1 虫が食うこと。また、そのあと。「—の古本」「—の葉」
2 陶磁器の縁に表れた釉 (うわぐすり) の小さな剝落 (はくらく) のあと。虫が食ったあとに似る。釉が素地 (きじ) によく付着していないとできる。中国明代末期の古染め付けに多くみられ、茶人が賞玩 (しょうがん) した。
3 スズメ目ムシクイ科ムシクイ属の鳥の総称。日本ではセンダイムシクイ・メボソムシクイ・エゾムシクイ・イイジマムシクイが繁殖。羽色はいずれも暗緑色で白い眉斑があり、似ているが、さえずりが異なる。林にすみ昆虫やクモを主食とする。
4 老いた鶯 (うぐいす) のこと。
「夏、秋の末まで老い声に鳴きて、—など、ようもあらぬ者は」〈枕・四一〉
出典:青空文庫
・・・その葉の虫食いを続けて読めば、帰雁二どころの騒ぎではない。『明日帰・・・ 芥川竜之介「俊寛」
・・・ていいつもお定まりの虫食い本を通して見た縁起沿革ばかりでどこまでが・・・ 寺田寅彦「相撲」