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さい‐ばん【裁判】例文一覧 30件

  1. ・・・元来それがしは、よせふと申して、えるされむに住む靴匠でござったが、当日は御主がぴらと殿の裁判を受けられるとすぐに、一家のものどもを戸口へ呼び集めて、勿体なくも、御主の御悩みを、笑い興じながら、見物したものでござる。」 記録の語る所による・・・<芥川竜之介「さまよえる猶太人」青空文庫>
  2. ・・・しかも裁判を重ねた結果、主犯蟹は死刑になり、臼、蜂、卵等の共犯は無期徒刑の宣告を受けたのである。お伽噺のみしか知らない読者はこう云う彼等の運命に、怪訝の念を持つかも知れない。が、これは事実である。寸毫も疑いのない事実である。 蟹は蟹自身・・・<芥川竜之介「猿蟹合戦」青空文庫>
  3. ・・・そしてフレンチは、自分も裁判の時に、有罪の方に賛成した一人である、随って処刑に同意を表した一人であると思った。そう思うと、星を合せていられなくなって、フレンチの方で目をそらした。 短い沈黙を経過する。儀式は皆済む。もう刑の執行より外は残・・・<著:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ 訳:森鴎外「罪人」青空文庫>
  4. ・・・……派出所だ裁判だと、何でも上沙汰にさえ持ち出せば、我に理があると、それ貴客、代官婆だけに思い込んでおりますのでございます。 その、大蒜屋敷の雁股へ掛かります、この街道、棒鼻の辻に、巌穴のような窪地に引っ込んで、石松という猟師が、小児だ・・・<泉鏡花「眉かくしの霊」青空文庫>
  5. ・・・僕は裁判をしてこっちが羞恥を感じて赤面したが、女はシャアシャアしたもんで、平気でベラベラ白状した。職業的堕落婦人よりは一層厚顔だ。口の先では済まない事をした、申訳がありませんといったが、腹の底では何を思ってるか知れたもんじゃない。良心がまる・・・<内田魯庵「三十年前の島田沼南」青空文庫>
  6. ・・・ 今時の聖書研究は大抵は来世抜きの研究である、所謂現代人が嫌う者にして来世問題の如きはない、殊に来世に於ける神の裁判と聞ては彼等が忌み嫌って止まざる所である、故に彼等は聖書を解釈するに方て成るべく之れを倫理的に解釈せんとする、来世に関する聖・・・<内村鑑三「聖書の読方」青空文庫>
  7. ・・・ しかし、二人では、この裁判はだめだ。だれか、たしかな証人がなくては、やはり、いい争いができて同じことだろう。」と、紡績工場の煙突はいいました。「それも、そうだ。」 こういって、二つの煙突が話し合っていることを、空のやさしい星は、す・・・<小川未明「ある夜の星たちの話」青空文庫>
  8. ・・・この意味に於て、私は時が偉大な裁判者だと信ずるのである。<小川未明「波の如く去来す」青空文庫>
  9. ・・・そして、お母さんの裁判を、不平そうな顔つきをして、うつむいて聞いていました。「田舎のおばあさんは、僕に、送ってくださったんでしょう。」と、政ちゃんが、いいました。「いいえ、みんなに送ってくださったのです。」「それみろ、政ちゃんは・・・<小川未明「政ちゃんと赤いりんご」青空文庫>
  10. ・・・しかしこれはむろん省かなくてはならぬ、なぜならば我々は農商務省の官衙が巍峨として聳えていたり、鉄管事件の裁判があったりする八百八街によって昔の面影を想像することができない。それに僕が近ごろ知合いになったドイツ婦人の評に、東京は「新しい都」と・・・<国木田独歩「武蔵野」青空文庫>
  11. ・・・警察・裁判所・監獄は、多忙をきわめている。今日の社会においては、もし疾病なく、傷害なく、真に自然の死をとげうる人があるとすれば、それは、希代の偶然・僥倖といわねばならぬ。 実際、いかに絶大の権力を有し、百万の富を擁して、その衣食住はほと・・・<幸徳秋水「死刑の前」青空文庫>
  12. ・・・が、少くとも今日の社会、東洋第一の花の都には、地上にも空中にも恐るべき病菌が充満して居る、汽車・電車は、毎日のように衝突したり人を轢いたりして居る、米と株券と商品の相場は、刻々に乱高下して居る、警察・裁判所・監獄は多忙を極めて居る、今日の社・・・<幸徳秋水「死生」青空文庫>
  13.  近時世界の耳目を聳動せる仏国ドレフューの大疑獄は軍政が社会人心を腐敗せしむる較著なる例証也。 見よ其裁判の曖昧なる其処分の乱暴なる、其間に起れる流説の奇怪にして醜悪なる、世人をして殆ど仏国の陸軍部内は唯だ悪人と痴漢とを・・・<幸徳秋水「ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」青空文庫>
  14. ・・・と云って、五十恰好の女が何時でも決まった時間に、市役所とか、税務署とか、裁判所とか、銀行とか、そんな建物だけを廻って歩いて、「わが夫様は米穀何百俵を詐欺横領しましたという――」きまった始まりで、御詠歌のように云って歩く「バカ」のいたのを。と・・・<小林多喜二「母たち」青空文庫>
  15. ・・・ 黙然たる被告は、突如立ちあがって言った。「私は、よく、ものごとを識っています。もっと識ろうと思っています。私は卒直であります。卒直に述べようと思っています。」 裁判長、傍聴人、弁護士たちでさえ、すこぶる陽気に笑いさざめいた。被・・・<太宰治「もの思う葦」青空文庫>
  16. ・・・しかし裁判官達には、おれがなぜそんな事をしたか分からない。「襟だって価のある物品ではありませんか」と、裁判官も検事も云うのである。「あいつはわたくしを滅亡させたのです。わたくしの生涯を破壊したのです。あいつが最初電車から飛び下りて、・・・<著:ディモフオシップ 訳:森鴎外「襟」青空文庫>
  17. ・・・その後の余波となるべき裁判所の場面もちょっと面白い。証拠物件に蝋管蓄音機が持出されたのに対して検事が違法だと咎めると、弁護士がすぐ「前例」を持出すのや、裁判長のロードの少々勘の悪いところなどが如何にもイギリスらしくて、いつものアメリカの裁判・・・<寺田寅彦「映画雑感(5[#「5」はローマ数字、1-13-25])」青空文庫>
  18. ・・・同じようなわけで、裁判所におけるいろいろな刑事裁判の忠実な筆記が時として、下手な小説よりもはるかに強く人性の真をうがって読む人の心を動かすことがあるのである。 これから考えると、あらゆる忠実な記録というものが文学の世界で占める地位、また・・・<寺田寅彦「科学と文学」青空文庫>
  19. ・・・それに公開の裁判でもすることか、風紀を名として何もかも暗中にやってのけて――諸君、議会における花井弁護士の言を記臆せよ、大逆事件の審判中当路の大臣は一人もただの一度も傍聴に来なかったのである――死の判決で国民を嚇して、十二名の恩赦でちょっと・・・<徳冨蘆花「謀叛論(草稿)」青空文庫>
  20. ・・・私はすこしく書物を読むようになるが早いか、世に裁判と云い、懲罰と云うものの意味を疑うようになったのも、或は遠い昔の狐退治。其等の記念が知らず知らずの原因になって居たのかも知れない。<永井荷風「狐」青空文庫>
  21. ・・・ようござんすか、御手紙を書いてちゃんとこの通り控えをとっておくでしょう、先方でもしこの事件を裁判沙汰にする日にはこれが証拠になって差配が乱暴を働いたという種になるのですよ。今までは女二人だと思ってずいぶん勝手な事ばかりしたのですが、今じゃ男・・・<夏目漱石「倫敦消息」青空文庫>
  22. ・・・「たとえ、お前が裁判所に持ち出したって、こっちは一億円の資本を擁する大会社だ。それに、裁判はこちらの都合で、五年でも十年でも引っ張れる。その間、お前はどうして食う。裁判費用をどこから出す。ヘッヘッヘッ」と、吉武有と云う、鋳込まれたキャプスタ・・・<葉山嘉樹「浚渫船」青空文庫>
  23. ・・・結局政府に限りて人民の私に行うべからざる政は、裁判の政なり、兵馬の政なり、和戦の政なり、租税の政なり、この他わずかに数カ条にすぎず。 されば人民たる者が一国にいて公に行うべき事の箇条は、政府の政に比して幾倍なるを知るべからず。外国商売の・・・<福沢諭吉「学者安心論」青空文庫>
  24. ・・・軍律の裁判には、法学士なかるべからず。患者のためには、医学士なかるべからず。行軍の時に、輜重・兵粮の事あり。平時にも、もとより会計簿記の事あり。その事務、千緒万端、いずれも皆、戦隊外の庶務にして、その大切なるは戦務の大切なるに異ならず、庶務・・・<福沢諭吉「学問の独立」青空文庫>
  25. ・・・ここには裁判の方のお方もお出でになるのだ。首をシュッポオンと切ってしまう位、実にわけないはなしだ。」 あまがえるはみなすきとおってまっ青になってしまいました。それはその筈です。一人九百貫の石なんて、人間でさえ出来るもんじゃありません。と・・・<宮沢賢治「カイロ団長」青空文庫>
  26. ・・・ さて署長さんは縛られて、裁判にかかり死刑ということにきまりました。 いよいよ巨きな曲った刀で、首を落されるとき、署長さんは笑って云いました。「ああ、面白かった。おれはもう、毒もみのことときたら、全く夢中なんだ。いよいよこんどは・・・<宮沢賢治「毒もみのすきな署長さん」青空文庫>
  27. ・・・ 東京裁判のラジオをきいている私たちの心の苦痛はいかばかりであろう。私たちは、世界の女性に向って叫びたいとおもわないだろうか。私たち日本人がすべてこういう兇暴な本性をもっているとはおもわないでください! と。日本にあふれている寡婦の涙を・・・<宮本百合子「明日の知性」青空文庫>
  28. ・・・          二 アメリカ大統領選挙の結果が発表され、トルーマンの当選が知らされたと時をおなじくして、東京の市ヶ谷では、極東軍事裁判の最終段階の法廷が再開された。トルーマンが政策として、平和のための強国間の協力、アメリ・・・<宮本百合子「新しい潮」青空文庫>
  29. ・・・は公事の巻で、裁判の話を集録しているが、文章はに似ている。は将来軍記で、これもに似ている。とをに合併すれば、大体は四つの部分になる。『甲陽軍鑑』がこれらの部分において語っていることは、非常に多種多様であるが、しかしそれを貫いて一つの道徳・・・<和辻哲郎「埋もれた日本」青空文庫>
  30. ・・・だから原敬を暗殺した中岡良一が死刑に処せられないときまったとき、父は驚喜して当時の裁判長を名判官とたたえた。かくのごとく父は、私利をはかって超個人的道義的任務を忘れたものをすべて腐敗せるものとして憎悪する。自己の身命を超個人的道義的任務に捧・・・<和辻哲郎「蝸牛の角」青空文庫>