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おなじく【同じく】例文一覧 35件

  1. ・・・と同時に求馬と念友の約があった、津崎左近と云う侍も、同じく助太刀の儀を願い出した。綱利は奇特の事とあって、甚太夫の願は許したが、左近の云い分は取り上げなかった。 求馬は甚太夫喜三郎の二人と共に、父平太郎の初七日をすますと、もう暖国の桜は・・・<芥川竜之介「或敵打の話」青空文庫>
  2. ・・・文芸上の作物は巧いにしろ拙いにしろ、それがそれだけで完了してると云う点に於て、人生の交渉は歴史上の事柄と同じく間接だ、とか何んとか。それはまあどうでも可いが、とにかくおれは今後無責任を君の特権として認めて置く。特待生だよ。A 許してくれ・・・<石川啄木「一利己主義者と友人との対話」青空文庫>
  3. ・・・三人おのおの、その中三婦人の像を指し、勝手に選取りに、おのれに配して、胸を撫で、腕を圧し、耳を引く。 時に、その夜の事なりけり。三人同じく夢む。夢に蒋侯、その伝教を遣わして使者の趣を白さす。曰く、不束なる女ども、猥に卿等の栄顧を被る、真・・・<泉鏡花「一景話題」青空文庫>
  4. ・・・ と叫んで父の膝に取りついた。奈々子もあとから、「わたえもおんも、わたえもおんも」 と同じく父に取りつくのであった。自分はいつものごとくに、おんぼという姉とおんもという妹とをいっしょに背負うて、しばらく彼らを笑わせた。梅子が餌を・・・<伊藤左千夫「奈々子」青空文庫>
  5. ・・・「如何に君自身は弱くっても、君の腕はその大石軍曹と同じく、行くえが知れない程勇気があったんだ」と、僕は猪口を差した。 友人は右の手に受けて、言葉を継ぎ、「あの時の心持ちと云うたら、まだ気が落ち付いとらなんだんやさかい、今にも敵が追い・・・<岩野泡鳴「戦話」青空文庫>
  6. ・・・通称丸山軽焼と呼んでるのは初めは長崎の丸山の名物であったのが後に京都の丸山に転じたので、軽焼もまた他の文明と同じく長崎から次第に東漸したらしい。尤も長崎から上方に来たのはかなり古い時代で、西鶴の作にも軽焼の名が見えるから天和貞享頃には最う上・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  7. ・・・ 義き事のために責めらるる者は福なり、其故如何となれば、心の貧しき者と同じく天国は其人の有なれば也、現世に在りては義のために責められ、来世に在りては義のために誉めらる、単に普通一般の義のために責めらるるに止まらず、更に進んで天国と其義の・・・<内村鑑三「聖書の読方」青空文庫>
  8. ・・・ 人間が、この地上に現われた時より、同じく、憧憬は、生れた。南から北へ、北から南へと、彼等は、相呼びかわしながら、はて知られぬ旅へと上った。何ものを求めるのか、彼等自からにさえ分らないことであったろう。しかし、これを押しつめて言えば、真・・・<小川未明「彼等流浪す」青空文庫>
  9. ・・・娘は終にその俳優の胤を宿して、女の子を産んだそうだが、何分にも、甚だしい難産であったので、三日目にはその生れた子も死に、娘もその後産後の日立が悪るかったので、これも日ならずして後から同じく死んでしまったとの事だ。こんな事のあったとは、彼は夢・・・<小山内薫「因果」青空文庫>
  10. ・・・ しかし、二七日の夜、追悼浄瑠璃大会が同じく日本橋クラブの二階広間で開かれると、お君は赤ん坊を連れて姿を見せ、校長が語った「紙治」のサワリで、ぱちぱちと音高く拍手した。手を顔の上にあげ、人眼につき、ひとびとは顔をしかめた。軽部の同僚の若・・・<織田作之助「雨」青空文庫>
  11. ・・・誰か同じく脚に傷を負って、若くは腹に弾丸を有って、置去の憂目を見ている奴が其処らに居るのではあるまいか。唸声は顕然と近くにするが近処に人が居そうにもない。はッ、これはしたり、何の事た、おれおれ、この俺が唸るのだ。微かな情ない声が出おるわい。・・・<著:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ 訳:二葉亭四迷「四日間」青空文庫>
  12. ・・・ある時には自分が現在、広大な農園、立派な邸宅、豊富な才能、飲食物等の所有者であるような幻しに浮かされたが、また神とか愛とか信仰とかいうようなことも努めて考えてみたが、いずれは同じく自分に反ってくる絶望苛責の笞であった。そして疲れはてては咽喉・・・<葛西善蔵「贋物」青空文庫>
  13. ・・・そのときK君も早起きしたのか、同じくやって来ました。そして、ちょうど太陽の光の反射のなかへ漕ぎ入った船を見たとき、「あの逆光線の船は完全に影絵じゃありませんか」 と突然私に反問しました。K君の心では、その船の実体が、逆に影絵のように・・・<梶井基次郎「Kの昇天」青空文庫>
  14. ・・・中学に入っても二人は画を書くことを何よりの楽にして、以前と同じく相伴うて写生に出掛けていた。 この某町から我村落まで七里、もし車道をゆけば十三里の大迂廻になるので我々は中学校の寄宿舎から村落に帰る時、決して車に乗らず、夏と冬の定期休業ご・・・<国木田独歩「画の悲み」青空文庫>
  15. ・・・ 倫理学の根本問題と倫理学史とを学ぶときわれわれは人間存在というものの精神的、理性的構造に神秘の感を抱くとともに、その社会的共同態の生活事実の人間と起源を同じくする制約性を承認せずにはいられない。それとともに人間生活の本能的刺激、生活資・・・<倉田百三「学生と教養」青空文庫>
  16. ・・・しかしながら、その多くは日清戦争当時と同じく、真面目な文学的努力になるものではなかった。この十年間に、文学運動の上では、言文一致の提唱とその勝利があったが、そしてそれは、より直接的に社会生活を反映し得る手段を整えたものと云い得るのだが、作品・・・<黒島伝治「明治の戦争文学」青空文庫>
  17. ・・・ 浄瑠璃の行われる西の人だったから、主人は偶然に用いた語り物の言葉を用いたのだが、同じく西の人で、これを知っていたところの真率で善良で忠誠な細君はカッとなって瞋った。が、直にまた悲痛な顔になって堪え涙をうるませた。自分の軽視されたという・・・<幸田露伴「鵞鳥」青空文庫>
  18. ・・・細そりとしたるが矢飛白の袖夕風に吹き靡かすを認めあれはと問えば今が若手の売出し秋子とあるをさりげなく肚にたたみすぐその翌晩月の出際に隅の武蔵野から名も因縁づくの秋子をまねけば小春もよしお夏もよし秋子も同じくよしあしの何はともあれおちかづきと・・・<斎藤緑雨「かくれんぼ」青空文庫>
  19. ・・・につつみをしょってかけ出した人も、やがて往来が人一ぱいで動きがとれなくなり、仕方なしに荷をほうり出す、むりにせおってつきぬけようとした人も、その背中の荷物へ火の子がとんでもえついたりするので、つまりは同じく空手のまま、やっとくぐりぬけて来た・・・<鈴木三重吉「大震火災記」青空文庫>
  20. ・・・即ち一つの王国をもって之を支配し、神と同じく召使たちをもっている。悪鬼どもが彼の手下である。その国が何処にあるかは明瞭でない。天と地との中間のようでもあり、天の処という場所か、または、地の底らしくもある。とにかく彼は此の地上を支配し、出来る・・・<太宰治「誰」青空文庫>
  21. ・・・ それもいい、けれど捕えられた暁には、この上もない汚名をこうむったうえに同じく死! さればとて前進すれば必ず戦争の巷の人とならなければならぬ。戦争の巷に入れば死を覚悟しなければならぬ。かれは今始めて、病院を退院したことの愚をひしと胸に思い当・・・<田山花袋「一兵卒」青空文庫>
  22. ・・・というのを見物した。同じく評判のドイツ映画「青い天使」のすぐあとでこのフランス的なるフランス映画を見たことは望外のおもしろい回り合わせであった。さもしい譬喩ではあるが、言わばビフテキのあとで良いサラダを食ったような感じがある。あるいはまたド・・・<寺田寅彦「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」青空文庫>
  23. ・・・ くさりを切らした洋装の娘が断髪を風に吹きなびかして、その犬のあとを追いかけて同じく榛の木の土堤上に現われたのも善ニョムさんは、わからなかった。 赤白マダラの犬は、主人の呼声を知らぬふりで飛び跳ねながら、並樹土堤から、今度は一散に麦・・・<徳永直「麦の芽」青空文庫>
  24. ・・・先生の大学を卒業せられたのは明治十七年であったので、即春の家主人が当世書生気質に描き出されたものと時代を同じくしているわけである。小説雁の一篇は一大学生が薄暮不忍池に浮んでいる雁に石を投じて之を殺し、夜になるのを待ち池に入って雁を捕えて逃走・・・<永井荷風「上野」青空文庫>
  25. ・・・中味を棄てて輪廓だけを畳み込むのは、天保銭を脊負う代りに紙幣を懐にすると同じく小さな人間として軽便だからである。 この意味においてイズムは会社の決算報告に比較すべきものである。更に生徒の学年成績に匹敵すべきものである。僅一行の数字の裏面・・・<夏目漱石「イズムの功過」青空文庫>
  26. ・・・エスさんも自分と同じくユンケル氏の所へ招れて来ているのだと思い込んでいた。それにしてもユンケル氏が出て来ないのを不思議に思い、エスさんに尋ねて見ると、自分は全く家を間違っていたのであった。 昨年の秋、十数年ぶりに金沢へ帰って見た。小立野・・・<西田幾多郎「アブセンス・オブ・マインド」青空文庫>
  27.  書物に於ける装幀の趣味は、絵画に於ける額縁や表装と同じく、一つの明白な芸術の「続き」ではないか。彼の画面に対して、あんなにも透視的の奥行きをあたへたり、適度の明暗を反映させたり、よつて以てそれを空間から切りぬき、一つの落付・・・<萩原朔太郎「装幀の意義」青空文庫>
  28. ・・・ 深谷は、昨夜と同じく何事もないように、ベッドに入ると五分もたたないうちに、軽い鼾をかき始めた。「今夜はもう出ないのかしら」と、安岡は失望に似た安堵を感じて、ウトウトした。 と、また、昨夜と同じ人間の体温を頬の辺りに感じた。・・・<葉山嘉樹「死屍を食う男」青空文庫>
  29. ・・・我昆姉と同じくすべし。 兄公女公に敬礼を尽して舅姑の感情を傷わず、と睦じくして夫の兄嫂に厚くするは、家族親類に交わるの義務にして左もある可きことなれども、夫の兄と嫂とは元来骨肉の縁なきものなるに、之を自分の実の昆姉同様にせよとは・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
  30. ・・・正直の理想にも叶って居らん……と思うものの、また一方では、同じく「正直」から出立して、親の臑を噛っているのは不可、独立独行、誰の恩をも被ては不可、となる。すると勢い金が欲しくなる。欲しくなると小説でも書かなければならんがそいつは芸術に対して・・・<二葉亭四迷「予が半生の懺悔」青空文庫>