1. 五十音図ア行の第5音。五母音の一。後舌の半閉母音。[o]

  1. 平仮名「お」は「於」の草体、片仮名「オ」は「於」の偏から変化したもの。

「表」の意の符丁和本など袋綴 (ふくろと) じにした本の表ページにあたる紙面を示す。「十五丁オ」のように片仮名で書く。⇔

  1. 動物のしりから細長く突き出た部分。魚の尾びれ、鳥の尾羽をいうこともある。しっぽ。「犬が—を垂れる」

  1. ある物の後方から、細長く伸びたり垂れたりしたもの。「凧 (たこ) の—」「彗星の—」

  1. 山裾の、なだらかに延びた部分。「山の—」

  1. 物事の終わりの部分

    1. 「永く—を引っ張る呼び声が聞こえた」〈啄木葬列

《「雄 (お) 」と同語源。「女 (め) 」に対する語》

  1. おとこ。男子

    1. 「吾が大国主汝 (な) こそは—にいませば」〈・上・歌謡

  1. おっと。

    1. 「吾 (あ) はもよ女 (め) にしあれば、汝 (な) を置 (き) て—はなし」〈・上・歌謡

  1. (「雄」「牡」とも書く)他の語の上または下に付いて複合語をつくる。

    1. 男性、または動植物のおすを表す。「—牛」「—花」「益荒 (ますら) —」

    2. ㋑一対の物のうち、大きいもの、または男性的と思われるほうのものを表す。「—岳」「—竹」

    3. ㋒おおしい、勇ましい意を表す。「—たけび」「—心」

  1. 山の高い所。みね。尾根

    1. 「—の上に降り置ける雪し風のむたここに散るらし春にはあれども」〈・一八三八〉

  1. おか。

    1. 「我が逃げのぼりし在 (あり) —の榛 (はり) の木の枝」〈・下・歌謡

「うお」が他の語と複合して変化した語。「氷— (ひお) 」

《「」と同語源か》

  1. 古名。〈和名抄

  1. 麻または苧 (からむし) の茎の繊維から作った糸。

    1. 「—を縒 (よ) りて」〈土佐

  1. 繊維をよった細長い線状のものの総称。糸やひもなど。「堪忍袋の—が切れる」

  1. 履物につけて足にかけるひも。鼻緒。「下駄 (げた) に—をすげる」

  1. 楽器や弓に張る糸。弦 (げん) 。「琴の—」

  1. 長く続くこと。また、そのもの。「息の—が絶える」

  1. 命。生命

    1. 「おのが—を凡 (おほ) にな思ひそ庭に立ち笑ますがからに駒に逢ふものを」〈・三五三五〉

[感]驚いたときや急に気がついたときに発する語。あっ。「—、あれはなんだろう」
[感]承諾応答の意を表す語。はい。
  • 「こなたにと召せば、—と、いとけざやかに聞こえて」〈・行幸〉
[助]助詞

[接頭]

  1. 名詞に付く。

    1. ㋐小さい、細かい意を表す。「—川」

    2. 語調を整えたり、表現をやわらげたりして、やさしい感じの意を表す。

      「言出 (で) しは誰が言なるか—山田の苗代水の中淀にして」〈・七七六〉

  1. 用言に付いて、少し、わずかという意を表す。「—暗い」「—やみない長雨」

[接頭]《「おん(御)」の音変化で、中世以降の成立
  1. 名詞に付く。

    1. ㋐尊敬の意を表す。相手または第三者に属するものに付いて、その所属、所有者を敬う場合と、敬うべき人に対する自己の物や行為に付いて、その対象を敬う場合とがある。「先生の—話」「—手紙を差し上げる」

    2. 丁寧に、または上品に表現しようとする気持ちを表す。「—米」

  1. 女性の名に付いて、尊敬、親しみの意を表す。「—花さん」

  1. 動詞の連用形に付く。

    1. ㋐その下に「になる」「なさる」「あそばす」「くださる」などの語を添えた形で、その動作主に対する尊敬の意を表す。「—連れになる」「—書きなさる」「—読みあそばす」「—話しくださる」

    2. ㋑その下に「する」「いたします」「もうしあげる」などの語を添えた形で、謙譲の意を表し、その動作の及ぶ相手を敬う。「—連れする」「—書きいたします」「—話しもうしあげる」

    3. ㋒その下に「いただく」「ねがう」などの語を添えた形で、相手にあることをしてもらうことをへりくだって言う。「—買い上げいただく」「—引き取りねがう」

  1. 動詞の連用形に付いて、軽い命令を表す。「用がすんだら早く—帰り」「—だまり」

  1. 動詞の連用形や形容動詞の語幹に付いて、その下に「さま」「さん」を添えた形で、相手に対する同情やねぎらい、なぐさめの気持ちを表す。「—疲れさん」「—待ち遠さま」「—気の毒さま」

  1. 形容詞・形容動詞に付く。

    1. ㋐尊敬の意を表す。「—美しい」「—元気ですか」

    2. 丁寧、または上品に表現しようとする気持ちを表す。「—寒うございます」「—りこうにしていなさい」

    3. 謙譲または卑下の意を表す。「—恥ずかしいことです」

    4. ㋓からかい、皮肉自嘲 (じちょう) などの気持ちを表す。「—高くとまっている」「—熱い仲」

[用法]お・[用法]——「お(おん・おおん)」は和語であるから「お父さん」「お早く」のように和語に付き、「ご(ぎょ)」は「御」の漢字音からできた接頭語であるから「ご父君」「ご無沙汰」のように漢語(漢字音語)に付くのが一般的である。◇話し言葉での敬語表現にも多用され、漢語意識の薄れた語では、「お+漢語(漢字音語)」も少なくない。お客、お札 (さつ) 、お産、お酌、お膳、お宅、お茶、お得です、どうぞお楽に、お礼、お椀、お菓子、お勘定、お行儀、お稽古 (けいこ) 、お化粧、お元気、お時間、お七夜、お邪魔、お正月、お食事、お歳暮、お餞別 (せんべつ) 、お達者、お知恵、お銚子、お天気、お電話、お徳用、お弁当、お帽子、お役所、お歴々など。◇「ご+和語」は数少ないが、「ごもっとも」「ごゆっくり」「ごゆるり」など多少改まった言い方で登場する。◇「—返事」「—相伴」「—丈夫」など、「お」「ご」両方が付くものもあるが、「ご」は多少改まった表現、書き言葉的表現である。◇「おビール」のような例外はあるが、「お」「ご」ともに、ふつう外来語には付かない。

あく

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