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こう‐はん【公判】例文一覧 30件

  1. ・・・呆れていると、私に阿部定の公判記録の写しを貸してくれというのである。「世相」という小説でその公判記録のことを書いたのを知っていたのであろう。私は「世相」という小説はありゃみな嘘の話だ、公判記録なんか読んだこともない、阿部定を妾にしていた天ぷ・・・<織田作之助「可能性の文学」青空文庫>
  2. ・・・ しかし、私は阿部定の公判記録の写しをひそかに探していた。物好きな弁護士が写して相当流布していると聴いたからである。が、幸か不幸か公判記録の持主にめぐり会うことは出来なかった。そして空しく七年が過ぎて殆ど諦めかけていたある日、遂にそれを・・・<織田作之助「世相」青空文庫>
  3. ・・・その公判すら傍聴を禁止された今日にあっては、もとより、十分にこれをいうの自由はもたぬ。百年ののち、たれかあるいはわたくしに代わっていうかも知れぬ。いずれにしても、死刑そのものはなんでもない。 これは、放言でもなく、壮語でもなく、かざりの・・・<幸徳秋水「死刑の前」青空文庫>
  4. ・・・お君はフト電信柱に、「共産党の公判が又始まるぞ。ストライキとデモで我等の前衛を奪カンせよ!」と書かれているビラを見た。ストライキとデモで……お君は口の中でくりかえして見た……我等の前衛を奪カンせよ。――日本中の工場がみんなその為にストライキ・・・<小林多喜二「父帰る」青空文庫>
  5. ・・・「二年も前に入っている三・一五の連中さえまだ公判になっていないんだから、順押しに行くと随分長くなるぜ。」 俺はその時、フト硝子戸越しに、汚い空地の隅ッこにほこりをかぶっている、広い葉を持った名の知れない草を見ていた。四方の建物が高い・・・<小林多喜二「独房」青空文庫>
  6. ・・・ 公判はこの九月から始まった。公判のことについては、その大体はもうお前も知っていることだから、詳しくは書かない。「共産党被告中の紅一点!」というので、毎日新聞がお前の妹のことをデカ/\と書いた。検事の求刑は山崎が三年、お前の妹が二年・・・<小林多喜二「母たち」青空文庫>
  7. ・・・たとえば議会や公判の筆記でも、それが忠実なものなら、すべての人の何かの参考になり、少なくも心理学者の研究材料ぐらいにはなる事が多い。それで日刊廃止の場合にこれに代わるべきものの社会記事はできるだけ純客観的で科学的であってほしい。そういう意味・・・<寺田寅彦「一つの思考実験」青空文庫>
  8. ・・・「今日は何時に公判の運びになっているか。」「本日もやはり晩の七時から二件だけございます。」「そうか。よろしい。それでは今朝は八時から世界長に挨拶に出よう。それからすぐ巡視だ。みんなその支度をしろ。」「かしこまりました。」・・・<宮沢賢治「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」青空文庫>
  9. ・・・めの強国間の協力、アメリカの公務員法案であるタフト・ハートレー法の撤廃、物価の引下げ、人種的差別の撤廃その他を主張して当選したとき、日本では全人民の生活を破壊したさきの侵略戦争共同謀議者二十五名の判決公判が開かれたのであった。荒木をはじめと・・・<宮本百合子「新しい潮」青空文庫>
  10.  先だっての新聞は元新興キネマの女優であった志賀暁子が嬰児遺棄致死の事件で、公判に附せられ、検事は実刑二年を求刑した記事で賑わいました。出廷する暁子として、写真も大きく載せられ、裁判所は此一人の女優の生涯に起った悲しい出来事・・・<宮本百合子「「女の一生」と志賀暁子の場合」青空文庫>
  11. ・・・檄はマルクスと二人の同志とを叛逆罪として起訴する種に使われた。公判の結果、一同無罪となった。 これはイエニーにとって貴重な経験であった。良人カールとその同志たちの行動は「実に犯してよい行動、本来からいえばブルジョアジーの果すべき義務であ・・・<宮本百合子「カール・マルクスとその夫人」青空文庫>
  12.  三月十五日は三・一五の記念日だから共産党の公判を傍聴に行こうとお友達○○○さんに誘われました。わたしはこれまで新聞で公判のことをときどき読んでいましたが、どうもよく本当の様子が分りませんでした。正直に云うとこわいもの見たさ・・・<宮本百合子「共産党公判を傍聴して」青空文庫>
  13. ・・・ それより前には、志賀暁子の嬰児遺棄致死罪についての公判記事が写真入りでのっており、又、解雇されたことを悲しんで省電に飛び込み自殺をしかけて片脚を失った少女の写真があった。新潟から身売娘が三十人一団となって上京した写真も目にのこっている・・・<宮本百合子「暮の街」青空文庫>
  14. ・・・三月二十四日に予審が終った時、私は外に出たら何よりも先にあなたのところへ出かけてゆき、過去一年間の様々の経験の中から積み重ねた成長の花束を見せて上げたい、見て欲しいと思っていたのですが、公判がすまないうちは面会も手紙も許可されぬ由。其で、こ・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  15. ・・・大泉という人の公判調書二通が一番新しい分です。おや、ここに小さい字があって、九月三日に五十三円もらったと書いてありました、奥さんの字よ。 輝ちゃんの毛糸のことは本当にいい思い付きです。あなたのジャケツは私の唯一の避難用下着だから、私ので・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  16. ・・・河合栄治郎の公判記録が、『自由に死す』というパンフレットになって刊行された。彼のような穏当な学究さえも彼の理性が超国家主義と絶対主義に服従しないで立っているという理由で起訴され裁判された。河合栄治郎が学者としての良心の最低線を守ろうとした抵・・・<宮本百合子「五〇年代の文学とそこにある問題」青空文庫>
  17. ・・・ 今年の前半は去年から引続き三鷹事件の公判が続くでしょう。この公判には組合の人々も都合して一人でも多く傍聴する必要があります。検事が不当な取調べをしたと云う事は公判第一日から五回迄の陳述の中に、ハッキリ述べられています。林弁護人の陳述の・・・<宮本百合子「今年こそは」青空文庫>
  18. ・・・いま公判がひらかれている吉村隊長が、外蒙の日本人捕虜収容所のボスとして行った残虐と背徳行為が社会問題化したのは、「暁に祈る」という怪奇なテーマをもつ記録文学がいくとおりか発表され、輿論の注目をひいたためであった。現地の軍当局の信じられないほ・・・<宮本百合子「ことの真実」青空文庫>
  19. ・・・ 暮から東京裁判はA級被告東條英機の公判に入った。ところがこの頃、わたしたちは、電車の中で折々どういう言葉をきくだろう。さすが東條だ、という声がある。えらい、と云われている声さえある。新聞は東條に再び人気が出たと書いている。これは、私た・・・<宮本百合子「砂糖・健忘症」青空文庫>
  20. ・・・そして、日大ギャング事件の山際・左文の公判記事は、大きく写真入りで扱われている。 信濃教育会教育研究所が、小学生の行動について父兄が問題だと考える点を調査したら、「無作法」各学年を通じて七〇%、「根気がない」三年七六%、六年七三%、・・・<宮本百合子「修身」青空文庫>
  21. ・・・ 私は、一人の妻として計らずもこの事件の公判の傍聴者であり目撃者であった。一九四〇年春ごろから非転向の人たちだけの統一公判がはじまった。事件のあった時から足かけ八年目である。 転向を表明した人々の公判が分離して行われ、大泉兼蔵の公判・・・<宮本百合子「信義について」青空文庫>
  22. ・・・ところがあの事件で牢へまで入ることになったがあれの態度は公判のときもなかなか立派であった。牢へ入ろうが どうしようが、ゆるがぬ決心が見られた。これが私には分らぬ。御承知の通り、あれは中学をずっと一番で卒業した。大学でもよい方だった。あれだけ・・・<宮本百合子「一九二九年一月――二月」青空文庫>
  23. ・・・法学博士で大臣だった三土忠造でさえ、一九二九年か三〇年ごろ涜職事件で検挙投獄され、公判廷で奮闘して無罪を証明したあとで『幽囚記』という本をかいた。その中で政治的な事件の本質と、検事のとりしらべの強権にふれている。 三鷹事件が、多くの良識・・・<宮本百合子「それに偽りがないならば」青空文庫>
  24. ・・・帝政時代のロシアの裁判所の公判廷に、客を殺した一人の売笑婦として、カチューシャがひき出されて来る。貴族の陪審員として、偶然、その日の公判に臨席していたネフリュードフが、シベリア流刑を宣告されたそのカチューシャという売笑婦こそ、むかし若かった・・・<宮本百合子「動物愛護デー」青空文庫>
  25. ・・・六月。公判、懲役〔二〕年、執行猶予〔四〕年を言い渡された。予審と公判とを通じて私は文学の階級性を主張することができなかった。七月。保護観察所によって保護観察に附せられた。警視庁の特高課長であった毛利基が主事をしていた。毛利基は宮本の・・・<宮本百合子「年譜」青空文庫>
  26. ・・・ 十月十日 甘粕事件 公判開始 十月二十日 白菊の盛、蠅多き秋○国男折角来たのに「居たって何にもなりゃしない」 翌年 仕事をし始める。 四月十一日 伊太利亜の古陶、心の河、それをしまって野上さんのところへ・・・<宮本百合子「「伸子」創作メモ(二)」青空文庫>
  27. ・・・ 自立会へ行った翌々日、卓の上に飾っていた牧子からの白い小菊の水をとりかえていると、臥ている重吉が、彼の公判に関係のある古い書類を出すように云った。「在るんだろう?」「それはとってあるわ」 そう云いながら、余りしまいこんでい・・・<宮本百合子「風知草」青空文庫>
  28. ・・・したひとたちは、公判にでもでればすべて明らかになると信じて「一応自白」したのかも知れませんが、一般の人々はもっとしっかりしていたたよりになる指導者だとおもっていた労働者が、やりもしないことを「自白」したという態度そのものに疑問を感じたのは当・・・<宮本百合子「ふたつの教訓」青空文庫>
  29. ・・・しかしそれは、志賀暁子の公判に検事が「女の一生」にふれたからではなくて、山本氏が氏としての誠意と研究とをもってこの社会に対している真実さが、読者とこの作者とを繋いでいるからである。スタイルだけのことではない。 作家も民衆の一人として・・・<宮本百合子「文学における今日の日本的なるもの」青空文庫>
  30. ・・・  長篇の今後の展開の中で主人公は共産主義者として行動し、そこには過去十数年間日本の人民の蒙った抑圧と戦争への狩り立て、党内スパイの挑発事件、公判闘争なども描かれます。このような作品は日本の労働者階級の文学に新しい局面をひらいているとい・・・<宮本百合子「文学について」青空文庫>