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じっ‐こう〔‐カウ〕【実行】例文一覧 31件

  1. ・・・これだけは今後も実行しなければならぬ。猿股やズボン下や靴下にはいつも馬の毛がくっついているから。……「十二月×日 靴下の切れることは非常なものである。実は常子に知られぬように靴下代を工面するだけでも並みたいていの苦労ではない。……「・・・<芥川竜之介「馬の脚」青空文庫>
  2. ・・・彼れは場主と一喧嘩して笠井の仕遂せなかった小作料の軽減を実行させ、自分も農場にいつづき、小作者の感情をも柔らげて少しは自分を居心地よくしようと思ったのだ。彼れは汽車の中で自分のいい分を十分に考えようとした。しかし列車の中の沢山の人の顔はもう・・・<有島武郎「カインの末裔」青空文庫>
  3. ・・・それが、純粋自然主義にあってはたんに見、そして承認するだけの事を、その同棲者が無遠慮にも、行い、かつ主張せんとするようになって、そこにこの不思議なる夫婦は最初の、そして最終の夫婦喧嘩を始めたのである。実行と観照との問題がそれである。そうして・・・<石川啄木「時代閉塞の現状」青空文庫>
  4. ・・・、人にも家にも品位というものが乏しく、金の力を以て何人にも買い得らるる最も浅薄に最も下品なる娯楽に満足しつつあるにあるのであろう、今は種々な問題に対して、口の先筆の先の研究は盛に行われつつあるが、実行如何と顧ると殆ど空である、今日の上流・・・<伊藤左千夫「茶の湯の手帳」青空文庫>
  5. ・・・と、僕の胸に身を投げて来た吉弥をつき払い、僕はつッ立ちあがり、「おッ母さんにそう言ってもらおう、僕も男だから、おッ母さんに約束したことは、お前の方で筋道さえ踏んで来りゃア、必らず実行する。しかしお前の身の腐れはお前の魂から入れ変えなけりゃア・・・<岩野泡鳴「耽溺」青空文庫>
  6. ・・・マジメに実行するツモリであったかドウか知らぬが、この時分はこうした茶気満々な計画が殆んど実行され掛ったほどシャレた時代であった。 椿岳は普通の着物が嫌いであった。身幅の狭いのは職人だといってダブダブした着物ばかり着ていた。或時は無地物に・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  7. ・・・この世の中は悲嘆の世の中でなくして、歓喜の世の中であるという考えをわれわれの生涯に実行して、その生涯を世の中への贈物としてこの世を去るということであります。その遺物は誰にも遺すことのできる遺物ではないかと思う。もし今までのエライ人の事業をわ・・・<内村鑑三「後世への最大遺物」青空文庫>
  8. ・・・要は、適当なる社会政策の施されざるかぎり、学校か、町会などにて容易に実行されることでなければならぬ。 これについて、富豪の宏大なる邸宅、空地は、市内処々に散在する。彼等の中には、他に幾つも別荘を所有する者もあって、たゞ一つという訳でなく・・・<小川未明「児童の解放擁護」青空文庫>
  9. ・・・ だが、さて、どんな風に実行に移したものかという段になると、丹造にはからきし智慧もなく、あくまで相棒が要った。いいかえれば、再び古座谷某の智慧が必要だった……。 あきれた。いや、正直なところ、以前のことなぞ忘れた顔で、よくもぬけぬけ・・・<織田作之助「勧善懲悪」青空文庫>
  10. ・・・如何なる処分を受けても苦しくないと云う貴方の証書通り、私の方では直ぐにも実行しますから」 何一つ道具らしい道具の無い殺風景な室の中をじろ/\気味悪るく視廻しながら、三百は斯う呶鳴り続けた。彼は、「まあ/\、それでは十日の晩には屹度引払う・・・<葛西善蔵「子をつれて」青空文庫>
  11. ・・・しかし自分がその隠れた欲望を実行に移すかどうかという段になると吉田は一も二もなく否定せざるを得ないのだった。煙草を喫うも喫わないも、その道具の手の届くところへ行きつくだけでも、自分の今のこの春の夜のような気持は一時に吹き消されてしまわなけれ・・・<梶井基次郎「のんきな患者」青空文庫>
  12. ・・・町に買い物があるとて出てゆき、政法の二人は校堂でやる生徒仲間の演説会にゆき、木村は祈祷会にゆき、家に残ったのは、下女代わりに来ている親類の娘と、四郎と私だけで、すこぶるさびしくなりましたから、雁つりの実行に取りかかりました。 かねて四郎・・・<国木田独歩「あの時分」青空文庫>
  13. ・・・そして倫理学はその実践への機を含んでしかも、直接に発動せず、静かに、謙遜に、しかも勇猛に徹底して、その思想の統一をとげ、不落の根拠を築きあげようと企図するものであり、そこには抑制せられたる実行意志が黙せる雷の如くに被覆されているのである。・・・<倉田百三「学生と教養」青空文庫>
  14. ・・・個人的な権限に属することでも、命じられた以上は、他を曲げて実行しなければならないのが兵卒だった。それが兵卒のつとめだ。彼は俸給に受取った五円札をその貯金を出した。そして、ツリに、一円札を四枚、金をまとめて野戦郵便局へ持って行く小使から受取っ・・・<黒島伝治「穴」青空文庫>
  15. ・・・政事家は政事家で、自己の議論を実行して世界を画一のものにしようなんという馬鹿気ているのが有るし。文人は文人で自己流の文章を尺度にしてキチンと文体を定めたがッたり、実に馬鹿馬鹿しい想像をもッているのが多いから情ないのサ。親父は親父の了簡で家を・・・<幸田露伴「ねじくり博士」青空文庫>
  16. ・・・俺は運動に出ると、何時でも、その速力の出し工合と、身体の疲労の仕方によって、自分の健康に見当をつける素朴な方法を注意深く実行している。 走りながら、こっちでワザと大きな声をあげると、隣りを走っている同志も大きな声を出した。エヘンとせき払・・・<小林多喜二「独房」青空文庫>
  17. ・・・立ちがけに、広瀬さんが支那の方へ漫遊を思い立っていて遠からずそれが実行されるであろうこと、その広瀬さんが帰って来る頃にはどれ程この食堂が発展するやも知れないことを母に語り聞かせた。「そんなら、お前さんはもう未練はないのかい――あの小竹の・・・<島崎藤村「食堂」青空文庫>
  18. ・・・人生の中枢意義は言うまでもなく実行である。人生観はすなわち実行的人生の目的と見えるもの、総指揮と見えるものに識到した観念でないか。いわゆる実行的人生の理想または帰結を標榜することでないか。もしそうであるなら、私にはまだ人生観を論ずる資格はな・・・<島村抱月「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」青空文庫>
  19. ・・・私も実行しよう。すぐに屹っと眉を挙げて、女中さん、と声の調子を変えて呼びかけました。君を好きなんだ、とか何とか自分でも呆れるくらい下手な事を言って、そっと女中の手を握ろうとしたら、ひどい事になりました。女中は、「何しるでえ!」と大声で叫んで・・・<太宰治「風の便り」青空文庫>
  20. ・・・しかしいよいよ撮影を実行する前にはこれでは全く役に立たない。「貧しさ」を「映画の言葉」すなわち、これに相当する視覚的な影像に翻訳しなければならない。たとえば極貧を現わすために水道の止まった流しに猫の眠っている画面を出すとか、放免された囚人の・・・<寺田寅彦「映画芸術」青空文庫>
  21. ・・・のみならず、実行上のことにおいても、彼はあまり単純であるように思われた。自分の仕えている主人と現在の職業のほかに、自分の境地を拓いてゆくべき欲求も苦悶もなさすぎるようにさえ感ぜられた。兄の話では、今の仕事が大望のある青年としてはそう有望のも・・・<徳田秋声「蒼白い月」青空文庫>
  22. ・・・しかしながら期待の実行は偶然の機会を待つより外はない。 八幡の町の梨畠に梨は取り尽され、葡萄棚からは明るく日がさすようになった。玉蜀黍の茎は倒れて見通す稲田の眺望は軟かに黄ばんで来た。いつの日にか、わたくしは再び妙林寺の松山に鳶の鳴声を・・・<永井荷風「草紅葉」青空文庫>
  23. ・・・ 四十余年間の歴史を見ると、昔は理想から出立した教育が、今は事実から出発する教育に変化しつつあるのであります、事実から出発する方は、理想はあるけれども実行は出来ぬ、概念的の精神に依って人は成立する者でない、人間は表裏のあるものであるとし・・・<夏目漱石「教育と文芸」青空文庫>
  24. ・・・又男女席を同うせず云々とて古の礼を示したるも甚だ宜しけれども、人事繁多の今の文明世界に於て、果して此古礼を実行す可きや否や、一考す可き所のものなり。是れも所謂言葉の采配、又売物の掛直同様にして、斯くまでに厳しく警めたらば少しは注意する者もあ・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
  25. ・・・それを実行いたすとなると、どんな物になるだろうと云うことは、ロメエヌ町の家であなたを隙見をいたすまで、わたくしには分からなかったのでございます。 隙見をいたした時の最初の感じは失望でございました。Sport で鍛錬した、強壮なお体で、ど・・・<著:プレヴォーマルセル 訳:森鴎外「田舎」青空文庫>
  26. ・・・走者は匆卒の際にも常に球の運動に注目しかかる時直ちに進んで険を冒し第二基に入るか退いて第一基に帰るかを決断しこれを実行せざるべからず。第二基より第三基に移る時もまたしかり。第三基より本基に回る時もまたしかり。但第三基は第二基よりも攫者に近く・・・<正岡子規「ベースボール」青空文庫>
  27. ・・・ 以上は、まあ、ビジテリアンをその精神から大きく二つにわけたのでありますが、又一方これをその実行の方法から分類しますと、三つになります。第一に、動物質のものは全く喰べてはいけないと、則ち獣や魚やすべて肉類はもちろん、ミルクや、またそれか・・・<宮沢賢治「ビジテリアン大祭」青空文庫>
  28. ・・・煩いのない静かなところに旅行して暫く落ちついてみたい――こんな慾望を持っていますが、さて容易いようで実行できないものですね。住いですか? これには面白い話しがありますのよ。今いる家は静かそうに思って移ったのですが、後に工場みたいなものがあっ・・・<宮本百合子「愛と平和を理想とする人間生活」青空文庫>
  29. ・・・目的は余所になって、手段だけが実行せられる。塵を取るためとは思わずに、はたくためにはたくのである。 尤もこの女中は、本能的掃除をしても、「舌の戦ぎ」をしても、活溌で間に合うので、木村は満足している。舌の戦ぎというのは、ロオマンチック時代・・・<森鴎外「あそび」青空文庫>
  30. ・・・そこで、その日は栖方を除いたものだけで試験飛行を実行した。見ていると、大空から急降下爆撃で垂直に下って来た新飛行機は、栖方の眼前で、空中分解をし、ずぼりと海中へ突き込んだそのまま、尽く死んでしまった。 また別の話で、ラバァウルへ行く飛行・・・<横光利一「微笑」青空文庫>