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もく‐てき【目的】例文一覧 34件

  1. ・・・しかも、その満足は、復讐の目的から考えても、手段から考えても、良心の疚しさに曇らされる所は少しもない。彼として、これ以上の満足があり得ようか。…… こう思いながら、内蔵助は眉をのべて、これも書見に倦んだのか、書物を伏せた膝の上へ、指で手・・・<芥川竜之介「或日の大石内蔵助」青空文庫>
  2. ・・・真個の第四階級から発しない思想もしくは動機によって成就された改造運動は、当初の目的以外の所に行って停止するほかはないだろう。それと同じように、現在の思想家や学者の所説に刺戟された一つの運動が起こったとしても、そしてその運動を起こす人がみずか・・・<有島武郎「宣言一つ」青空文庫>
  3. ・・・じつに彼らは、抑えても抑えても抑えきれぬ自己その者の圧迫に堪えかねて、彼らの入れられている箱の最も板の薄い処、もしくは空隙に向ってまったく盲目的に突進している。今日の小説や詩や歌のほとんどすべてが女郎買、淫売買、ないし野合、姦通の記録である・・・<石川啄木「時代閉塞の現状」青空文庫>
  4. ・・・誰一人生命を惜まぬものはない、活きていたいというのが人間第一の目的じゃから、その生命を打棄ててかかるものは、もう望を絶ったもので、こりゃ、隣むべきものである。 お前のはそうじゃあない。と思うので、つまり精神的に人を殺して、何の報も受けな・・・<泉鏡花「化銀杏」青空文庫>
  5. ・・・同業者の幾人が同じ目的をもって多くの材料を求め走ったと聞いて、自分は更に恐怖心を高めた。 五寸角の土台数十丁一寸厚みの松板数十枚は時を移さず、牛舎に運ばれた。もちろん大工を呼ぶ暇は無い。三人の男共を指揮して、数時間豪雨の音も忘れるまで活・・・<伊藤左千夫「水害雑録」青空文庫>
  6. ・・・全滅は覚悟であった。目的はピー砲台じゃ、その他の命令は出さんから、この川を出るが最後、個々の行動を取って進めという命令が、敵に悟られん様に、聨隊長からひそかに、口渡しで、僕等に伝えられ、僕等は今更電気に打たれた様に顫たんやが、その日の午後七・・・<岩野泡鳴「戦話」青空文庫>
  7. ・・・昔は大抵な家では自宅へ職人を呼んで餅を搗かしたもんで、就中、下町の町家では暮の餅搗を吉例としたから淡島屋の団扇はなければならぬものとなって、毎年の年の市には景物目的のお客が繁昌し、魚河岸あたりの若い衆は五本も六本も団扇を貰って行ったそうであ・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  8. ・・・雪の曠野を走って、ようやく、目的地に着きました。しかし、急に思いたってきたので、通知もしなかったから、この小さな寂しい停車場に降りても、そこに、上野先生の姿が見いだし得ようはずがなかったのです。 手に、ケースを下げて、不案内の狭苦しい町・・・<小川未明「青い星の国へ」青空文庫>
  9. ・・・けれども、高等学校へはいって将来どうしようという目的もなかった。寄宿舎へはいった晩、先輩に連れられて、円山公園へ行った。手拭を腰に下げ、高い歯の下駄をはき、寮歌をうたいながら、浮かぬ顔をしていた。秀才の寄り集りだという怖れで眼をキョロキョロ・・・<織田作之助「雨」青空文庫>
  10. ・・・けれども、男は喜憂目的物を失った。すなわち生活の対手、もしくはまと、あるいは生活の扇動者を失った。 がっかりしたのも無理はない。彼の戦争論者たるも無理はない。「号外」、なるほど加藤男の彫像に題するには何よりの題目だろう、……男爵は例・・・<国木田独歩「号外」青空文庫>
  11. ・・・それ故一定の目的をもって文芸に向かうものにとっては、それは活きてはいるが低徊的である。それは行為の法則を与えようとしない。行為そのものを描く。ときとしては末梢的些末事と取り組んで飽くことを知らない。人生を全体として把握し、生活の原理と法則と・・・<倉田百三「学生と教養」青空文庫>
  12. ・・・その商品市場を求めるためと、原料を持って来るために、新しく植民地の分割を企図する。植民地の労働者をベラ棒に安い、牛か馬かを使うような調子に働かせるために、威嚇し、弾圧する。その目的に軍隊を使う。満洲に派遣されている軍隊と、支那に派遣されてい・・・<黒島伝治「入営する青年たちは何をなすべきか」青空文庫>
  13. ・・・仕方がないから割に高いけれども、腹の中に目的があるので、先方のいい値で買って、わが家へ帰ると直にこの話をした、勿論親父に悦ばれるつもりであった。すると親父は悦ぶどころか大怒りで、「たわけづらめ、慾に気が急いて、鐙の左右にも心を附けずに買いお・・・<幸田露伴「骨董」青空文庫>
  14. ・・・ 死刑が極悪・重罪の人を目的としたのは、もとよりである。したがって、古来多くの恥ずべく、忌むべく、おそるべき極悪・重罪の人が、死刑に処せられたのは、事実である。けれど、これと同時に多くのとうとぶべく、敬すべく、愛すべき善良・賢明の人が死・・・<幸徳秋水「死刑の前」青空文庫>
  15. ・・・自分も矢張その男と同じように、饑と疲労とで慄えたことを思出した。目的もなく彷徨い歩いたことを思出した。恥を忘れて人の家の門に立った時は、思わず涙が頬をつたって流れたことを思出した。「まあ君、そこへ腰掛けたまえ。」 と、自分は馴々敷い・・・<島崎藤村「朝飯」青空文庫>
  16. ・・・人生観はすなわち実行的人生の目的と見えるもの、総指揮と見えるものに識到した観念でないか。いわゆる実行的人生の理想または帰結を標榜することでないか。もしそうであるなら、私にはまだ人生観を論ずる資格はない。なぜならば、私の実行的人生に対する現下・・・<島村抱月「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」青空文庫>
  17. ・・・なんの目的で河が流れているかは知れないが、どうしても目的がありそうである。この男等の生涯も単調な、疲労勝な労働、欲しいものがあっても得られない苦、物に反抗するような感情に富んでいるばかりで、気楽に休む時間や、面白く暮す時間は少ないのであるが・・・<著:シュミットボンウィルヘルム 訳:森鴎外「鴉」青空文庫>
  18. ・・・歩いていても、何ひとつ、これという目的は無いのでございますが、けれども、みなさん、その日常が侘びしいから、何やら、ひそかな期待を抱懐していらして、そうして、すまして夜の新宿を歩いてみるのでございます。いくら、新宿の街を行きつ戻りつ歩いてみて・・・<太宰治「愛と美について」青空文庫>
  19. ・・・間もなく彼はチューリヒのポリテキニクムへ入学して数学と物理学を修める目的でスイスへやって来た。しかし国語や記載科学の素養が足りなかったので、しばらくアーラウの実科中学にはいっていた。わずかに十六歳の少年は既にこの時分から「運動体の光学」に眼・・・<寺田寅彦「アインシュタイン」青空文庫>
  20. ・・・ 銀座界隈はいうまでもなく日本中で最もハイカラな場所であるが、しかしここに一層皮肉な贅沢屋があって、もし西洋そのままの西洋料理を味おうとしたなら銀座界隈の如何なる西洋料理屋もその目的には不適当なる事を発見するであろう。銀座の文明と横浜の・・・<永井荷風「銀座」青空文庫>
  21. ・・・ 即ち新ローマン主義は、昔時のローマン主義のように空想に近い理想を立てずに、程度の低い実際に近い達成し得らるる目的を立てて、やって行くのである。社会は常に、二元である。ローマン主義の調和は時と場所に依り、その要求に応じて二者が適宜に調諧・・・<夏目漱石「教育と文芸」青空文庫>
  22. ・・・故に一々の過程が始と終とを含んでいる。目的的作用というものにおいても、あるいは斯くいい得るであろう。しかし直観においては、一々の点が始であり終であるのである。それは創造的過程であるのである、故に自覚的であるのである。時を媒介とするのではない・・・<西田幾多郎「デカルト哲学について」青空文庫>
  23. ・・・あの中世紀の魔教サバトの徒は、耶蘇とキリスト教とを冒涜する目的から、故意に模擬の十字架を立てて裸女を架け、或は幼児を架けて殺戮した。反キリストの詩人ニイチェの意味に於て、Ecce homo がまた同じく、キリスト教への魔教的冒涜を指示してゐ・・・<萩原朔太郎「ニイチェに就いての雑感」青空文庫>
  24. ・・・それで、急にまた出京るという目的もないから、お前さんにも無理な相談をしたようなわけなんだ。先日来のようにお前さんが泣いてばかりいちゃア、談話は出来ないし、実に困りきッていたんだ。これで私もやっと安心した。実にありがたい」 吉里は口にこそ・・・<広津柳浪「今戸心中」青空文庫>
  25. ・・・この男は自分の目的を遂げるために必要な時だけ、一本腕になっているのである。さて露した腕を、それまでぶらりと垂れていた片袖に通して、一方の導管に腰を掛けた。そして隠しからパンを一切と、腸詰を一塊と、古い薬瓶に入れた葡萄酒とを取出して、晩食をし・・・<著:ブウテフレデリック 訳:森鴎外「橋の下」青空文庫>
  26. ・・・或る地方の好色男子が常に不品行を働き、内君の苦情に堪えず、依て一策を案じて内君を耶蘇教会に入会せしめ、其目的は専ら女性の嫉妬心を和らげて自身の獣行を逞うせんとの計略なりしに、内君の苦情遂に止まずして失望したりとの奇談あり。天下の男子にして女・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
  27. ・・・小説に摸写せし現象も勿論偶然のものには相違なけれど、言葉の言廻し脚色の摸様によりて此偶然の形の中に明白に自然の意を写し出さんこと、是れ摸写小説の目的とする所なり。夫れ文章は活んことを要す。文章活ざれば意ありと雖も明白なり難く、脚色は意に適切・・・<二葉亭四迷「小説総論」青空文庫>
  28. ・・・そしてその目的を遂げるために、財界の老錬家のような辣腕を揮って、巧みに自家の資産と芸能との遣繰をしている。昔は文士を bohm だなんと云ったものだが、今の流行にはもうそんな物は無い。文士や画家や彫塑家の寄合所になっていた、小さい酒店が幾つ・・・<著:プレヴォーマルセル 訳:森鴎外「田舎」青空文庫>
  29.  紀行文をどう書いたら善いかという事は紀行の目的によって違う。しかし大概な紀行は純粋の美文的に書くものでなくてもやはり出来るだけ面白く書こうとする即美文的に書こうとする、故に先ず面白く書くという事はその紀行全部の目的でなくても少くも目的・・・<正岡子規「徒歩旅行を読む」青空文庫>
  30. ・・・北緯二十五度東経六厘の処に、目的のわからない大きな工事ができましたとな。二人とも言ってごらん」「北緯二十五度東経六厘の処に目的のわからない大きな工事ができました」「そうだ。では早く。そのうち私は決してここを離れないから」 蟻の子・・・<宮沢賢治「ありときのこ」青空文庫>