さつま【薩摩】
旧国名の一。今の鹿児島県の西部にあたる。薩州。 1 「薩摩芋」の略。 2 「薩摩絣(がすり)」の略。
さつま【薩摩】
江戸古浄瑠璃の一派の家名。
さつま‐あげ【薩摩揚(げ)】
すり身にした魚肉を味つけして油で揚げた食品。刻んだ野菜を加えることもある。
さつま‐いおうじま【薩摩硫黄島】
⇒硫黄島
さつま‐いとびな【薩摩糸雛】
糸雛の一。二つ折りまたは三つ折りにした厚紙に浦島と乙姫、高砂の尉(じょう)と姥(うば)などを絵模様に描いたもの。頭...
さつま‐いも【薩摩芋/甘藷】
ヒルガオ科の蔓性(つるせい)の多年草。地をはう茎の節から根が伸び、地中に大きい塊根をつくる。夏、アサガオに似た小花...
さつまいも‐あめ【薩摩芋飴】
蒸したサツマイモを原料として、麦芽などで糖化し煮つめて作った褐色の飴。
さつまいも‐もとぐされびょう【薩摩芋基腐病】
サツマイモの茎の地際が黒変し、茎や葉が枯死して塊茎が腐敗する病害。ヒルガオ科の植物に糸状菌の一種が感染することで生...
さつま‐いり【薩摩煎り】
煎った米に、小豆と刻んだサツマイモを入れ、醤油・砂糖で味つけした食品。
さつま‐うま【薩摩馬】
日本馬の一。江戸時代に薩摩藩で飼育・改良したもので、乗用として第一とされた。
さつま‐がすり【薩摩絣】
紺地に白の絣模様を織り出した平織りの木綿布。染め色の堅牢さが有名。もと琉球で織られ、薩摩を経て売り出された。
さつま‐ガラス【薩摩ガラス】
江戸末期に薩摩藩で製作されたガラス。紅ビードロとよばれる色ガラスや、カットして模様を表す薩摩切り子などがある。
さつま‐ぐろ【薩摩黒】
薩摩地方から産する黒い石。那智黒(なちぐろ)の代わりに盆石として用いられる。
さつま‐げき【薩摩外記】
江戸前期の古浄瑠璃の太夫。薩摩浄雲の門弟。江戸で活躍し、外記節を創始。江戸堺町で操り芝居を興行した。生没年未詳。
さつま‐げた【薩摩下駄】
駒下駄に似た形で、台の幅が広く、白い太めの緒をすげた男性用の下駄。多く杉材で作る。
さつま‐こくぶ【薩摩国府】
鹿児島県国分地方から産する上質のタバコ。
さつま‐ごよみ【薩摩暦】
江戸時代、薩摩藩で特に暦編集の役人を置いて作らせ、領内だけに用いられた暦。
さつまじしょ【薩摩辞書】
英和辞書。薩摩藩学生高橋新吉・前田正穀共編「改正増補和訳英辞書」の通称。明治2年(1869)刊。開成所の「英和対訳...
さつま‐じょううん【薩摩浄雲】
[1595〜1672]江戸前期の古浄瑠璃の太夫。初世。山城または和泉の人。通称、虎屋次郎右衛門。別名、薩摩太夫など...
さつま‐じょうふ【薩摩上布】
沖縄県宮古・八重山の諸島に産する上質の麻織物。苧麻(ちょま)を手紡ぎにして織ったもの。もと琉球からの貢納物で、薩摩...
さつま‐じる【薩摩汁】
鶏肉・豚肉・大根・ごぼう・里芋・こんにゃくなどを煮込んだ味噌汁またはすまし汁。鹿児島の郷土料理で全国に広まった。《...
さつま‐すぎ【薩摩杉】
屋久杉(やくすぎ)の別名。
さつませんだい【薩摩川内】
鹿児島県北西部にある市。川内川下流の九州本土区域と、甑島(こしきしま)区域からなる。奈良時代には薩摩国府が置かれた...
さつませんだい‐し【薩摩川内市】
⇒薩摩川内
さつま‐にしき【薩摩錦】
マダラガ科のガ。体は青緑色、翅(はね)に白・青・橙色の斑紋が散在し、ガの中でも美しく、昼飛性。九州・沖縄など南部に...
さつま‐にんぎょう【薩摩人形】
薩摩に伝わる武者人形。紙製の鎧(よろい)をつけ、両手がなく、鎧の袖に2本の矢をさし、薄板で作った馬にまたがっている...
さつま‐の‐かみ【薩摩守】
1 薩摩国の長官。特に、平忠度(たいらのただのり)をさすことが多い。 2 《「薩摩守忠度(ただのり)」を「ただ乗...
さつま‐の‐くに【薩摩国】
⇒薩摩
さつま‐はやと【薩摩隼人】
《上代、薩摩に住んでいた隼人一族が、勇ましくすばしこいことで知られたところから》薩摩出身の武士。また、一般に鹿児島...
さつま‐はんとう【薩摩半島】
鹿児島県南西部の半島。低い山地と火山灰層の台地とからなり、鹿児島湾を隔てて大隅(おおすみ)半島と対する。
さつま‐ばん【薩摩版】
室町時代から江戸初期にかけて薩摩で出版された書籍。江戸末期にも若干の刊行があった。
さつま‐びきゃく【薩摩飛脚】
1 薩摩国へ行く飛脚。 2 《江戸時代、薩摩藩が国情の漏れるのを恐れて領内に入った他国の者の出国を許さなかったこと...
さつま‐びわ【薩摩琵琶】
室町末期、薩摩で発生した琵琶音楽、およびそれに用いる楽器。勇壮な歌詞、悲壮な曲風のものが多い。普通は4弦4柱(じゅ...
さつま‐ふじ【薩摩富士】
開聞岳の異称。
さつま‐ぶし【薩摩節】
薩摩地方特産のかつお節。 [補説]曲名別項。→薩摩節
さつま‐ぶし【薩摩節】
古浄瑠璃の一。寛永(1624〜1644)のころ、江戸で薩摩浄雲の始めたもの。剛健な語り口を特徴とする。浄雲節。薩摩...
さつま‐やき【薩摩焼】
鹿児島県薩摩・大隅地方に産する陶磁器の総称。文禄の役後、島津義弘が朝鮮から伴ってきた陶工によって始められた。俗に白...
さつま‐ろうそく【薩摩蝋燭】
1 薩摩産の上等の蝋燭。 2 松脂(まつやに)・魚油でつくった下等の蝋燭。