こころ‐ね【心根】
心の奥底。本当の心。真情。本性。「—を推し量る」「—は優しい人だ」
こころ‐の‐あき【心の秋】
1 心に飽きがくること、人に飽きられることの「飽き」を「秋」に掛けていう。「しぐれつつもみづるよりも言の葉の—にあ...
こころ‐の‐いけ【心の池】
心の中の深い思いを水をたたえた池にたとえていう語。「—の言ひがたき、修羅(しゅら)の苦患(くげん)の数々を」〈謡・実盛〉
こころ‐の‐いたり【心の至り】
隅々まで心が行き届くこと。思慮深いこと。「—少なからむ絵師は描き及ぶまじ」〈源・明石〉
こころ‐の‐いとま【心の暇】
1 心に屈託のない時。心の休まる時。心の余裕。「いとど御—なけれど」〈源・賢木〉 2 口に出さないで、心でひそかに...
こころ‐の‐いろ【心の色】
1 心に深く思い込んでいるありさま。また、その心。「常盤(ときは)なる日陰の蔓(かづら)今日しこそ—に深く見えけれ...
こころ‐の‐うち【心の内】
うそいつわりのない心。内心。本心。「—を打ち明ける」
こころ‐の‐うま【心の馬】
《「心馬(しんめ)」を訓読みにした語》心が激しく働き、抑えにくいことを勇み逸(はや)る馬にたとえていう語。→意馬心...
こころ‐の‐うら【心の占】
心の中で未来を推察すること。推量。予想。「さかしき人の—どもにも、物問はせなどするにも」〈源・薄雲〉
こころ‐の‐おに【心の鬼】
1 ふと心に思い当たる良心の呵責(かしゃく)。「かたはらいたく、—出で来て、言ひにくくなり侍りなむ」〈枕・一三五〉...
心(こころ)の鬼(おに)が身(み)を責(せ)める
良心に責められる。
こころ‐の‐かて【心の糧】
精神を豊かにするのに役立つもの。「—となる書物」
こころ‐の‐ケア【心のケア】
病気・事故・犯罪・災害などで危機的状況を経験したために起こる心身の問題を予防したり、その回復を援助したりする活動。
こころ‐の‐こえ【心の声】
内心で思っていることや考えていること。また、声には出さずにいる思い。「—に耳を傾ける」
こころ‐の‐こおり【心の氷】
不安や心配事などの解けがたい状態を氷にたとえていう語。心のしこり。「忠兵衛は世を忍ぶ—三百両」〈浄・冥途の飛脚〉
こころ‐の‐こま【心の駒】
「心の馬」に同じ。「—は日に千度(ちたび)、恋しき方に走り井の」〈浄・蝉丸〉
こころ‐のこり【心残り】
[名・形動]あとに思いが残ってすっきり思い切れないこと。また、そのさま。未練。「—なのは幼い子供を残していくことだ」
こころ‐の‐さる【心の猿】
《「心猿」を訓読みにした語》煩悩(ぼんのう)が激しく抑えがたいことを、落ち着きのない猿にたとえていう語。→意馬心猿...
こころ‐の‐じゅんび【心の準備】
これから起こりうる事態を予想し、それを受け止める気持ちをもっておくこと。心構え。心用意。
こころ‐の‐すぎ【心の杉】
まっすぐな心を杉にたとえていう語。また、変わらない心を常緑樹の杉にたとえていう語。「誰ぞこの三輪の檜原(ひばら)も...
こころ‐の‐すさび【心の遊び】
心のおもむくままに物事をすること。気まぐれ。もの好き。「—にまかせて、かく好き業するは」〈源・葵〉
こころ‐の‐せき【心の関】
1 思いが通じないで滞ることを関所にたとえていう語。「憂き人の—にうちも寝で夢路をさへぞ許さざりける」〈新千載・恋...
こころ‐の‐そこ【心の底】
心の奥。また、うわべからはわからない本当の心。本心。「—から愛する」
こころ‐の‐そら【心の空】
1 心を空にたとえていう語。心の中。「世をいとふ—の広ければ入る事もなき月も澄みなん」〈拾玉集・一〉 2 うわのそ...
こころ‐の‐たけ【心の丈】
思うことのすべて。心の深さ。思っている愛情の深さ。「—を打ち明ける」
こころ‐の‐ちり【心の塵】
心のけがれ。心の迷い。煩悩(ぼんのう)。雑念。「ありがたき法(のり)にあふぎの風ならば—を払へとぞ思ふ」〈山家集・中〉
こころ‐の‐つき【心の月】
《「心月」を訓読みにした語》悟りが開けた境地を月にたとえていう語。清く明らかで迷いのない心。「いかでわれ—をあらは...
こころ‐の‐とも【心の友】
1 互いに心をわかり合う友。親友。 2 心を慰めてくれるもの。「俳句を—とする」
こころ‐のどか【心長閑】
[形動][文][ナリ]心静かにのんびりしているさま。「春の一日を—に過ごす」
こころ‐の‐なし【心の做し】
気のせい。思いなし。「—にやあらむ、いま少し重々しく」〈源・宿木〉
こころのなぞとけたいろいと【心謎解色糸】
歌舞伎狂言。世話物。5幕。4世鶴屋南北・2世桜田治助らの合作。文化7年(1810)江戸市村座初演。小糸(こいと)佐...
こころ‐の‐ノート【心のノート】
文部科学省が平成14年(2002)より全国配布した、小中学校向けの道徳教材。生命の大切さや自律精神、社会規範などに...
こころ‐の‐はな【心の花】
1 変わりやすい心を、花の散りやすいことにたとえた語。あだ心。「うつろふ人の—になれにし年月を思へば」〈徒然・二六...
こころのはな【心の花】
短歌雑誌。佐佐木信綱が明治31年(1898)2月に創刊。明治37年(1904)からは短歌結社「竹柏会」の機関誌とな...
こころ‐の‐ひま【心の暇】
「こころのいとま」に同じ。「秋の夜は月に—ぞなき出づるを待つと入るを惜しむと」〈詞花・秋〉
こころ‐の‐びょうき【心の病気】
「心の病(やまい)」に同じ。→精神疾患
こころ‐の‐ほか【心の外】
1 自分が望んでいるとおりにならないこと。不本意。「世を御—にまつりごちなし給ふ人々のあるに」〈源・須磨〉 2 心...
こころ‐の‐みず【心の水】
心の清濁や深浅などを水にたとえていう語。「思ひやれ—の浅ければかきながすべき言の葉もなし」〈詞花・雑下〉
こころ‐の‐やいば【心の刃】
1 人に危害を与えようとする心。「我を土足にかけまくも沈みし君を助けたる咎(とが)とて殺す—」〈浄・女護島〉 2 ...
こころ‐の‐やまい【心の病】
精神疾患のこと。心の病気。
こころ‐の‐やみ【心の闇】
1 心の平静を失って、理非の分別がつかなくなること。「よもすがら月を見顔にもてなして—に迷ふころかな」〈山家集・中...
こころのれきし【心の歴史】
《原題、(スペイン)Historia del corazón》スペインの詩人アレイクサンドレの詩集。1954年刊行...
こころ‐はしり【心走り】
不安・心配・驚きなどで胸がどきどきすること。心騒ぎ。胸騒ぎ。「あやしく、—のするかな」〈源・浮舟〉
こころ‐はずか・し【心恥づかし】
[形シク] 1 他に対して気恥ずかしいさま。気が引ける。きまりが悪い。「御いらへ、いまめかしからず—・しき程に聞こ...
心(こころ)は二(ふた)つ身(み)は一(ひと)つ
あれもこれもと望むのだが、自分のからだは一つしかなく、思うにまかせない。
こころ‐はや・し【心早し】
[形ク]心の働きがはやいさま。機敏であるさま。「この人、幼稚なれども—・き人にて」〈太平記・一四〉
心(こころ)は矢竹(やたけ)
《「矢竹」は「弥猛」の当て字》心がますます激しく勇み立つこと。「—にはやれども、もう叶はぬ」〈浄・千本桜〉
こころ‐はやり【心逸り】
心が勇み立つこと。気がせくこと。いらだつこと。「—のままに、祐成(すけなり)いかにもなるならば」〈曽我・八〉
こころ‐ば【心葉】
1 心ばえ。心。「人知れぬ我が—にあらねどもかきあつめても物をこそ思へ」〈和泉式部続集〉 2 綾絹の四隅や中央に、...
こころ‐ばえ【心延え】
《「ばえ」は心の働きを外部に及ぼすことの意》 1 心の状態。心の持ち方。気だて。「—の優しい人」 2 思いやり。配...