出典:デジタル大辞泉(小学館)

[副助]《動詞「そ(添)う」(下二)の連用形「そえ」から生じたという》名詞、活用語の連体形または連用形、助詞など種々の語に付く。
  1. すでにあるものの上に、さらに付け加える意を表す。…までも。「風が吹き出しただけでなく、雨さえ降りだした」

    1. 「霧も深く露けきに、簾 (すだれ) ―上げ給へれば、御袖もいたく濡れにけり」〈・夕顔〉

  1. ある事柄を強調的に例示し、それによって、他の場合は当然であると類推させる意を表す。…だって。…すら。「かな文字さえ読めない」

    1. 「その大切な神仏 (かみほとけ) さまがたで―金銀を御信心遊ばす」〈滑・浮世風呂・四〉

  1. (仮定表現を伴い)その条件が満たされれば十分な結果が生じる意を表す。せめて…だけでも。「これさえあれば鬼に金棒だ」「覚悟ができてさえいれば、心配はない」→すらだにまで

    1. 「一の棚―領じておいたらば(=手ニ入レテオケバ)後には何を商売いたさうともそれがしがままぢゃ」〈虎明狂・鍋八撥〉

[補説]「さえ」は、古くは格助詞の上にも下にも付き、「さへも」「さへこそ」のように係助詞にも先行するところから副助詞とする。中古から「すら」の意を吸収した「だに」との混同が始まるが、23の用法は、中世末ごろ「だに」がほとんど用いられなくなってその意をも吸収したもの。