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こう‐かい〔‐クワイ〕【後悔】例文一覧 30件

  1. ・・・俺は勿論後悔した。同時にまた思わず噴飯した。とにかく脚を動かす時には一層細心に注意しなければならぬ。……」 しかし同僚を瞞着するよりも常子の疑惑を避けることは遥かに困難に富んでいたらしい。半三郎は彼の日記の中に絶えずこの困難を痛嘆してい・・・<芥川竜之介「馬の脚」青空文庫>
  2. ・・・だから僕は結婚後、僕等の間の愛情が純粋なものでない事を覚った時、一方僕の軽挙を後悔すると同時に、そう云う僕と同棲しなければならない妻も気の毒に感じたのだ。僕は君も知っている通り、元来体も壮健じゃない。その上僕は妻を愛そうと思っていても、妻の・・・<芥川竜之介「開化の良人」青空文庫>
  3. ・・・彼れの後悔しているものは博奕だけだった。来年からそれにさえ手を出さなければ、そして今年同様に働いて今年同様の手段を取りさえすれば、三、四年の間に一かど纏まった金を作るのは何でもないと思った。いまに見かえしてくれるから――そう思って彼れは冬を・・・<有島武郎「カインの末裔」青空文庫>
  4. ・・・そうと心づいた予は実に父の生前石塔をつくったというについて深刻に後悔した。なぜこんなばかなことをやったのであろうか、われながら考えのないことをしたものかなと、幾度悔いても間に合わなかった。それより四カ月とたたぬうちに父は果たして石塔の主人と・・・<伊藤左千夫「紅黄録」青空文庫>
  5. ・・・正直な満蔵は真から飛んだ事を言ってしまったとの後悔が、隠れなく顔にあらわれる。満蔵が正直あふれた無言の謝罪には、母もその上しかりようないが、なお母は政さんにもそれと響くよう満蔵に強く念を押す。「ねい満蔵、ちょっとでもそんなうわさを立てら・・・<伊藤左千夫「隣の嫁」青空文庫>
  6. ・・・しまったと後悔したのは、出口の障子をつい烈しくしめたことだ。 きょうは早く行って、あの男またはその他の人に呼ばれないうちに、吉弥めをあげ、一つ精一杯なじってやろうと決心して、井筒屋へ行った。湯から帰ってすぐのことであった。「叔母さん・・・<岩野泡鳴「耽溺」青空文庫>
  7. ・・・ そしてその夜は、後悔しました。 あの大事な笛を割ってしまって、とりかえしがつかなかったからです。 あくる日の昼ごろ、二郎は砂山へいって、昨日笛を吹いたところにきてみました。 するとそこには、いろいろの草が、一夜のうちに花を・・・<小川未明「赤い船のお客」青空文庫>
  8. ・・・いや、私のような平凡な男がどんな風に育ったかなどという話は、思えばどうでもいいことで、してみると、もうこれ以上話をしてみても始まらぬわけだと、今までの長話も後悔されてきます。しかし、それもお喋りな生れつきの身から出た錆、私としては早く天王寺・・・<織田作之助「アド・バルーン」青空文庫>
  9. ・・・次の本屋へ行っては先刻の本屋で買わなかったことを後悔した。そんなことを繰り返しているうちに自分はかなり参って来た。郵便局で葉書を買って、家へ金の礼と友達へ無沙汰の詫を書く。机の前ではどうしても書けなかったのが割合すらすら書けた。 古本屋・・・<梶井基次郎「泥濘」青空文庫>
  10. ・・・「私も今一度で可いから是非お目にかかりたいと思いつづけては、彼晩の事を思い出して何度泣いたか知れません、……ほんとにお嫁になど行かないで兄さんや姉さんを手伝った方が如何なに可かったか今では真実に後悔していますのよ。」 大友は初めてお・・・<国木田独歩「恋を恋する人」青空文庫>
  11. ・・・彼は、受取ったすぐ、その晩――つまり昨夜、旧ツアー大佐の娘に、毎月内地へ仕送る額と殆ど同じだけやってしまったことを後悔していた。今日戦争に出ると分っていりゃ、やるのではなかった。あれだけあれば、妻と老母と、二人の子供が、一ヵ月ゆうに暮して行・・・<黒島伝治「橇」青空文庫>
  12. ・・・仮令贋物にしましたところで、手前の方では結構でございます、頂戴致して置きまして後悔はございません」とやり返した。「そんなにこちらの言葉を御信用がないならば、二つの鼎を列べて御覧になったらば如何です」と一方はいったが、それでも一方は信疑相半し・・・<幸田露伴「骨董」青空文庫>
  13. ・・・おげんがそれを自分の手で始末しないばかりに心配して、旦那の行末の楽みに再びこの地方へと引揚げて来た頃は、さすが旦那にも謹慎と後悔の色が見えた。旦那の東京生活は結局失敗で、そのまま古い小山の家へ入ることは留守居の大番頭に対しても出来なかった。・・・<島崎藤村「ある女の生涯」青空文庫>
  14. ・・・それを拾うと、あとで後悔しなければなりませんよ。」と言いました。で、またそのままにして通りすぎましたが、しばらくするとまた一本、前の二つよりも、もっときれいなのが落ちていました。馬はやっぱり、「およしなさい、およしなさい。」と言いました・・・<鈴木三重吉「黄金鳥」青空文庫>
  15. ・・・そして今になっては後悔しているのでしょう。ところで御覧の通りわたしは引き下がらずにいるわ。わたしだって亭主を持つのに人の好かない男を持たなくてはならないというわけはないわ。兎に角考えて見れば、どうもわたしの方が勝っているようだわ。わたしの食・・・<著:ストリンドベリアウグスト 訳:森鴎外「一人舞台」青空文庫>
  16. ・・・くだらない手紙を差し上げた事を、つくづく後悔しはじめたのです。出さなければよかった。取返しのつかぬ大恥をかいた。たった一夜の感傷を、二十年間の秘めたる思いなどという背筋の寒くなるような言葉で飾って、わあっ! 私は、鼻持ちならぬ美文の大家です・・・<太宰治「風の便り」青空文庫>
  17. ・・・若い青年時代をくだらなく過ごして、今になって後悔したとてなんの役にたつ、ほんとうにつまらんなアと繰り返す。若い時に、なぜはげしい恋をしなかった? なぜ充分に肉のかおりをも嗅がなかった? 今時分思ったとて、なんの反響がある? もう三十七だ。こ・・・<田山花袋「少女病」青空文庫>
  18. ・・・今さら後悔しても駄目である。幸にも国にはまだ憲法が無い。その代りには、どこへ行って見ても、穴くらい幾らでもある。溝も幾らもある。よしや襟飾を棄てる所は無いにしても、襟くらい棄てる所は幾らもある。 日が暮れた。熱が出て、悪寒がする。幻覚が・・・<著:ディモフオシップ 訳:森鴎外「襟」青空文庫>
  19. ・・・若い時分に大酒をのんで無茶な不養生をすれば頭やからだを痛めて年取ってから難儀することは明白でも、そうして自分にまいた種の収穫時に後悔しない人はまれである。 大津波が来るとひと息に洗い去られて生命財産ともに泥水の底に埋められるにきまってい・・・<寺田寅彦「災難雑考」青空文庫>
  20. ・・・窃に思うにわたくしの父と母とはわたくしを産んだことを後悔しておられたであろう。後悔しなければならないはずである。わたくしの如き子がいなかったなら、父母の晩年はなお一層幸福であったのであろう。 父と母とは自分たちのつくったものが、望むよう・・・<永井荷風「西瓜」青空文庫>
  21. ・・・男もこれほど女の赤心が眼の前へ証拠立てられる以上、普通の軽薄な売女同様の観をなして、女の貞節を今まで疑っていたのを後悔したものと見えて、再びもとの夫婦に立ち帰って、病妻の看護に身を委ねたというのがモーパサンの小説の筋ですが、男の疑も好い加減・・・<夏目漱石「現代日本の開化」青空文庫>
  22. ・・・あれをしたらばよかった、これをしたらよかったなど、思うて返らぬ事ながら徒らなる後悔の念に心を悩ますのである。しかし何事も運命と諦めるより外はない。運命は外から働くばかりでなく内からも働く。我々の過失の背後には、不可思議の力が支配しているよう・・・<西田幾多郎「我が子の死」青空文庫>
  23. ・・・と私は後悔したもんだ。私にとっては、スパイを蹴飛ばしたのは悪くはないんだが、監獄にまたぞろ一月を経たぬ中、放り込まれることが善くないんだ。 いいと思うことでも、余り生一本にやるのは考えものだ。損得を考えられなくなるまで追いつめられた奴の・・・<葉山嘉樹「牢獄の半日」青空文庫>
  24. ・・・固よりいろいろに苦んで居たに違いないけれど、しかしその苦痛の中に前非を後悔するという苦痛のない事はたしかだ。感情的お七に理窟的後悔が起る理由がない。火を付けたのは、しようかせまいかと考えてしたのではなく、恋のためには是非ともしなくてはならぬ・・・<正岡子規「恋」青空文庫>
  25. ・・・葉子が自分の死の近いことを知った時、自分の二十六年の生涯を顧みて、それは間違いであった、だが、誰の罪だか分らないけれども後悔がある、出来るだけ生きてる中にそれを償わなければならない、という意味の述懐をしている。そして、木村との関係、倉知との・・・<宮本百合子「「或る女」についてのノート」青空文庫>
  26. ・・・実は宮沢が後悔して、僕にあんまり精しく話したもんだから、僕の話もつい精しくなったのだ。跡は端折って話すよ。しかしも一つ具体的に話したい事がある。それはこうなのだ。下女がある晩、お休なさいと云って、隣の間へ引き下がってから、宮沢が寐られないで・・・<森鴎外「独身」青空文庫>
  27. ・・・女の方が何かをひどく古い事のように言うのは、それを悪い事だったと思って後悔した時に限るようですからね。つまり別に分疏がなくって、「時間」に罪を背負わせるのですね。貴夫人。まあ、感心。男。何が感心です。貴夫人。だって旨く当りました・・・<著:モルナールフェレンツ 訳:森鴎外「辻馬車」青空文庫>
  28. ・・・十 安次の小屋が組から建てられることに定ったと知ったとき、勘次は母親をその夜秋三の家へ送ったことを後悔した。しかし、今はもうその方が何方にとっても得策であるに拘らず、強いてそれを打ち壊してまでも自分は自分の博愛を秋三に示さね・・・<横光利一「南北」青空文庫>
  29. ・・・この詞を、フィンクは相手の話を遮るように云って、そして心のうちでは、また下らないことを云ったなと後悔した。「ええ。わたくしはまだ若うございます。」女はさっぱりと云った。そしてそう云いながら微笑んだらしく思われた。それからこう云った。「そ・・・<著:リルケライネル・マリア 訳:森鴎外「白」青空文庫>
  30. ・・・ 私はすぐ口をつぐみました。後悔がひどく心を噛み始めました。人を裁くものは自分も裁かれなければならない。私はあの人を少しでもよくしなければならない立場にありながら、あの人に対する自分の悪感のみを表わしたのです。私の悪感は彼をますます悪く・・・<和辻哲郎「ある思想家の手紙」青空文庫>