おき‐つけ【置(き)付け】
いつもその場所に置いたままにしておくこと。
おき‐つ‐しまもり【沖つ島守】
沖にある島の番人。「わが髪の雪と磯辺の白波といづれまされり—」〈土佐〉
おき‐つ‐しまやま【沖つ島山】
滋賀県の琵琶湖にある沖島(おきのしま)の古称。[歌枕]「近江(あふみ)の海—奥まけてわが思ふ妹が言の繁けく」〈万・...
おき‐つ‐しらなみ【沖つ白波】
沖に立つ白波。「なごのうみの霞の間よりながむれば入る日をあらふ—」〈新古今・春上〉 [補説]沖の白波が「立つ」とこ...
おき‐つ‐たまも【沖つ玉藻】
沖の美しい藻。「靡(なび)く」の序詞として多く用いられる。「わたつみの—のなびき寝む」〈万・三〇七九〉
おきつ‐だい【興津鯛】
静岡県興津地方の沿岸でとれるアマダイ。
おき‐つち【置(き)土】
1 地面の上に、さらに土を置くこと。上に土をかぶせること。 2 ⇒客土(きゃくど)1
おき‐つづみ【置(き)鼓】
能の特殊な囃子事(はやしごと)の一。翁付(おきなつき)など、格別な能の会で、ワキの登場などに用いる。小鼓と笛だけで奏す。
おき‐つ‐とり【沖つ鳥】
[枕] 1 沖にいる水鳥の意から「鴨(かも)」にかかる。「—鴨といふ舟の帰り来ば」〈万・三八六六〉 2 沖にいる水...
おき‐つ‐なみ【沖つ波】
[名]沖に立つ波。「—来寄する荒磯(ありそ)をしきたへの枕とまきて寝(な)せる君かも」〈万・二二二〉 [枕]波の動...
おきつ‐のり【興津海苔】
オキツノリ科の紅藻。本州・九州などの海岸の潮間帯に多くみられ、高さ約5センチ。やや硬くて扁平で、枝分かれして扇状に...
おき‐つ‐みかみ【沖つ御神】
沖を支配する神。また、沖または沖の島を神格視していった語。「珠洲(すず)の海人(あま)の—にい渡りて」〈万・四一〇一〉
おきつも‐の【沖つ藻の】
[枕]沖の藻が波になびくところから「靡(なび)く」にかかる。「—なびきし妹(いも)は」〈万・二〇七〉
お‐きづかい【御気遣い】
「気遣い1」の尊敬語。
お‐きづき【御気付き】
相手が気付くことを敬っていう語。「—の点はお申しつけください」
おき‐づけ【沖漬(け)】
小ダイ・小アジなどを背開きにし、酒・酢・塩をまぜた中に漬けたもの。
おき‐づつ【置(き)筒】
竹製の花器で、釘穴がなく、据え置いて用いる筒形のもの。上に節のあるものと、節がなくて吹き抜きになっているものとがある。
おき‐づり【沖釣(り)】
沖に出て釣りをすること。→磯(いそ)釣り →陸(おか)釣り
おきて【掟】
《動詞「おき(掟)つ」の連用形から》 1 守るべきものとしてすでに定められている事柄。その社会の定め。決まり。また...
おき‐てがみ【置(き)手紙】
[名](スル)用件を書いてその場に残しておくこと。また、その手紙。書き置き。「—して出掛ける」
おき‐てぬぐい【置(き)手拭い】
手ぬぐいを畳んで、頭や肩にのせること。また、その手ぬぐい。
起(お)きて半畳(はんじょう)寝(ね)て一畳(いちじょう)
人間が必要な広さは、起きている時が半畳で、寝ても一畳あれば足りる。贅沢(ぜいたく)は慎むべきであるという教え。
おきて‐まい【掟米】
江戸時代の小作料の名称。領主が取る年貢諸役のほかに、地主取り分の余米も含めて納入する場合にいう。定め米。
おきでまつ【沖で待つ】
絲山秋子の短編小説。住宅設備機器メーカーに勤める同期入社の男女の友情を描く。平成17年(2005)発表。同年、第1...
おき‐とり【置(き)鳥】
近世、祝宴、特に婚礼の席などの飾りとした雌雄の鳥。置き鯉(ごい)と対をなす。
おきとり‐ぎょぎょう【沖取(り)漁業】
沖合で行う漁業。主にサケ・マスなどの北洋漁業をいう。
おき‐どけい【置(き)時計】
机・棚などの上に置いて使う時計。
おき‐どこ【置(き)床】
床の間の床板のように作った台で、移動できるもの。狭い部屋などで、床の間代わりに使う。
おき‐どころ【置(き)所】
1 物を置くべき所。置き場所。置き場。「家具の—に困る」 2 心や身体の落ち着ける所。多く、「身の置き所が(も)な...
おき‐どめ【沖止め】
1 空港の搭乗口や、港の岸壁から離れた所に、航空機や船舶を停泊させること。搭乗・上陸にはバスや小型船を使う。 2 ...
おきな【翁】
1 年取った男。おじいさん。⇔嫗(おうな・おみな)。 2 老人の自称。「—の申さむことは聞き給ひてむや」〈竹取〉 ...
おきな【翁】
能で、別格に扱われる祝言曲。翁・千歳(せんざい)・三番叟(さんばそう)の三人の歌舞からなり、正月初会や祝賀能などの...
おきな‐あめ【翁飴】
水飴に寒天・香料などを加えて作った飴。新潟県高田地方の名産。
おきな‐あんどん【翁行灯】
江戸歌舞伎で、顔見世興行の初日などに舞台左右の大臣柱にかけた角形の行灯。
おきなえびす‐がい【翁戎貝/翁恵比須貝】
オキナエビスガイ科の巻き貝。深い海の岩礁底にすみ、貝殻は円錐形で、殻高・殻径とも8〜10センチ。殻口は深く切れ込み...
おき‐なお・る【起(き)直る】
[動ラ五(四)]横になっていた者が、からだを起こして、きちんと座る。「床の上に—・る」
おき‐なかし【沖仲仕】
船舶内で貨物の積み降ろし作業に従事する港湾労働者。船内荷役(にやく)作業員。
おきな‐がい【翁貝】
ソトオリガイ科の二枚貝。潮間帯付近の砂泥底にすむ。貝殻は楕円形で膨らみ、殻長約5センチ。殻は薄く、真珠光沢が強い白...
おきながたらしひめ‐の‐みこと【息長足媛命/息長帯比売命/気長足姫尊】
神功(じんぐう)皇后の名。
おきな‐き【翁忌】
《「翁」は松尾芭蕉をさす》松尾芭蕉の忌日、陰暦10月12日。芭蕉忌。桃青忌。時雨忌。おきなの日。《季 冬》
おきな‐ぐさ【翁草】
1 キンポウゲ科の多年草。日当たりのよい山野に生え、高さ約30センチ。全体に長く白い毛が生え、葉は羽状複葉。春、暗...
おきなぐさ【翁草】
江戸中期の随筆。200巻。神沢貞幹著。初めの100巻は明和9年(1772)成立、のち100巻を加えたが天明8年(1...
おきな‐ごうし【翁格子】
格子縞の一。太い格子の中に、さらに多くの細かい格子を表したもの。
おきな‐さ・びる【翁さびる】
[動バ上一][文]おきなさ・ぶ[バ上二]老人らしくなる。また、老人らしく振る舞う。おきなぶ。「いや、—・びた事を言...
おきな‐じるこ【翁汁粉】
白餡(しろあん)に、求肥(ぎゅうひ)あるいは白玉・葛(くず)すいとんなどを入れた汁粉。
おきな‐じる【沖魚汁】
海でとった魚をすぐに用いて作った汁。沖汁。
おきな‐つき【翁付】
能で、最初に「翁」を演じる正式な番組立て。原則として、「翁」に続いて同じシテ・地謡(じうたい)・囃子方(はやしかた...
おきな・ぶ【翁ぶ】
[動バ上二]老人らしくなる。年寄りくさくなる。「何となく—・びたる心地して、世間の事もおぼつかなしや」〈源・常夏〉
おき‐なます【沖膾】
沖でとった魚を船中ですぐになますに作ったもの。また、それをまねた料理。《季 夏》「はらわたの塵を洗はん—/子規」
おきなもんどう【翁問答】
江戸前期の教訓書。2巻。中江藤樹著。寛永17年(1640)ころ成立。慶安3年(1650)刊。孝行を中心とする道徳哲...