より‐どころ【拠り所/拠】 の意味

  1. 頼みとするところ。支えてくれるもの。「心の―」「生活の―を求める」
  1. ある物事が成り立つもとになるもの。根拠。「判断の―を明らかにする」
  • 名詞
  • より‐どころ【拠り所/拠】の例文

    出典:青空文庫

    • 処なく物を云うにも、今までの無遠慮に隔てのない風はなく、いやに丁寧に改まって口をきくのである。

      伊藤左千夫「野菊の墓」

    • ・・・ 喫茶店や料理店の軽薄なハイカラさとちがうこのようなしみじみとした、落着いた、ややこしい情緒をみると、私は現代の目まぐるしい猥雑さに魂の拠り所を失ったこれ等の若いインテリ達が、たとえ一時的にしろ、ここを魂の安息所として何もかも忘れて、舌・・・

      織田作之助「大阪発見」

    • ・・・の後半に至り、人物の思考が美術工芸の世界へ精神的拠り所を求めることによって肉体をはなれてしまうと、にわかに近代小説への発展性を喪失したのも、この野心的作家の出発が志賀直哉にはじまり、志賀直哉以前の肉体の研究が欠如していたからではあるまいか。

      織田作之助「可能性の文学」