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こう‐りょ〔カウ‐〕【考慮】例文一覧 30件

  1. ・・・吾人は貞淑なる夫人のために満腔の同情を表すると共に、賢明なる三菱当事者のために夫人の便宜を考慮するに吝かならざらんことを切望するものなり。……」 しかし少くとも常子だけは半年ばかりたった後、この誤解に安んずることの出来ぬある新事実に遭遇・・・<芥川竜之介「馬の脚」青空文庫>
  2. ・・・もし、ひょんな事があるとすると――どう思う、どう思う、源助、考慮は。」「尋常、尋常ごとではござりません。」と、かッと卓子に拳を掴んで、「城下の家の、寿命が来たんでござりましょう、争われぬ、争われぬ。」 と半分目を眠って、盲目がす・・・<泉鏡花「朱日記」青空文庫>
  3. ・・・ こういう道義的アナーキズム時代における人の品行は時代の背景を斟酌して考慮しなければならない。椿岳は江戸末季の廃頽的空気に十分浸って来た上に、更にこういう道義的アナーキズム時代に遭逢したのだから、さらぬだに世間の毀誉褒貶を何の糸瓜とも思・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  4. ・・・かえってこういう空想を直ちに実現しようと猛進する革命党や無政府党の無謀無考慮無経綸を馬鹿にし切っていた。露都へ行く前から露国の内政や社会の状勢については絶えず相応に研究して露国の暗流に良く通じていたが、露西亜の官民の断えざる衝突に対して当該・・・<内田魯庵「二葉亭追録」青空文庫>
  5. ・・・そして、地下にある人の思想と、趣味とを考慮してか、それとも無意識的にか、其処に建設された墓石と、葬られた人とを想い併せて、不自然に考えることもあれば、また、苦笑を禁じ得ざることもあるのである。 ラスキンは言ったのである。死者は、よろしく・・・<小川未明「ラスキンの言葉」青空文庫>
  6. ・・・これは冷淡な教父の如き心でいうのでなく、現実的な考慮を経ていうのである。つまり女を知るの機会は、もし欲するなら、壮年期に幾らでもあるからである。 もっとも二十五歳まで女を知らなければ、知りたいための悩みを持つであろう。しかしその悩みは青・・・<倉田百三「学生と生活」青空文庫>
  7. ・・・     第四巻 れいに依って、発表の年代順に、そうして著者みずからのその作品に対する愛着の程をも考慮し、この巻には以上の如き作品を収録することにした。   気がついてみると、その作品の大部分は、「旅」に於ける収穫のよう・・・<太宰治「『井伏鱒二選集』後記」青空文庫>
  8. ・・・但し貴下に考慮に入れて貰いたいのは、私のきらいな人というのは、私の店の原稿用紙をちっとも買ってくれない人を指して居るのではなく、文壇に在って芸術家でもなんでもない心の持主を意味して居ります。尠くともこの間に少しも功利的の考えを加えて居らぬこ・・・<太宰治「虚構の春」青空文庫>
  9. ・・・それに、日記というものは、あらかじめ人に見られる日のことを考慮に入れて書くべきものか、神と自分と二人きりの世界で書くべきものか、そこの心掛けも、むずかしいのである。結局、日記帳は買い求めても、漫画をかいたり、友人の住所などを書き入れるくらい・・・<太宰治「作家の像」青空文庫>
  10. ・・・なにせ紀元二千七百年を考慮にいれて書かなければならぬのだから、たいへんだ。でも、あんまり固くならない事にしよう。主人の批評に依れば、私の手紙やら日記やらの文章は、ただ真面目なばかりで、そうして感覚はひどく鈍いそうだ。センチメントというものが・・・<太宰治「十二月八日」青空文庫>
  11. ・・・俗に、三角だの四角だのいう馬鹿らしい形容の恋の状態をも考慮にいれて、そのように記したのである。江戸の小咄にある、あの、「誰でもよい」と乳母に打ち明ける恋いわずらいの令嬢も、この数個のほうの部類にいれて差し支えなかろう。 太宰もイヤにげび・・・<太宰治「チャンス」青空文庫>
  12. ・・・また、私は、あとあと警察のひとが、私を取調べるときのことをも考慮にいれて置いたのである。私は、もちろん、今夜のこのできごとを、警察に訴え出るつもりは無い。新聞に出たりなどして、親戚友人などに、心配、軽蔑されるのは、私の好むところでは無いので・・・<太宰治「春の盗賊」青空文庫>
  13. ・・・ 作家たるもの、またこの現象を黙視し得ず、作品は二の次、もっぱらおのれの書簡集作成にいそがしく、十年来の親友に送る書簡にも、袴をつけ扇子を持って、一字一句、活字になったときの字づらの効果を考慮し、他人が覘いて読んでも判るよう文章にいちい・・・<太宰治「もの思う葦」青空文庫>
  14. ・・・これでは十日計画の浅間登山プランも更に考慮を要する訳である。 宿の夜明け方に時鳥を聞いた。紛れもないほととぎすである。郷里高知の大高坂城の空を鳴いて通るあのほととぎすに相違ない。それからまた、やはり夜明けごろに窓外の池の汀で板片を叩くよ・・・<寺田寅彦「浅間山麓より」青空文庫>
  15. ・・・によって撮影を進行させ、出たとこ勝負のショットをたくさんに集積した上で、その中から截断したカッティングをモンタージュにかけて立派なものを作ることも可能であろうが、経済的の考慮から、そういう気楽な方法はいつでもどこでも許されるはずのものではな・・・<寺田寅彦「映画芸術」青空文庫>
  16. ・・・同じ効果は活動写真の場合においても考慮に加えらるべきであろう。 疾くに故人となった甥の亮が手製の原始的な幻燈を「発明」したのは明らかにこれらの刺激の結果であったと思われる。その「器械」は実に原始的なものであった。本箱の上に釘を二本立てて・・・<寺田寅彦「映画時代」青空文庫>
  17. ・・・この点を深く自ら考慮しまた識者の教えを乞いたいと思うのである。 この問題に関しては述ぶべき事はこれに尽きないが、与えられた紙幅が既に尽きたから、これで擱筆する外はない。執筆の動機はただ我邦学術の健全なる発達に対する熱望の外には何物もない・・・<寺田寅彦「学位について」青空文庫>
  18. ・・・この場合でも一般の日本語に km なる結合の起こる確率を考慮に入れて補正すればよいが、これはしばらく省略するほかはない。しかしこれは現在の場合結果の桁数を変えるほどの影響がありそうもないことは少しあたってみてもわかると思う。 Turum・・・<寺田寅彦「火山の名について」青空文庫>
  19. ・・・ こういう種類の競技には登場者の体重や身長を考慮した上で勝敗をきめるほうが合理的であるようにも思われるが、そうしないところを見ると結局強いもの勝ちの世の中である。 食いしんぼうのレコード保有者でも少し風変わりなのは、パリのムシウ・シ・・・<寺田寅彦「記録狂時代」青空文庫>
  20. ・・・そうでないとすると小売り商の作戦計画にはこの点を考慮に入れなければなるまい。 デパートアルプスには、階段を登るごとに美しい物と人との「お花畑」がある。勝手に取って持って来ることは許されないが、見るだけでも目の保養にはなる。千円の晴れ着を・・・<寺田寅彦「銀座アルプス」青空文庫>
  21. ・・・もちろん私自身はそれらのことに深い考慮を費やす必要を感じなかった。私は私であればそれでいいと思っていた。私の子供たちはまた彼ら自身であればいいわけであった。そして若い時から兄夫婦に育てられていた義姉の姪に桂三郎という養子を迎えたからという断・・・<徳田秋声「蒼白い月」青空文庫>
  22. ・・・        ○ 女子を近づけ繁殖の行為をなさんとするに当っては、生れ出づべき子供の将来について考慮を費さなければならない。子供が成長して後、その身を過ち盗賊となれば世に害を貽す。子供が将来何者になるかは未知の事に属する。・・・<永井荷風「西瓜」青空文庫>
  23. ・・・僕としては聊考慮を費したつもりである。拙著の版権問題について賠償金の事を山本さんに一任したのは、累禍を他人に及す事を恐れたが故であった。 拙著「あめりか物語」の著作権は博文館が主張するが如く、其の専有に帰しているものではない。同書の原稿・・・<永井荷風「申訳」青空文庫>
  24. ・・・これらの飾らず、たくまざる人々の記録と、職業家のルポルタージュとの対比は、文学に関心をもつ者の心に真摯な考慮を呼びさまさずにはいない。又、いつかは「支那さん」と呼ばれている人々の記述も広汎な世界の文学の領野にあらわれて来る日があるであろう。・・・<宮本百合子「明日の言葉」青空文庫>
  25. ・・・ 三代目ということは、日本の川柳で極めてリアルに抉って描写されているが、今から先の三代目という時代の日本というものを文化の面でも切実深甚に考慮しなければならないのだろうと思う。世界は複雑に複雑にと推移しているのだから、単純きわまる主観人・・・<宮本百合子「明日の実力の為に」青空文庫>
  26. ・・・現在ではそういう若い妻たちが案外に多いのだから、地域的な民主的組織が、主婦という条件を考慮した上での協力をひろげてゆくことがどちらのためにも必要です。イタリーのようにファシズムでしめつけられた国で、今日婦人の民主的組織はきわめて大規模に発展・・・<宮本百合子「新しい抵抗について」青空文庫>
  27. ・・・去年の牛乳協定は農民の消費を考慮せずにされた。つまり各農戸の人員を数えず、バラビンスキー地方一帯、牛一匹一年六・六ツェントネル平均として協定標準が定っていた。各農家別にすると、一頭持   四・六二頭持   六・〇三頭持   ・・・<宮本百合子「新しきシベリアを横切る」青空文庫>
  28. ・・・――そういう方にたいしては、こちらでも、至急考慮いたしますが――……」 私たち二人の作家の訪問は、一回きりで、つぎに、保護観察所という、刑務所の出張所のような役所で、内務省の役人との懇談会があった。そのときも、作家の側からは、生活権のこ・・・<宮本百合子「ある回想から」青空文庫>
  29. ・・・この一事件は、猶予という形で落着したのであったが、考慮ある人々は、この一事件が暗示しているところが、どんなに深刻であるか、今日なおしばしば思いめぐらしているであろうと思う。 全く不幸な災難としかいいようのないこの事件が、先ず法律的処罰の・・・<宮本百合子「石を投ぐるもの」青空文庫>
  30. ・・・写実の歩を進めるとすれば、この点も考慮せられなくてはならぬ。 が、この画家には川端氏のごとき山気がない。素直にその感じを現わそうとする芸術家的ないい素質がある。先輩の手法を模倣して年々その画風を変えるごとき不見識に陥らず、謙虚な自然の弟・・・<和辻哲郎「院展日本画所感」青空文庫>