いうかい‐な・し〔いふかひ‐〕【言ふ^▽甲^×斐無し】

の解説

［形ク］

1. １ 言ってもその効果がない。

   1. 「あやしがりいへど、使ひのなければ—・くて」〈枕・二七七〉

1. ２ 言ってみても取り返しがつかない。特に、死ぬことを遠回しにいう。

   1. 「さこそ強がり給へど、若き御心にて、—・くなりぬるを見給ふに、やるかたなくて」〈源・夕顔〉

1. ３ 言うだけの値打ちがない。言うに足りない。

   1. 「あかず口惜しと、—・き法師、童も、涙を落としあへり」〈源・若紫〉

1. ４ 見苦しい。ふがいない。→言い甲斐無し

   1. 「女、親なく頼りなくなるままに、もろともに—・くてあらむやはとて」〈伊勢・二三〉

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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