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や‐ゆ【××揄/×揄】例文一覧 30件

  1. ・・・その評論家の揶揄を受けたのは、――兎に角あらゆる先覚者は常に薄命に甘んじなければならぬ。   制限 天才もそれぞれ乗り越え難い或制限に拘束されている。その制限を発見することは多少の寂しさを与えぬこともない。が、それはいつの間・・・<芥川竜之介「侏儒の言葉」青空文庫>
  2. ・・・と揶揄ったのは十八九のどこと無く嫌味な女であった。 源三は一向頓着無く、「何云ってるんだ、世話焼め。」と口の中で云い棄てて、またさっさと行き過ぎようとする。圃の中からは一番最初の歌の声が、「何だネお近さん、源三さんに託け・・・<幸田露伴「雁坂越」青空文庫>
  3. ・・・事実また、それを揶揄し皮肉るのは、いい気持のものさ。けれども、その皮肉は、どんなに安易な、危険な遊戯であるか知らなければならぬ。なんの責任も無いんだからね。法律、制度、風俗、それがどんなに、くだらなく見えても、それが無いところには、知識も自・・・<太宰治「乞食学生」青空文庫>
  4. ・・・「葉ばかり伸びるものだから、私を揶揄なさっているのよ。ここの主人は、いい加減よ。私、ここの奥さんに気の毒なの。それや真剣に私の世話をして下さるのだけれども、私は背丈ばかり伸びて、一向にふとらないのだもの。トマトさんだけは、どうやら、実を・・・<太宰治「失敗園」青空文庫>
  5. ・・・僕は、それを揶揄、侮辱の言葉と思わなかったばかりか、ひょっとしたら僕はもう、流行作家なのかも知れないと考え直してみたりなどしたのだから、話にならない。みじめなものである。僕は酔った。惣兵衛氏を相手に大いに酔った。もっとも、酔っぱらったのは僕・・・<太宰治「水仙」青空文庫>
  6. ・・・有原も、その夜は、勝治をれいのように揶揄する事もせず、妙に考え込んで歩いていた。 老杉の陰から白い浴衣を着た小さい人が、ひょいとあらわれた。「あ、お父さん!」節子は、戦慄した。「へええ。」勝治も唸った。「散歩だ。」父は少し笑・・・<太宰治「花火」青空文庫>
  7. ・・・として起こされたいろいろの運動の試みがいわゆる前衛映画である。「アヴァンギァルドとは金にならぬ映画を作る人たちの仲間を言う」と揶揄した人がある。従来のこれらの試みは、すべてただ実験室的の意義しかないが、そういう意義においては尊重すべきもので・・・<寺田寅彦「映画芸術」青空文庫>
  8. ・・・いつか、カナダのタール教授が来て氷河に関する話をしたときなど、ペンクは色々とディスクシオンをしながら自分などにはよく分らぬ皮肉らしいことを云って相手を揶揄しながら一座を見渡してにやりとするという風であった。 ペンクの講義は平明でしかも興・・・<寺田寅彦「ベルリン大学(1909-1910)」青空文庫>
  9. ・・・ ……それで仲間の奴等時々私を揶揄いやがる。息子が死んでも日本が克った方がいいか、日本が負けても、子息が無事でいた方が好いかなんてね。莫迦にしてやがると思って、私も忌々しいからムキになって怒るんだがね。」 悼ましい追憶に生きている爺・・・<徳田秋声「躯」青空文庫>
  10. ・・・然し瞽女の噂をして彼に揶揄おうとするものは彼の年輩の者にはない。随って彼の交際する範囲は三四十代の壮者に限られて居るのである。以前奉公して居た頃も稀には若い衆に跟いて夜遊びに出ることもあった。彼も他人のするように手拭かぶって跟いて行った。帰・・・<長塚節「太十と其犬」青空文庫>
  11. ・・・それからしてジャーナリスト等は、三角関係の恋愛や情死者等を揶揄してニイチェストと呼んだ。 何故にニイチェは、かくも甚だしく日本で理解されないだらうか。前にも既に書いた通り、その理由はニイチェが難解だからである。たしかメレヂコフスキイだか・・・<萩原朔太郎「ニイチェに就いての雑感」青空文庫>
  12. ・・・ 彼女は寝台の端に腰をかけ、憤ったような揶揄うような眼付で、意地わるくじろじろ良人の顔を視た。「仰云る気がないのに、言葉が勝手にとび出したの?」「いつもいつも思っていたことが、はずみでつい出て仕舞ったのさ。僕は全く辛棒していたん・・・<宮本百合子「或る日」青空文庫>
  13. ・・・火野葦平が、文芸春秋に書いたビルマの戦線記事の中には、アメリカの空軍を報道員らしく揶揄しながら、日本の陸軍が何十年か前の平面的戦術を継承して兵站線の尾を蜒々と地上にひっぱり、しかもそれに加えて傷病兵の一群をまもり、さらに惨苦の行動を行ってい・・・<宮本百合子「歌声よ、おこれ」青空文庫>
  14. ・・・丹羽文雄氏が、放蕩はしてもよそへ子供は拵えない、何しろ子供にはかなわないからね、というようなことを、その常套性と旧い態度とに対して揶揄的高笑いをうける気づかいなしに、二十歳前後の若い女の座談会で云っていられる状態なのである。『文芸』十月・・・<宮本百合子「鴎外・漱石・藤村など」青空文庫>
  15. ・・・ 現実は豊饒、強靭であって、作家がそれに皮肉さをもって対しても、一応の揶揄をもって対しても、大概は痛烈な現実への肉迫とならず、たかだか一作家のポーズと成り終る場合が非常に多い。作家は、現実に向って飽くまで探求的であり、生のままの感受性を・・・<宮本百合子「今日の文学と文学賞」青空文庫>
  16. ・・・ 十月二十五日から三月十八日 おらおっちぬよ、そんけ乗ったら、この年で…… これは、革命後ロシアではいろんな町名が変えられ、それが大抵世界のプロレタリアート革命運動に関係のある年月日、人名などを揶揄ったレーニングラード人の笑話である。・・・<宮本百合子「スモーリヌイに翻る赤旗」青空文庫>
  17. ・・・というものは、皮肉な、揶揄めいた表現に終るのである。 夫婦の間の財産処理について、また子供らの後見者として妻、母の権限がひろくなろうとしている。孤独な母、妻である多くの婦人は、これによっていくらか家族の間における立場を改善されるであろう・・・<宮本百合子「世界の寡婦」青空文庫>
  18. ・・・の健三とその妻との内的いきさつに進むと、漱石の態度は女は度し難いと男の知的優越に立って揶揄しているどころではなくなって来ている。「行人」の一郎が妻の心の本体をわがものとして知りたいと焦慮する苦しみは、見栄も外聞も失った恐ろしい感情の真摯さで・・・<宮本百合子「漱石の「行人」について」青空文庫>
  19. ・・・ 英本国とインドとの関係、それにつれてのインド王族らに対する外交的儀礼をケムブリッジの学生らの若さが揶揄するところ、到って興が深い。更にこれらの若者が長じていつしかこの市長の役を演ずるに至るであろう過程に於て、罪なき笑劇は悲劇にかわ・・・<宮本百合子「中條精一郎の「家信抄」まえがきおよび註」青空文庫>
  20. ・・・ 勝気な女らしく潔癖なYが、気味わるげに訊くので、私はふき出し、少し揶揄いたくなった。「そんなじゃあないわ。支那へ来たと思えばよすぎる位よ。――でも――いそうね」「何が」「なんきんむし」「御免、御免! 風呂とはばの穢いの・・・<宮本百合子「長崎の印象」青空文庫>
  21. ・・・私立学校によくある通り、金持の娘達がまるで威張るのでロザリーのように学資の豊かでない、伯母のかかりうどの娘は、いろいろなことで、揶揄されたり、なぶり者にされたりしました。が、ロザリーは楽しく勉強をし、追々、人生に対して、はっきりした要求を持・・・<宮本百合子「「母の膝の上に」(紹介並短評)」青空文庫>
  22. ・・・ては、他にいくつかのことが考えられるであろうが、その一つとして、謂わば自分のうちの座敷へひとをよんでおいて、そこが自分のうちだというその場の気分的なものから妙に鼻ぱしをつよくして座談会の席上に嘲弄的、揶揄的口調を弄ぶようなことがあるとしたら・・・<宮本百合子「文学における今日の日本的なるもの」青空文庫>
  23. ・・・尚子は故意と揶揄するように、「今なら間に合う。早く塩原へ行ってらっしゃい」と云って笑った。        四 その時は釣り込まれて笑った。が、藍子は夕方小石川の二階へ帰って来て、新緑の若葉照りにつつまれて明るい山径と・・・<宮本百合子「帆」青空文庫>
  24. ・・・そのことをぺてん師の鑑定家の爺と番頭とがあくどく揶揄した。「さて、学問のあるお前のことだ。この問題を噛み分けて見な。ここに、千人の裸坊主がいる。五百人が女で、五百人が男だ。この中にアダムとエヴァがいるが、お前はどこで見分けるかい?」・・・<宮本百合子「マクシム・ゴーリキイの伝記」青空文庫>
  25. ・・・良人仙吉とは文学の階級性についても違った考えをもっていて、過去においては信州のその村へも講演に行ったりした民子が、そういうとし子の出現につれて、彼女の当惑をどちらといえば揶揄する周囲の良人・良人の友達などに対する気がね、気づかいの感情もどこ・・・<宮本百合子「村からの娘」青空文庫>
  26. ・・・叔父は宇平を若殿々々と呼んで揶揄っているのである。「はい」と云ったりよは、その晩から宇平の衣類に手を着けた。 九日にはりよが旅支度にいる物を買いに出た。九郎右衛門が書附にして渡したのである。きょうは風が南に変って、珍らしく暖いと思っ・・・<森鴎外「護持院原の敵討」青空文庫>
  27. ・・・それから寄ってたかってお蝶を揶揄ったところが、おとなしいことはおとなしくても、意気地のある、張りの強いお蝶は、佐野と云うその書生さんの身の上を、さっぱりと友達に打ち明けた。佐野さんは親が坊さんにすると云って、例の殺生石の伝説で名高い、源翁禅・・・<森鴎外「心中」青空文庫>
  28. ・・・傍に頭を五分刈にして、織地のままの繭紬の陰紋附に袴を穿いて、羽織を着ないでいる、能役者のような男がいて、何やら言ってお酌を揶揄うらしく、きゃっきゃと云わせている。 舟は西河岸の方に倚って上って行くので、廐橋手前までは、お蔵の水門の外を通・・・<森鴎外「百物語」青空文庫>
  29. ・・・と、知人は揶揄半分に私に言った。 果して安国寺さんは私との交際を絶つに忍びないので、自分の住職をしていた寺を人に譲って、飄然と小倉を去った。そして東京で私の住まう団子坂上の家の向いに来て下宿した。素と私の家の向いは崖で、根津へ続く低地に・・・<森鴎外「二人の友」青空文庫>
  30. ・・・これは十九のとき漢学に全力を傾注するまで、国文をも少しばかり研究した名残で、わざと流儀違いの和歌の真似をして、同窓の揶揄に酬いたのである。 仲平はまだ江戸にいるうちに、二十八で藩主の侍読にせられた。そして翌年藩主が帰国せられるとき、供を・・・<森鴎外「安井夫人」青空文庫>