よ‐の‐なか【世の中】 の意味

  1. 人々が互いにかかわり合って生きて暮らしていく場。世間。社会。「世の中が騒がしくなる」「暮らしにくい世の中になる」
  1. 世間の人々の間。また、社会の人間関係。「世の中はもちつもたれつだ」
    • 「親も友達もないんです。つまり―がないんですね」〈漱石明暗
  1. 世間のならい。
    • 「病気が出るほど嫌な人でも、―にゃ勝たれないから」〈鏡花・化銀杏〉
  1. 当世。その時分。
    • 「入道殿をはじめ参らせて―におはしある人、参らぬはなかりけり」〈古本説話集・下〉
  1. 統治者の在任期間。
    • 「―かはりて後、よろづ物うくおぼされ」〈・葵〉
  1. 世間的な人望。
    • 「父殿うせ給ひにしかば、―おとろへなどして」〈大鏡・兼通〉
  1. 男女の関係。男女間の情愛。
    • 「歌はよまざりけれど、―を思ひ知りたりけり」〈伊勢・一〇二〉
  1. 人の一生。寿命。
    • 「―の今日か明日かに覚え侍りし程に」〈・柏木〉
  1. 外界のようす。あたりの自然。
    • 「秋待ちつけて、―すこし涼しくなりては」〈・御法〉
  1. 10 作物のできばえ。
    • 「播磨路の―が悪うて」〈浮・織留・五〉
  • 名詞

よ‐の‐なか【世の中】の慣用句

  1. 世の中は相持ち
    • 世の中は互いに助け合うことによって成り立つものである。
  1. 世の中は広いようで狭い
    • 思いがけず知人に会うことや、意外なつながりがあることなどのたとえにいう。
  1. 世の中は三日見ぬ間に桜かな
  1. 世の中は三日見ぬ間の桜かな
    • 大島蓼太の俳句から》世の中は、3日見ないうちに散ってしまう桜の花のようなものだ。世の中の移り変わりが激しいことのたとえ。「世の中は三日見ぬ間に桜かな」とも。
  1. よのなかごこち【世の中心地】
    • 世の中の人が多くかかる病気。流行病。疫病。よごこち。
      「―を病むと見えたり」〈今昔・一二・三五〉
  • よ‐の‐なか【世の中】の例文

    出典:青空文庫

    • ・・・広い世の中には一つくらい、わたしの主張を容れてくれる婦人雑誌もあるはずですから。

      芥川竜之介「或恋愛小説」

    • ・・・「お前は全体本当のことがこの世の中にあるとでも思っとるのか」 父は息子の融通のきかないのにも呆れるというようにそっぽを向いてしまった。

      有島武郎「親子」

    • ・・・何だって真の満足ってものは世の中に有りやしない。

      石川啄木「一利己主義者と友人との対話」