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かい‐ぎょう〔‐ゲフ〕【開業】例文一覧 19件

  1. ・・・「うん、ここに開業している。」 譚永年は僕と同期に一高から東大の医科へはいった留学生中の才人だった。「きょうは誰かの出迎いかい?」「うん、誰かの、――誰だと思う?」「僕の出迎いじゃないだろう?」 譚はちょっと口をすぼ・・・<芥川竜之介「湖南の扇」青空文庫>
  2. ・・・随分おてんばさんで、二階の屋根づたいに隣の間へ、ばア――それよりか瓦の廂から、藤棚越しに下座敷を覗いた娘さんもあるけれど、あの欄干を跨いだのは、いつの昔、開業以来、はじめてですって。……この娘。……御当人、それで巌飛びに飛移って、その鯉をい・・・<泉鏡花「貝の穴に河童の居る事」青空文庫>
  3. ・・・鮮の姉が肺をわずらって最寄りの医者に書いてもらっていた処方箋を、そっくりそのまま真似てつくったときくからは、一応うなずけもしたが、それにしてもそれだけの見聞でひとかどの薬剤師になりすまし、いきなり薬屋開業とは、さすがにお前だと、暫らく感嘆し・・・<織田作之助「勧善懲悪」青空文庫>
  4. ・・・学生街なら、たいして老舗がついていなくても繁昌するだろうと、あちこち学生街を歩きまわった結果、一高が移転したあとすっかりはやらなくなって、永い間売りに出ていた本郷森川町の飯屋の権利を買って、うどん屋を開業した。 はじめはかなり客もあった・・・<織田作之助「雪の夜」青空文庫>
  5. ・・・ 母と妹とは自分達夫婦と同棲するのが窮屈で、赤坂区新町に下宿屋を開業。それも表向ではなく、例の素人下宿。いやに気位を高くして、家が広いから、それにどうせ遊んでいる身体、若いものを世話してやるだけのこと、もっとも性の知れぬお方は御免被ると・・・<国木田独歩「酒中日記」青空文庫>
  6. ・・・ この別荘がいくらか住まわれるように成って、入口に自然木の門などが建った頃には、崖下の浴場でもすっかり出来上るのを待たないで開業した。別に、崖の中途に小屋を建てて、鉱泉に老を養おうとする隠居さん夫婦もあった。 春の新学年前から塾では・・・<島崎藤村「岩石の間」青空文庫>
  7. ・・・折角伜がそう言ってよこして、新しく開業した食堂を母に見せたいと言うのだから。 お三輪は震災後の東京を全く知らないでもない。一度、新七に連れられて焼跡を見に上京したこともある。小竹とした暖簾の掛っていたところは仮の板囲いに変って、ただ礎ば・・・<島崎藤村「食堂」青空文庫>
  8. ・・・し蓄えも出来ましたので、いまのあの中野の駅ちかくに、昭和十一年でしたか、六畳一間に狭い土間附きのまことにむさくるしい小さい家を借りまして、一度の遊興費が、せいぜい一円か二円の客を相手の、心細い飲食店を開業いたしまして、それでもまあ夫婦がぜい・・・<太宰治「ヴィヨンの妻」青空文庫>
  9. ・・・昭和通りに二つ並んで建ちかかっている大ビルディングの鉄骨構造をねらったピントの中へ板橋あたりから来たかと思う駄馬が顔を出したり、小さな教会堂の門前へ隣のカフェの開業祝いの花輪飾りが押し立ててあったり、また日本一モダーンなショーウィンドウの前・・・<寺田寅彦「カメラをさげて」青空文庫>
  10. ・・・ それから三月ほど後に、再びここを通ってみたら、いつの間にか、バラックが出来上がって、開業していた。這入ってみると、すべてが昔とはまるでちがった感じを与えた。よく拭き込んだ板敷の床は凸凹だらけの土間に変り、鏡の前に洋酒の並んだラック塗り・・・<寺田寅彦「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」青空文庫>
  11. ・・・例えば明石なら明石に医学博士が開業する、片方に医学士があるとする。そうすると医学博士の方へ行くでしょう。いくら手を叩いたって仕方がない、ごまかされるのです。内情を御話すれば博士の研究の多くは針の先きで井戸を掘るような仕事をするのです。深いこ・・・<夏目漱石「道楽と職業」青空文庫>
  12. ・・・可憐なる彼ら――可憐は取消そう二人とも可憐という柄ではない――エー不憫なる――憫然なる彼らはあくまでも困難と奮戦しようという決心でついに下宿を開業した。その開業したての煙の出ているところへ我輩は飛び込んだのである。飛び込んでからだんだん事情・・・<夏目漱石「倫敦消息」青空文庫>
  13. ・・・ わずかに医学の初歩を学び得るときは、あるいは官途に奉職し、あるいは開業して病家に奔走し、奉職、開業、必ずしも医士の本意に非ざるも、糊口の道なきをいかんせん。口を糊せんとすれば、学を脩むるの閑なし、学を脩めんとすれば、口を糊するを得ず。・・・<福沢諭吉「学問の独立」青空文庫>
  14. 時  一九二〇年代処  盛岡市郊外人物 爾薩待 正  開業したての植物医師ペンキ屋徒弟農民 一農民 二農民 三農民 四農民 五農民 六幕あく。粗末なバラ・・・<宮沢賢治「植物医師」青空文庫>
  15. ・・・     べこべこ三味線 お座つき香に迷うがすんだら 都々逸 下諏訪らしい広告   御待合開業  今回各位の御同情により二月十八日より  御待合並にうどん店 開業致し親切丁寧を旨として大勉強仕候間御引立の・・・<宮本百合子「一九二七年春より」青空文庫>
  16. ・・・その時分、一番早く一本だちになって開業した女医さんである一人の仲間が、そういう場合、よくみんなのために尽力した。 十年が経ってゆくうちに、或るひとは結婚し、或る人は専門の職業で確立し、或るひとは更にこれまでの職業から、個性のより大きく生・・・<宮本百合子「図書館」青空文庫>
  17. ・・・山岸敬明が輪タクを開業するとき十万円ほどの資本を出して株主となったのがもとの賀陽宮、いまの賀陽恒憲だったそうです。 荒物店でもひらくなら十万円という金はもとの千円として何かの役にたつでしょう。けれども輪タク一台いくらすると思って? 田舎・・・<宮本百合子「ファシズムは生きている」青空文庫>
  18. ・・・    御待合開業 今回各位の御同情により三月一日より   御待合並にうどん店 開業いたし親切丁寧を旨として大勉強仕候間御引立の程願上候  うどん/きそば御待合入仙・・・<宮本百合子「町の展望」青空文庫>
  19.  父が開業をしていたので、花房医学士は卒業する少し前から、休課に父の許へ来ている間は、代診の真似事をしていた。 花房の父の診療所は大千住にあったが、小金井きみ子という女が「千住の家」というものを書いて、委しくこの家の事を・・・<森鴎外「カズイスチカ」青空文庫>