出典:デジタル大辞泉(小学館)

[形][文]よろ・し[シク]《動詞「寄る」の形容詞化、または「よらし」の音変化》
  1. 《「よい」の丁寧な言い方》

    1. ㋐能力や質がすぐれているさま。程度が高い。「仕上がりはこちらが―・い」「御子息は頭が―・い」

    2. ㋑健全だ。健康だ。「気分はあまり―・くない」

    3. ㋒地位や身分が高い。また、裕福だ。「育ちが―・くていらっしゃる」

    4. ㋓有利だ。価値が高い。「この方式のほうが利率が―・い」

    5. ㋔向いている。ふさわしい。効き目がある。「客商売に―・い立地」

    6. ㋕好ましい。望ましい。「看板は目立つほうが―・い」「おとなしいお子さんで―・いですね」

    7. ㋖正しい。正当だ。善だ。「心掛けが―・い」

    8. ㋗人にやさしい。人との仲が円満だ。「お二人は本当に仲が―・いのね」

    9. ㋘吉にかなって、めでたい。「本日はお日柄も―・いようで」

  1. 《「よい」の丁寧な、また尊大ぶった言い方》許容範囲内であるさま。

    1. ㋐許可できる。「お引き取りいただいても―・いですよ」「―・い。引き受けましょう」

    2. ㋑さしつかえない。支障ない。「いつでも―・いから、一度相談に来なさい」

    3. ㋒どうでもよい。不要だ。無用だ。「私のことは―・いから、どうぞそのまま続けてください」「建て前などは―・い。本音を言いたまえ」

  1. 一応の基準に達していて、とりあえず満足しておくべき意を表す。

    1. ㋐悪くはない。まずまずだ。まあまあだ。

      「京に上りて宮仕へをせよ。―・しきやうにもならば、我をも訪へ」〈大和・一四八〉

    2. ㋑ひとまず安心できる状態である。ましだ。

      「病にしづみて久しく籠もりゐて侍りけるが、たまたま―・しくなりて」〈新古今・哀傷・詞書〉

    3. ㋒どうというほどでもない。普通だ。通常だ。平凡だ。→良い宜 (よろ) しく

      「春ごとに咲くとて、桜を―・しう思ふ人やはある」〈・三九〉

出典:青空文庫