せ‐けん【世間】
《3が原義》 1 人が集まり、生活している場。自分がそこで日常生活を送っている社会。世の中。また、そこにいる人々。...
せけん‐うけ【世間受け】
商品や作品、また政策などが大衆に評価されること。また、その評価の度合い。多く、質や斬新さに乏しくとも平易さや取っ付...
世間(せけん)が狭(せま)・い
1 交際範囲が狭い。世間に対する知識が狭い。「まだ若いから—・い」 2 世間に対して引け目を感じる。肩身が狭い。
世間(せけん)が立(た)・つ
世間への申し訳が立つ。世間に対して一分(いちぶん)が立つ。「ちょっと顔でも見たいが、いやいやそれでは—・たぬ」〈浄...
世間(せけん)が詰(つ)ま・る
世の中が不景気になる。「万事の商ひなうて、—・ったといふは毎年の事なり」〈浮・胸算用・五〉
世間(せけん)が張(は)・る
世間づきあいが広くなり、そのために費用が多くかかる。「全盛する程—・ってつらいものでごんす」〈浄・大経師〉
世間(せけん)が広(ひろ)・い
1 交際範囲が広い。つきあいが広い。 2 世間についての知識が広い。
せけん‐ぎ【世間気】
見えをはり、外聞を気にすること。世間体(せけんてい)を繕う心。「兼ねて用心せよと、—のかしこき人の言ひしらせける」...
せけん‐ぐち【世間口】
世間のうわさ。世間の口。「読誦(どくじゅ)のほか、—を閉ぢたれば」〈浄・出世景清〉
世間(せけん)虚仮(こけ)唯仏是真(ゆいぶつぜしん)
この世にある物事はすべて仮の物であり、仏の教えのみが真実であるということ。天寿国曼荼羅(てんじゅこくまんだら)に記...
せけん‐さわがせ【世間騒がせ】
[名・形動]世間の人々を騒がせるような事柄であること。また、そのさま。人騒がせ。「—な事件」
せけん‐し【世間師】
1 世間に通じていて巧みに世を渡ること。悪賢く世を渡ること。また、その人。 2 旅から旅を渡り歩いて世渡りをする人。
せけん‐しらず【世間知らず】
[名・形動]経験が浅く、世の中の事情にうといこと。また、その人やそのさま。世間見ず。「—な(の)青二才」
せけん‐じゃ【世間者】
1 世間一般の人。俗人。僧侶などからみていう。「—は楽しみなき事に楽しみありと見て、其の執心を離るる事なし」〈ぎや...
せけん‐ずれ【世間擦れ】
[名](スル)実社会で苦労した結果、世間の裏に通じて悪賢くなること。「—していない人」 [補説]文化庁が発表した「...
せけん‐そう【世間僧】
形だけの出家で、戒律を守らない僧。生臭(なまぐさ)坊主。「大方は—、是非なくさま替へし者なれば」〈浮・文反古・五〉
せけん‐ち【世間知/世間智】
1 処世に必要な知恵。世知。「—にたけた人」 2 仏語。楞伽(りょうが)経に説く三智の一。世俗の知恵。世知。
せけん‐てい【世間体】
世間に対する体裁や見え。「—が悪い」
せけん‐てき【世間的】
[形動] 1 世間一般にあるようなさま。世俗的。「—な名誉欲」 2 表向きであるさま。おおやけであるさま。「—に知...
せけん‐でら【世間寺】
生臭(なまぐさ)坊主の住む寺。俗気のある寺。浮世寺。「—の有徳(うとく)なるを聞き出し」〈浮・一代女・二〉
せけん‐どうぐ【世間道具】
外出用の衣類や身のまわり品など、世間で人並みにつきあいをするための道具。「長門練(ながとねり)の無地の印籠、これな...
せけん‐なみ【世間並(み)】
[名・形動]世間一般と程度が同じであること。普通であること。また、そのさま。「—な(の)生活」
せけん‐なれ【世間慣れ】
[名](スル)世間づきあいに経験を積んでいること。「若いわりに—していて人をそらさない」
世間(せけん)に鬼(おに)はない
世の中には無慈悲な人ばかりでなく、情け深い人もいるものだ。渡る世間に鬼はない。
せけん‐の‐くち【世間の口】
世間のうわさ。「—がうるさい」
世間(せけん)の口(くち)には戸(と)は立(た)てられぬ
世間の人のうわさは防ぎ止めることができない。
世間(せけん)は張(は)り物(もの)
世間では誰でも見えを張るものだ。世界は張り物。
世間(せけん)は広(ひろ)いようで狭(せま)・い
世間は広いようであるが、実際は思いのほか狭い。思いがけない所に知人やつながりのある人がいる場合などにいう。
世間(せけん)晴(は)れて
隠したりしないでおおっぴらに。公然と。「—わが恋人を知らすべし」〈浮・諸艶大鑑・五〉
せけん‐ばなし【世間話】
あたりさわりのない、世の中の一般的な話。気のおけない雑談。
せけん‐ばなれ【世間離れ】
[名](スル)ものの考えかたや行動が、世間からかけ離れていること。世間一般の基準にこだわらずに超然としていること。...
せけん‐みず【世間見ず】
[名・形動]「世間(せけん)知らず」に同じ。「—な(の)お坊ちゃん」
せけんむすこかたぎ【世間子息気質】
浮世草子。5巻。江島其磧(えじまきせき)作。正徳5年(1715)刊。町人の息子の性癖や行動などを類型的に描いた15...
せけんむねさんよう【世間胸算用】
浮世草子。5巻。井原西鶴作。元禄5年(1692)刊。大みそかを背景に、町人たちの生活の悲喜劇を描いた20話からなる...
世間(せけん)を狭(せま)く◦する
信用を失って、世人との交際範囲を狭くする。肩身を狭くする。
世間(せけん)を張(は)・る
広く世間づきあいをする。また、世間体を気にして見えを張る。「—・って棟の高き家には」〈浮・胸算用・一〉