[名・形動]《「幽」はかすか、「玄」は奥深い道理の意》
  1. 物事の趣が奥深くはかりしれないこと。また、そのさま。「—の美」「—な(の)世界

  1. 趣きが深く、高尚優美なこと。また、そのさま。

    1. 詩歌に巧みに、糸竹に妙なるは—の道、君臣これを重くす」〈徒然・一二二〉

  1. 気品があり、優雅なこと。また、そのさま。

    1. 「内裏の御ことは—にてやさやさとのみ思ひならへる人の云なるべし」〈愚管抄・四〉

  1. 中古の「もののあはれ」を受け継ぐ、中世文学芸能の美的理念の一。言葉に表れない、深くほのかな余情の美をいう。

    1. 和歌では、言外に感じられる王朝的な上品で優しくもの柔らかな情趣をいう。

    2. ㋑連歌では、艶でほのかな、言葉に表されない感覚的な境地をさしていう。後に、ものさびた閑寂な余情をもいうようになった。

    3. ㋒能楽では、初め美しく柔和な風情をさしていったが、後、静寂枯淡な風情をもいうようになった。

出典:青空文庫

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2023年12月