こころ‐かろ・し【心軽し】
[形ク]「こころかるし」に同じ。「—・くもなど覚(おぼ)し物せむに、いとあしく侍りなむ」〈源・宿木〉
心(こころ)が洗(あら)わ◦れる
心のけがれが清められる。すがすがしい気持ちになる。「—◦れるような澄んだ音色」
心(こころ)が動(うご)・く
1 心が引きつけられる。関心をもつ。その気になる。「旅行に誘われて、少し—・いた」 2 気持ちが動揺する。心が乱れ...
心(こころ)が躍(おど)・る
喜びや楽しい期待のために、心がわくわくする。「包みを開ける瞬間、期待に—・る」
心(こころ)が折(お)・れる
心の支えを失い、意欲がなくなる。障害にぶつかってくじける。「ずっとがんばってきたが、親友の裏切りで—・れた」 [補...
心(こころ)が通(かよ)・う
互いに十分に理解し合っていて、心が通じ合う。「—・ったつきあい」
こころ‐がかり【心掛(か)り/心懸(か)り】
[名・形動]気にかかること。また、そのさま。気がかり。心配。「—な母の病状」
こころ‐がけ【心掛け/心懸け】
1 ふだんの心の持ち方。「—がよくない」「ふだんの—しだいである」 2 たしなみ。心得。「有っても一向—のございま...
こころ‐が・ける【心掛ける/心懸ける】
[動カ下一][文]こころが・く[カ下二]いつも心にとめておくようにする。気をつける。心にかける。「貯蓄を—・ける」...
心(こころ)が籠(こ)も・る
思いが十分に含まれる。気持ちがいっぱいに満ちている。「—・った贈り物」
心(こころ)が騒(さわ)・ぐ
気持ちが落ち着かない。また、胸騒ぎがする。「出先で何かあったのではないかと—・ぐ」
心(こころ)が沈(しず)・む
暗い気持ちに落ち込む。
心(こころ)が狭(せま)・い
周囲の状況や他人の言動を受け入れない。他人に対する思いやりがない。度量が狭い。
心(こころ)が解(と)・ける
心がやわらぐ。気持ちがほぐれる。「彼の—・けるまでそっとしておこう」
心(こころ)が残(のこ)・る
すっきりと忘れられず、いまだに気になる。心残りがある。「捨てたはずの郷里に—・る」
心(こころ)が弾(はず)・む
喜びや楽しい期待のために、心がうきうきする。「夏休みの期待に—・む」
心(こころ)が晴(は)・れる
心配や疑念が消えて明るい気持ちになる。「試験のことを思うと—・れない」
心(こころ)が引(ひ)か◦れる
好意を寄せる。思いを寄せる。「人柄のよさに—◦れる」
心(こころ)が広(ひろ)・い
おおらかで、周囲の状況や他人の言動をよく受け入れる。度量が広い。
心(こころ)が震(ふる)・える
強く感動する。また、衝撃を受ける。魂が震える。「圧巻の舞台に—・えた」「—・えるほどの出来事」
こころ‐がまえ【心構え】
物事に対処する心の準備。覚悟。「いざという時の—」 →心掛け[用法]
心(こころ)が乱(みだ)・れる
あれこれと思いわずらい、心の平静が失われる。「思わぬ失敗に—・れる」
こころ‐がら【心柄】
1 心の持ち方。気だて。性格。「—がしのばれる」「ねえさんの—でふいにしちゃったんだわ」〈康成・雪国〉 2 《「心...
こころ‐がわり【心変(わ)り】
[名](スル) 1 心が他に移ること。変心。「男の—したのを責める」 2 心が正常の状態でなくなること。乱心。「心...
こころがわり【心変わり】
《原題、(フランス)La Modification》ビュトールの小説。1957年刊。同年のテオフラストルノド賞を受賞。
こころ‐きき【心利き】
《「こころぎき」とも》気がきいていること。また、その人。「きゃつは—ぢゃ」〈虎明狂・今参〉
心(こころ)利(き)・く
機転がきく。よく気がきく。「是等は皆一騎当千の兵にて、—・き夜討ちに馴れたる者共なりとは云ひながら」〈太平記・二八〉
こころ‐きたな・し【心汚し】
[形ク]卑劣である。心が卑しい。「いづれをも無徳ならず定め給ふを、—・き判者(はんざ)なめりと、聞こえ給ふ」〈源・梅枝〉
こころ‐きよ・し【心清し】
[形ク]さっぱりして心残りがない。邪念がない。いさぎよい。「妙荘厳王も、—・き三昧どもを勤め給ひて」〈狭衣・四〉
こころ‐ぎも【心肝/心胆】
1 心の中。「いとど—もつぶれぬ」〈源・浮舟〉 2 思慮。考え。才覚。「—なく、相思ひ奉らざりしものを強ひて使ひ給...
こころ‐ぎれ【心切れ】
連歌・俳諧で、句中に切れ字が用いられていなくても、意味の上から句切れになること。また、その句。
こころ‐くばり【心配り】
あれこれと気をつかうこと。心づかい。配慮。「温かい—」
こころ‐くらべ【心競べ】
意地の張り合い。「—に負けむこそ人悪けれ」〈源・明石〉
心(こころ)昏(く)・る
心を取り乱して、分別がなくなる。「絶え入り給ひぬとて、人参りたれば、さらに何事も思し分かれず、御心もくれて渡り給ふ...
こころ‐ぐ・し【心ぐし】
[形ク]心が晴れずうっとうしい。せつなく苦しい。「—・く思ほゆるかも春霞たなびく時に言の通へば」〈万・七八九〉
こころ‐ぐせ【心癖】
生まれながらの性癖。「今さらに人の—もこそと思(おぼ)しながら」〈源・真木柱〉
こころ‐ぐま【心隈】
心にわだかまりがあること。「保子は信吾の—に気づかなくて」〈康成・山の音〉
こころ‐ぐみ【心組(み)】
かねてからの心の用意。心積もり。心構え。「君達がお礼をする—があるなら一人前五六百円」〈魯庵・社会百面相〉
こころ‐ぐるし・い【心苦しい】
[形][文]こころぐる・し[シク] 1 心に痛みを感じるさま。つらく切ない。「彼の苦労を思うと私も—・い」 2 申...
こころ‐げそう【心化粧】
相手によく思われようと改まった気持ちになること。「この御方に渡らせ給ふ折は、—せさせ給ひけり」〈栄花・初花〉
心(こころ)ここに有(あ)らず
《「礼記」大学から》心が他のことにとらわれて、当面のことに心を集中できない。「—といった体(てい)で落ち着かない」
こころ‐こと【心異/心殊】
[形動ナリ] 1 心が変化するさま。「衣(きぬ)着せつる人は、—になるなりといふ」〈竹取〉 2 趣が格別であるさま...
こころ‐ごころ【心心】
[名・形動ナリ] 1 人それぞれの心。「それは人の—にこそさぶらはめ」〈夜の寝覚・一〉 2 人それぞれに考えが異な...
こころ‐ごわ・し【心強し】
[形ク]強情である。気が強い。「かたじけなき御志を、みずしらず—・きさまにもてなすべき」〈和泉式部日記〉
こころ‐さびし・い【心寂しい/心淋しい】
[形][文]こころさび・し[シク]なんとはなしにさびしく思う。こころさみしい。「お勢が帰塾した当座両三日は、…何と...
こころ‐さわぎ【心騒ぎ】
心が落ち着かないこと。むなさわぎ。「見るからに—のいとどまされば、言少なにて」〈源・浮舟〉
こころ‐さんよう【心算用】
心の中で見積もりを立てること。胸算用。「毎日—して、諸事に付きて利を得ることの少なき世なれば」〈浮・胸算用・五〉
こころ‐ざし【志】
1 ㋐ある方向を目ざす気持ち。心に思い決めた目的や目標。「—を遂げる」「事、—と異なる」「—を同じくする」「青雲の...
志(こころざし)合(あ)えば胡越(こえつ)も昆弟(こんてい)たり
《「漢書」鄒陽伝から。志が合えば、北方の胡の者と南方の越の者とでも兄弟同様になれる意》志が一致すれば、他人どうしで...
志(こころざし)は髪(かみ)の筋(すじ)
わずかな物でも真心がこもっているなら、それをくみ取れということ。