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こう‐よう〔カウヤウ〕【高揚/×昂揚】例文一覧 30件

  1. ・・・性交を伴わぬ異性との恋愛は、如何にたましいの高揚があっても、酒なくして佳肴に向かう飲酒家の如くに、もはや喜びを感じられなくなる。いかに高貴な、楚々たる女性に対してもまじりなき憧憬が感じられなくなる。そしてさらに不幸なことには、このことは人生・・・<倉田百三「学生と生活」青空文庫>
  2. ・・・ 一体日蓮には一方パセティックな、ほとんど哭くが如き、熱腸の感情の昂揚があるのだ。たとえば、竜ノ口の法難のとき、四条金吾が頸の座で、師に事あらば、自らも腹切らんとしたことを、肝に銘じて、後年になって追憶して、「返す/\も今に忘れぬ事・・・<倉田百三「学生と先哲」青空文庫>
  3. ・・・ 日蓮の張り切った精神と、高揚した宗教的熱情とは、その雰囲気をおのずと保って、六百五十年後の今日まで伝統しているのだ。 彼はあくまでも高邁の精神をまもった予言者であり、仏子にして同時に国士であった。法の建てなおし、国の建てなおしが彼・・・<倉田百三「学生と先哲」青空文庫>
  4. ・・・プロレタリアートは、まず、インタナショナルの精神を高揚する。「インタナショナルとは、国際的乃至世界的団結、全世界的同盟という意味である。」ブハーリン監輯の「インタナショナル発展史」にはそう説明してある。 資本主義がすさまじい勢力を以て発・・・<黒島伝治「反戦文学論」青空文庫>
  5. ・・・モーゼほどの鉄石の義心と、四十年の責任感とを持っているのならとにかく、私の心の高揚は、その日のお天気工合等に依って大いに支配されているような有様ですから、少しもあてになりません。大声で宣言しかけては狼狽しています。七月の末から雨がつづいて、・・・<太宰治「風の便り」青空文庫>
  6. ・・・熊本君は、佐伯の急激に高揚した意気込みに圧倒され、しぶしぶ立って、「僕は事情をよく知らんのですからね、ほんのお附合いですよ。」「事情なんか、どうだっていいじゃないか。僕の出発を、君は喜んでくれないのか? 君は、エゴイストだ。」「いや・・・<太宰治「乞食学生」青空文庫>
  7. ・・・このコリント後書は、神学者たちにとって、最も難解なものとせられている様であるが、私たちには、何だか、一ばんよくわかるような気がする。高揚と卑屈の、あの美しい混乱である。他の本で読んだのだが、パウロは、当時のキリスト党から、ひどい個人攻撃を受・・・<太宰治「パウロの混乱」青空文庫>
  8. ・・・陽子は嬉しいような、何かに誘われるような高揚した心持になって来た。彼女は男たちから少し離れたところへ行って、確り両方の脚を着物の裾で巻きつけた。「ワーイ」 目を瞑り一息に砂丘の裾までころがった。気が遠くなるような気持であった。海が上・・・<宮本百合子「明るい海浜」青空文庫>
  9. ・・・日本資本主義高揚期であった明治末及び大正時代に活動しはじめた永井荷風、志賀直哉、芥川龍之介、菊池寛、谷崎潤一郎その他の作家たちは、丁度それぞれの段階での活動期を終ったときだった。これらの作家たちは無産階級運動とその芸術運動の擡頭しはじめた日・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」青空文庫>
  10. ・・・けれども、水野仙子氏の遺著の序文に書かれている文章を見ても、作者が婦人の生活力の高揚ということについては、唯心的に内面的にのみ重点を置いて見ていたことが感じられる。私には、作者有島武郎が自身の内にあった時代的な矛盾によって、一見非凡であって・・・<宮本百合子「「或る女」についてのノート」青空文庫>
  11. ・・・ 彼の失敗した演説にもかかわらず、農村における力の高揚はむこうから組織をとらえに来る。「やま連」のグループが北村清吉を代表として部落委員会らしいものを組織する話をもち出してくるのであるが、この月夜の晩、彼プロレタリア作家の心は「この一言・・・<宮本百合子「一連の非プロレタリア的作品」青空文庫>
  12. ・・・封建の思惟をロマンティックな作者の精神高揚でつつんだものであった。「阿部一族」では、そのようなロマンティックな要素も作品の一つの色彩とはしつつ、作者はぐっとリアリスティックに心理と経済の事情にまで広く多岐に踏みこんで、一人の君主の死が、・・・<宮本百合子「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」青空文庫>
  13. ・・・とこの大森氏の感想文とをあわせ読み、私は、日本における左翼運動が、世界独特な高揚と敗北の過程をとっている、その一般的な歴史的素因の複雑さを、裏からはっきりと、透して見せられたように感じた。何故なら、石坂氏が一プロレタリア作家牧野に最大限の階・・・<宮本百合子「落ちたままのネジ」青空文庫>
  14. ・・・        三 圧迫下のパリ時代 一八四〇年代のパリは、歴史的な革命高揚の時期であった。リオンの絹織工が大規模のストライキを行ったのにつづいて、ブランキーの反抗があり、急速に発展した資本主義の矛盾に対して勤労階級の反抗が・・・<宮本百合子「カール・マルクスとその夫人」青空文庫>
  15. ・・・だから、科学というとすぐ理智的ということでばかり受けとって科学を扱う人間がそこに献身してゆく情熱、よろこびと苦痛との堅忍、美しさへの感動が人間感情のどんなに高揚された姿であるのも若い女のひとのこころを直接にうたない場合が多い。このことは逆な・・・<宮本百合子「科学の常識のため」青空文庫>
  16. ・・・社会が自由と解放を求める高揚した雰囲気の中で、良人カールとともに、朝から夜まで勤労しながら、ぬけきれない不幸に置かれている多数の人々が、生きるためにどう闘っているかということを目撃しているケーテ、そして、その感情をともに感情としているケーテ・・・<宮本百合子「ケーテ・コルヴィッツの画業」青空文庫>
  17. ・・・ 社会主義の社会で民族は真の意味で自立し、新しい生産と文化とが結びつきながら高揚し、調和しあうものとして動きはじめている。ハリコフ市はそういう点から一つの新しい民族首都である。ここを選んで国際的な革命作家の会議が行われたことは輝かしい。・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  18. ・・・そのことも自分たちの高揚した気分からだけされているのでないことは、十分察せられる。生活ということがそこでも考えられている。 刻々の推移の中で、人間らしい生活を見失うまいとする若い男女の結合が、今日の新しい結婚の相貌であるということは、日・・・<宮本百合子「これから結婚する人の心持」青空文庫>
  19. ・・・しかし、作家に成長があるとすれば、畢竟はこの自身のコムプレックスと死力をつくしてもみ合って、それを最大の可能へまで昂揚拡大させ、表現してゆくその「変って」ゆく道しかないのであろうと思う。 車善六の作者が、作家として持っている複雑なコムプ・・・<宮本百合子「今日の文学の諸相」青空文庫>
  20. ・・・重な反省から目を逸らさせ、真面目な再吟味の根気を失わせられたことは、それらの作家たちが過去において率直に傾け示した自身の努力、人間的善意の価値に自信を失わせる結果となり、従って、プロレタリア文学運動の高揚と退潮とに至る多岐な数年間の経験から・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  21. ・・・れる客観主義の否定、日本における社会生活と思想の伝統の特徴にふれて、今日のヒューマニズムの性質を明かにしようという努力にもかかわらず、あしき客観主義に対置するヒューマニスティックなものとして「主観性の昂揚」を、俗流日常主義の解毒剤として「理・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  22. ・・・妻の胤子が、女にあり勝の外部からの刺激に動かされ易い性質から左翼の活動に入ったが、その高揚期がすぎると失望し、生活の目当を失い、辛うじて良人と共に、感化事業に献身しようとする。しかし、事業の困難さは、耐久力のない胤子を再び失望させたのみか、・・・<宮本百合子「作品のテーマと人生のテーマ」青空文庫>
  23. ・・・ 社会主義的リアリズムの問題の提起は、ソヴェト同盟を先頭として国際的プロレタリアートの勢力がますます結集されつつあること、また、各国の広汎な大衆がプロレタリアートの革命に協力する可能性が画期的に高揚してきていることを示す深刻な事業である・・・<宮本百合子「社会主義リアリズムの問題について」青空文庫>
  24. ・・・ 情緒の昂揚に全身をまかせ、詩について音楽について、憧憬ている旅の楽しさについて物語る時、マルクス主義の立場で経済論を書くローザはいつともなく黙祷だの、美しさだの、神秘だのの感情に溺れている。雲の綺麗さに恍惚として彼女は「こんな色や、こ・・・<宮本百合子「生活の道より」青空文庫>
  25. ・・・日本における民主的文学の高揚といっても、それは実際において日本の社会生活の諸面での民主化が進捗しなければ不可能である。そのために、民主的文化人・芸術家・技術家すべてが、精力をつくして働かなければならない。ちょうどソヴェト社会が社会主義に徹底・・・<宮本百合子「政治と作家の現実」青空文庫>
  26. ・・・の中には散見するのであるが、精神的高揚の究極は茶道の精神と一脈合致した「静中に動」ありという風な東洋的封建時代の精神的ポーズに戻る今日のインテリゲンチア作家の重い尾骨は、年齢を超えて正宗にも横光にも全く同じ傾向をもって現れている。このことは・・・<宮本百合子「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」青空文庫>
  27. ・・・それに対する鼓舞の熱い燃え輝く力で観衆を一かたまりに高揚すべき大切な場面だった。それにもかかわらず彼等はそれをどう表現したか? 必要とは全然逆に表現した。――彼等は考えた。大詰だ。ここで、えーと、誰と誰、誰を踊らしてやらなければなるまい。だ・・・<宮本百合子「ソヴェトの芝居」青空文庫>
  28. ・・・新しくなることのために、どれほど、平凡で分りきったような現実追求がされなければならないかということを飛躍して、画家の主観的な気分の昂揚の中で「新しい」ものを生もうとする苦悩がありました。 このあいだ赤松さんにお会いしたら、私が深い疑問に・・・<宮本百合子「第一回日本アンデパンダン展批評」青空文庫>
  29. ・・・関連を獲得し、いかに運命的剰余となって新しく文学を価置づけるべきかと云うことについて論じ、併せてそれが個性原理としてどうして世界観念へ同等化し、どうして原始的顕現として新感覚がより文化期の生産的文学を高揚せしめ得るかと云うことに迄及ばんとし・・・<横光利一「新感覚論」青空文庫>
  30. ・・・偶像破壊者の持つ昂揚した気分は、漸次予の心から消え去った。予はある不正のあることを予感した。反省が予の心に忍び込んだ。そこで打ち砕いた殻のなかに美味な漿液のあることを悟る機会が予の前に現われた。予はそれをつかむとともに豊富な人性の内によみが・・・<和辻哲郎「『偶像再興』序言」青空文庫>