そこに著しい進歩があったとは言・・・<和辻哲郎「「自然」を深めよ」青空文庫>